mixiユーザー(id:1219102)

2020年08月16日01:41

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david theodor schmidt

英語読みならデヴィッド・テオドール・シュミット。1982年生まれの若手ピアニスト。
たまたま買ってあったCDがあったので聴いてみた。
バッハのパルティータの1番2番。それとリスト編曲のオルガン曲3曲という変わった選曲。

このパルティータ1番が素晴らしかった。
実に穏やかで繊細なアプローチ。2番はアルゲリッチの鬼気迫る演奏で有名だが、あのスタイルは兄弟子グルダの影響が大きかったようだが、本来舞曲の集まりのパルティータで、あのような激しいベートーヴェンのソナタライクなスタイルが正しいのかは疑問。
まぁ、バロックの譜面は自由に解釈してやって良いというのが一般的な解釈なのだろうけれど、あれで私は2番が好きではなくなった記憶がある。
ところが1番は公式録音としてはアルゲリッチもグルダも録音は無かったはず。
最近は大きな病(指とかの故障だったか…)の後にペライアが録音しているけれど、こちらは残念ながら未聴だ。イギリス組曲は聴いているが、このアプローチなら悪くはないはずなので、そのうち聴くだろう。
さて、それ以外の録音でもっとも有名な所ではグールドだろうか。
ゴールドベルク変奏曲(新・旧)とブラームスの前奏曲は絶対的名盤だと思うし、平均律も嫌いじゃない。そしてベートーヴェンの最後のソナタ3曲も…ただ、この人解釈にムラが有り過ぎる嫌いがある。
そしてパルティータは私にとってはあまり好ましい演奏ではなかった…62年頃までのグールドは比較的好演奏が多かったはずなのだが、これはちょっと例外かもしれない。

しかし、このシュミット君はグールドの影響は全く感じられない。何せバッハのプログラムは有っても全集は一つも録音しておらず、そもそも録音はほとんどない。
なのに他のアルバムはパルティータ6番と平均律の1曲、そしてショスタコーヴィッチの前奏曲とフーガから1曲、これにリストのバッハの主題による変奏曲の組合せ。
他はシューベルト&リスト&シューマン、メンデルスゾーン&シューベルト&ブラームスのアルバムの4枚しか見つからない。
(ブゾーニのアルバムも見つけたから5枚か…)
一人の作曲家でまとめたものが1枚もない!
バッハかリストを軸にまとめたとか、詩に触発されたピアノ音楽とか妙な括りしかない。
良くレコード会社がこんな形のアルバムを許したもんだ…と驚くが、腕前は恐ろしく巧い!しかも精確無比とまでは言わないが緻密な音楽。難しいバッハのオルガン曲のピアノ編曲版も何の違和感もなく聴かせてしまう。

出来れば平均律録音してくれないかな。
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