mixiユーザー(id:32437106)

2020年07月27日22:06

152 view

7/27(月)コロナに揺れた日本と世界各国 パンデミックとの戦い 金の価格が市場最高値を記録!経済や人種差別問題 抗体検査と共にワクチン開発事情

今回新型ウィルスの感染拡大により混乱する日本や国際情勢がテーマになります。個人の記録の意味でも書いています。ご了承下さい。

7月26日(日)東京都内の新型ウィルスの新規感染者は239人、大阪府は141人、日本全国の感染者数は825人になります。

 東海地方最大の都市人口219万人の名古屋市を抱える愛知県では、80人の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。そのうち48人は名古屋市の住民です。前日の25日現在、愛知県内で過去7日間平均の入院患者数が250人を超えました。県の指標では「危険領域」に達しています。

 最新7月27日(月)の東京都内の一日当たりの新規感染者数は131名、検査件数は864にとどまりました。

 その他離島でも感染者が出ています。本日新潟県佐渡島で感染者が出たと公表されました。22日の検査で陽性が判明したようです。観光業で栄える鹿児島県与論島では、陽性者の数が累計36名となっています。


 愛知県では、27日感染者数が5日連続70人台となる76名、大阪府は87名です。岡山県真庭市ではコロナの患者を受け入れる医療機関が倒産しました。コロナ患者を受け入れる病院の倒産は全国初めてです。
https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=6172859&media_id=2&from=pickup_news

 第1章から第5章にかけて、6月6日(土)から16日(火)まで10日あまりの社会情勢を時系列にまとめています。感染者数や気候はその日の状況を伝えています。第6章は、7月25(土)現在の状況を説明しています。
 日本を含め、世界中で新型ウィルス感染拡大防止の観点から、人や物の動きが止まりました。消費が大きく冷え込み、企業の倒産や個人事業主の廃業が相次いでいます。各国政府は中央銀行と協力して、財政出動をしました。中小事業主に金銭面を保障をし、低所得者向けに公共料金の支払いを一定期間猶予します。中央銀行は、民間の銀行から長期の国債を買い入れ、金利の上昇を抑えます。株式市場にも介入しました。通貨「円」を発行する日本銀行は、コロナの感染拡大が進んだ3月16日の会合にて、ETF(上場投資信託)の買い入れ額の上限を年間6兆円から12兆円へ倍増しました。

日本やアメリカ、ヨーロッパでは、実体経済に反して、株価と共に金の価格が急上昇しました。5月18日に東京商品取引所にて金の価格が、1g当たり6084円に達しました。1982年に取引が始って以来、1g6000円を上回るのは始めてのことになります。7月22日(水)の前場でついに1g7000円を突破しました。同月27日9時30分時点で史上最高値となる1グラム7230円を記録しています。金や株価が上がっても、一般の人々の暮らしは決して良くなりません。アメリカでは、コロナ禍により、経済格差がさらに進むことが危惧されます。景気悪化に苦しむ中、人種差別問題が浮き彫りになりました。
 
 afterコロナ時代を見据え、経済活動や感染症対策について詳しく検証します。

写真=2020年5月30日、米ワシントン【AFP=時事】 掲載元JlJl.com https://www.jiji.com/jc/v4?id=covidusashimura6&p=usashimura2006-jpp034848560
フォト



第1章 夜の街関連で働く従業員を中心に陽性者続出!6月6日付け


6月6日(土)
この日は朝から昼過ぎまで曇り空に覆われていました。最高気温は28度、湿度は60%になります。日差しはなかったものの、気温と湿度が高い分、外で運動すると汗をかきます。公園を訪れた子供達は、マスクをはずして、ボール遊びをしていました。ウォーキングする老年夫婦やサイクリングを楽しむ親子の姿もあります。先月と比べると、ずいぶんとマスクをしていない人の割合が増えました。

 午後5時過ぎると、分厚い灰色の雲が空を覆います。嵐の前触れとなる風も吹き始めました。午後6時30分過ぎに、突如として雨が降ってくると、稲光も発生します。土砂降りの雨により、外出が難しい状態になりました。昨年は5月に度々雷雨が発生したものの、今年はほとんど起こりませんでした。6月以降天気の急変に注意する必要があります。

 東京都の一日当たりの新規感染者数は、この日26人になりました。26人のうち夜の街関連で働く16人の感染者の中で、12人は同じ店のホストだと明らかになりました。

 東京に次いで人口が多い大阪府は、隣接する京都府と共に、この日感染者1人にとどままっています。大阪府では、この1週間一日当たりの新規感染者数が0人の日が続いていました。

