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2020年08月21日11:13

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タビ(旅)の語源

先週末、2泊3日の出張時、ホテルのフロントでもらった読売新聞の編集手帳がなかなか面白かった。そこのは、タビ(旅)の語源について論じるものでした。

タビ(旅)の語源はまだよく分かっていないらしいけれど、日本文学者の故西郷信綱氏の考えは、「田」に通じているのではないかというもの。古代の農民は家を離れ、山あいの水田の小屋で寝ることがあった。これをタブセと言うらしい。ひとり地べたに伏すタブセの経験と関連しつつ、タビという語が生まれ、ゆえに「草枕」が旅の枕詞になったのではないか…。瑞穂の国で営まれた労役と重ねて、旅の一語をかみしめたくなるもの。どこか寂しく切実で、陰影深い語感は例えば「旅行」と言い換えた途端に失われる。「GOTOトラベル」さらに軽い。
結びに、中原中也の詩が引用。
「翔びゆく雲の落とす影のやうに、
田の面を過ぎる、昔の巨人の姿…」
日本の夏は過ぎし日を偲ぶ、心の旅の季節でもある…と。

なかなかおもしろい!
コロナ禍で帰省を控えた方々は、
遠い故郷を思っていた方も多いでしょう。
私も家庭の事情で、ここ10年、旅らしいことはしていません。
しかも実家でSOHOをしているので遠い故郷を思うような情緒もありません。
数ヶ月間、フラッと海外へ旅していた頃、室生犀星の言葉を借りるなら
「ふるさとは遠きにありて思ふもの…」という漂泊の情は確かにありました。

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