mixiユーザー(id:333086)

2020年08月02日16:40

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シンドラーのリスト

トマス・キニーリー著。
映画はまだ観たことがない。
本も20年ぐらい前にブックオフで買って放置していた。
あらためて読むと、訳も素晴らしいのかぐいぐい読めた。

ナチスの攻勢に乗っかって一旗揚げようとポーランドに乗り込んで来た「ナチス党員の」オスカー・シンドラー。
しかしナチスを筆頭に国を挙げてのユダヤ人迫害と組織的絶滅工作を見て、ユダヤ人たちを自らの工場の労働者として雇うことで救おうと尽力する。
親衛隊員の気まぐれで、まさに虫けらのように殺戮される状況を見れば、普通は立ち上がるのだが、当時はそんなことをすれば普通の人間なら自分が収容所送りにされる中、オスカーは地道な戦いを始める。
腐敗した親衛隊やナチ党員に対しては金や物で付け入るスキがあったから可能であったのだが、稼いだ財力を惜しげもなくつぎ込んでユダヤ人や迫害される民族を少しでも救おうと尽くす。だいたい、レイシストやナチなどは変態で享楽的、金に汚いと決まっているが、この作品でも描かれている。
もちろん何百万人もが虐殺された中での千数百人は微々たるものかもしれないが、あの狂気の中で自分を危険に陥れながらの行動は出来るものではない。

しかし、シンドラーが聖人君子かというとそうではない。車、酒、美食、贅沢を愛し、何より女が好き。正妻に隠すこともなく常に数人の女と関係を結び、女親衛隊員と水タンクの中で乳繰り合ったりする。
そういう人物であるので俺は余計に共感を覚えるのかもしれない。(笑)

ユダヤ人を解放した後は、事業は上手くいかず、助けたユダヤ人達に援助されて余生を送ったシンドラー。旺盛な精力と運は狂った時代のユダヤ人保護で使い果たしてしまったのかもしれない。女好きは生涯続いたようだが。

レイシズム、偏狭な国粋主義、優生思想は人間の尊厳を破壊する。現代の日本に住む我々にも警告を与えていないか? 俺はシンドラーになる勇気はとてももてないが。

ブルーレイの映画、ポチっとしてしまった。
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