高所恐怖症は罪？

コロナ禍のせいだけでもないのだろうが、最近のテレビ番組やコマーシャル、報道などはビルの屋上や上空から撮影しているものが多い。突然、そういう画面が出てくると、私は急に自己防衛で目を塞いでしまう。そのくらい高所恐怖症なのだ。なぜそうなったかはわからないが、子どもの頃に山から足を滑らせたり、東京で初めて高層ビルにのぼってびびった記憶はある。

これは心理的な障害であることは確か。例えば、幅５ｍの板の上を歩くのは何の問題もない。しかし、その外側が死に結びつく奈落の底だとわかっていれば、急に足がすくんでしまう。人間が精神の病に至るのは、そんな単純な理由もあるのだ。高所だけに限らず、川だとか海だとか満員電車などの閉所とか，他人にはわかってもらえない恐怖を感じることはある。

高所恐怖症に絞れば、いまのテレビはあまりにもそれに対する配慮がなさ過ぎるような気がする。たぶん私だけではないはずだ。もちろん、高いところが大好きでバンジージャンプの映像を笑って見ている人もいるだろう。私個人は一生、高所恐怖症は克服できないと思う。特にテレビの遠慮ない映像には慣れないだろう。そういう人間がいることも、少しはメディアの人たちに考えてほしい。