パンが安くて美味しい！

昨年４月にオープンした川内村の「ベーカリー　リヴィエール」は、店の建設中から「かわうちの湯」通いで目撃していたし、井出商工会長の娘さんの店という情報も知っていたのでよく眺めていた。ただ、私は１０年前から玄米食中心の食生活をしているため、パンを口にすることはほとんどない。失礼とは思ったが、私が編集部に提出した取材候補に挙げていたので、先日に遅まきながら来店が実現した。

私だけでなく田舎でパンを口にする人は多くないから、いくら日帰り温泉の前とはいえ人は来るのだろうかと思っていたのは事実。ところが、取材中にも１人で買いに来るおばあちゃん、スーツ姿のサラーリーマンなどが続々と客が現れる。小さなお店でいまはコロナ禍のためイートインスペースもクローズしているが、実に活気があるのだ。ご夫婦以外にパートで働く方も２名いたくらいである。

子どもの頃からパン屋をやる夢を抱き続けていた娘さんは、東京の製菓学校を卒業後に軽井沢の有名パン屋などで修業。２０代後半にＵターンして独立の夢を叶える予定だったが、東日本大震災が発生した。再び首都圏に戻って修業を続け、３年前に川内村に戻ってきたのだが、１０数年も磨いてきたパン作りの腕は一流。しかも、くるみパンやメロンパンなどが１００円台とものすごくリーズナブルなのである。阿武隈山系の新たな名店と言えそうだ。