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2020年10月03日08:50

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実写版ムーランのボイコット運動

新型コロナウイルスが世界的に蔓延して延期を余儀なくされてきたディズニー映画の実写版ムーランがついに公開に至りました。日本国では、4月17日から映画館で公開予定だった映画ですが、ディズニープラスという配信サービスのみでの公開です。日本円で212億円という膨大な製作費は、ディズニー映画の実写版の中で最も多いと言われています。

ムーランという物語の舞台は中国ですので、キャストは中国人です。主演は中国の人気女優のリウ・イーフェイです。リウ・イーフェイは、千人を超える応募者の中からオーディションで選ばれ、撮影の半年前から役作りのためのトレーニングを積んでいたそうです。

ディズニー映画であることから、ヒットは確実と見られていましたが、映画にケチがつく出来事が起こりました。主演のリウ・イーフェイの政治的発言により、映画鑑賞ボイコット運動が起こったのです。どのようなことかというのは、以下、報道を一部引用します。

発端は、香港の民主化デモを暴力で抑え込もうとする同地の警察が批判されるなかで、警察を支持する考えを表明したことです。リウ・イーフェイは、中国版ツイッターと呼ばれるウェイボーに「私は香港警察を支持します。誰に批判されても構いません。香港は、なんて残念なことなのでしょう」と投稿していました。

これに反応したのは、王丹をはじめとする香港警察に虐げられている香港人たちでした。理不尽な香港警察に対して支持を表明するこの女優は中国共産党の犬だ、「ムーラン」を見てリウ・イーフェイを支持するのをやめて下さい、といった運動が起こったのです。

問題となっているのはこれだけではありませんでした。やっと公開された映画を観た観客からの指摘によって、さらにボイコット運動は勢いを増したのです。以下、一部報道を引用します。さらに、映画のエンドロールに新疆自治政府の機関が複数掲載されていることを、ソーシャルメディアのユーザーが発見したのです。

トルファン市の治安当局や、「中国共産党・新疆ウイグル自治区委員会広報部」といった名前もあった。エンドロールの名前を指摘した呉志麗さんはツイッターで、「新疆は文化的ジェノサイド(大量虐殺)が行われている場所だ。ディズニーは新疆で広範囲な撮影を行ったが、字幕では中国北西部と表記されていた」と指摘したのです。

中国の専門家エイドリアン・ゼンツ氏はBBCの取材で、トルファン市の治安当局は、ウイグル人の再教育を行っている部署だと説明。また、エンドロールにあった広報部は新疆でプロパガンダ政策を任されている部署で、収容施設の建設や、施設内の警備員の雇用も行っているという。

ゼンツ氏によると、「トルファン市では2013年8月から再教育が始まった証拠があり、女性がヴェールをまとったり、男性がひげを生やしただけで収容施設に送られている」。香港の著名な民主化活動家のジョシュア・ウォン氏も「事態はどんどん悪くなっている!」とツイート。警察の暴力とウイグル人の集団監禁に共謀する可能性も出てきたのです。

トランプ政権は「ウイグル人権法案」を可決するなど批判を強めています。この運動は、香港、台湾、タイなどを中心に広がっています。タイでは劇場公開となっているため、ボイコット運動が過熱すれば観客が来ないのが一目瞭然となります。作品を作るにあたってディズニー側と共産党との取引があり、撮影部隊がトルファンにいたとのことです。

撮影しているすぐそばに収容施設があって、その中ではウイグル人たちが苦しい日々を送っていたかもしれません。だが、作品を作成している人々は政治的事情とは関係なく、真剣に作品作りに行なっていたことでしょう。出来上がった作品は、予告編やメイキングを見るだけでも、壮大なスケール感のある魅力的なものなので勿体ないと思うのです。

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