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2020年10月30日11:35

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安全と安心

テレビでマイクを向けられた人が「皆様に安全安心を提供・・・」といった決まり文句を使うようになったのは、東日本大震災による原発事故後だと記憶している。どうして「安全」と「安心」をセットにしなければならないのか、当初から疑問に思ってはいたが、菅政権になってにわかに浮上したフクイチの汚染水問題である程度は説明ができそうだ。

「安全」とはこの件に関していえば人間だけでなく生態系に悪影響を与えるほどの害はない、ということ。実際、トリチウムに関しては研究がかなり進んでおり、ALPSでは除去できないけれど内部被曝や外部被曝に関して多くの専門家が少なめに分析している。一方、「安心」は主に風評被害に結びつく言葉で、長いスパンで見て本当に大丈夫なのかという疑問が消えたわけではない。そのどちらを重視するのか、原発事故後10年近くで論争が盛んになっている。

政府は遅まきながら「安全」を国民に訴え、先延ばしはあり得ないと説く。漁業関係者はじめ海流放出に反対する人たちは、「安心」を担保できないのに賛成できるはずがないという。原発事故後の政権は旧民主党も自民党も関わっている。どちらもこの問題を先送りしてきたから、こういう問題が起きてしまったのかも。大阪湾に放流しろと主張し始めた市長もいるが、そうなれば関西で同じ論争が起きることは明白。そして30年後の中間貯蔵施設の最終処分だって、同じ流れになるのは目に見えている。今回の問題で政府と国民がどう判断するかは、将来的に「安全」と「安心」に折り合いを付ける試金石になるのではなかろうか。

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