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2020年11月23日13:33

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広瀬悦子ピアノ・リサイタル@佐川文庫

2週間ほど前(11/8)、水戸・佐川文庫の木城館でパリ在住の中堅ピアニスト、広瀬悦子氏のリサイタルを聴いてきました。コロナ禍にあって、地方では演奏会そのものが少ないので、行ける時には生演奏を聴きに行きたいとは思っていますが、全てが当たりとは言えませんね。前回、ここで聴いた藤田真央氏のリサイタルはよかったのですが、今回の広瀬氏の演奏、私にとってイイネ!とは言えないものでした。

広瀬氏はスリムな美人さん。しかし見かけによらずガンガンとピアノを鳴らす方で、演奏もちょっと粗かった。このホールは吸音が弱く、ウァンウァンと響きすぎる傾向なので、ピアノリサイタルを聴く時は後方で聴くようにしているのですが、それでも音を鳴らしすぎ。耳が疲れました。残念ながら、ゆったりと音楽に浸れなかった。

プログラムの構成は、前半がベートーヴェンの作品、後半がショパンやモシュコフスキーらのテクニカルで短めの曲。それなりの意図は感じられますが、全体を見通すと、弾き散らかした感が強かった。ピアノリサイタルというよりも、サロンコンサートのよう…。私としては、聴きごたえが感じられませんでした。プログラムを見た時から、予想はしていたけど…(苦笑)

ちょっとおもしろかったのは、最初に弾かれたベートーヴェンのピアノソナタ第17番。ソナタというより、シューマン的な幻想曲風に弾いたところが新しい感じかな。一方で、モシュコフスキーのような通俗的な音楽は、たしかに耳障りはいいのでアンコールで弾くにはイイかもしれませんが、リサイタルの芯に入れるのは、全体構成の中では音楽的な強度が薄く、選択ミスに思えました。

プログラムは以下の通りです。
ベートーヴェン:ソナタ第17番 op.31-2 「テンペスト」
ベートーヴェン:ロンド・ア・カプリッチョ op.129「失われた小銭への怒り」
ベートーヴェン/カルクブレンナー:交響曲第9番 op.125 より第1楽章
(休 憩)
クライスラー/ギンズブルグ:前奏曲とアレグロ
モシュコフスキー:愛のワルツ op.57-5
ワーグナー/モシュコフスキー:イゾルデの愛の死
ショパン:ノクターン 第13番 op.48-1
ショパン:バラード 第1番 op.23
(アンコール)
モシュコフスキー:秋に
ビゼー/モシュコフスキー:「カルメン」より「ジプシーの歌」

ちなみにこの動画は、リサイタルでも弾かれた広瀬氏によるモシュコフスキー作曲の愛のワルツ op.57-5。実演とはちょっとちがった感じのスマートな演奏。
https://www.youtube.com/watch?v=FdYz2Hvu8Q0&list=OLAK5uy_kLcRqLO2cFp_D-2jbVyXKrgLTFbVlsxkg&index=4



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