 東京都の小池都知事は、夜の街で感染者が急増している状況に警戒を強めています。新宿歌舞伎町にパトロール隊を派遣して、道行く人々に注意を呼びかけました。

 写真=東京アラート発令により真っ赤に染まる東京都庁 掲載元 6月6日付け 朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASN666KG4N66UTIL012.html
撮影者長島一浩
フォト


         第2章 政府と日銀が株価を下支えする 支給が大幅に遅れる持続化給付金

 新型ウィルス感染拡大防止の観点から、政府が緊急事態宣言を出したことにより、物価変動を除いた4月の消費支出(二人世帯)は、前年同月比11%減となりました。消費支出の減少は、2019年10月の消費増税以来7ヶ月連続になります。

 実体経済に反して、日経平均株価はうなぎ昇りに上昇していきました。6月2日に、3ヶ月ぶりの高値となる2万2325円をつけました。

 経済活動の停滞により、消費が落ち込む中で、日本銀行が株式市場を支えています。6月2日に発表した5月のマネタリーベース(資金供給量)の平均残高は、前年同月比3・9%増の530兆8787億円と過去最大を更新しました。新型コロナウイルスの感染拡大への対策として日銀が打ち出した新たな資金供給策を受け、伸び率は2019年6月(4・0%増)以来、11ヶ月ぶりの高水準に達したのです。

 写真=日本銀行の建物 掲載元日本銀行のページ https://www.boj.or.jp/
フォト


 日銀は3月の金融政策決定会合にて、中小企業の資金繰りを支援するため、融資を行う民間金融機関に金利0%で貸し出す制度を新設しました。緊急事態宣言が延長された5月、融資を申し込む中小・個人事業者が増加に転じます。日銀の後ろ盾を得た民間の銀行が、中小・個人事業者に安心してお金を貸し出すようになりました。景気回復への期待感から、投資家が積極的に株を買うようになりました。日銀の狙い通り、日経平均株価は3月13日の1万6690円で底を打ち、その後上昇に転じました。5月1日、日経平均株価は2万円台まで回復します。

 なおマネタリーベースとは、日本銀行が世の中に直接的に供給するお金のことを差します。具体的には、市中に出回っているお金である流通現金(「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」)と日本銀行当座預金(日銀当座預金)の合計値です。マネタリーベース=「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

 マネタリーベースについて https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/statistics/h06.htm/

金融政策はYahoo6月2日付け記事より https://news.yahoo.co.jp/articles/d621af0fbf355b604fbd0026bb76ef42fa21e4e6

 大規模な金融緩和と財政出動により、国の借金は膨らむばかりです。借金総額は2020年3月末で1114兆円、一人当たり901万円となりました。2019年末から3兆3497億円増加しています。幸いにも日本銀行が、大量に国債を買い入れたことにより、長期10年物国債の金利は0,1%にとどまりました。

 経済対策として政府がさらに追加予算を組み、全て国債で賄えば、さらに借金は増えます。

 写真掲載元 2018年付け12月3日東洋経済新聞https://toyokeizai.net/articles/-/252429?page=4
フォト


 景気対策として、政府は200兆円規模の予算を組んでいます。中小企業の資金繰りを助け、休業要請に応じた個人事業者に金銭保障をします。いわゆる「持続化給付金」です。国民一人当たり一律10万円支給する「定額給付金」も予算に含まれています。

日本の国会では「持続化給付金」をめぐって、論戦が繰り広げられています。支給事務の委託や外注が繰り返され、支援を必要としている事業主に行き届いていません。国民一人当たり一律10万円を支給する「定額給付金」も対応の遅れが目立っています。東京23区、関東の政令都市、県庁所在地を含む34市区で、給付金が支給された世帯数は、総世帯の2%強(五月末時点)にとどまることが、東京新聞の調査で明らかになりました。国民が納めた税金や社会保険料が正しく使われてるのか、不透明感がましています。

                 第3章 コロナ禍により、財政健全化が遠のく


国際通貨基金(IMF)は6月11日、各国政府による新型コロナ経済対策の規模が10兆ドル(約1070兆円)に達したと、発表しました。世界のGDP(国内総生産)に占める財政支出総額の割合は、金融危機が深刻化した2009年の2倍以上と試算されています。

写真=IMFのロゴ 掲載元 国際通貨基金 https://www.imf.org/external/japanese/index.htm
フォト


 日本は6月12日、今年度第2次補正予算を成立させ、第1次補正予算とあわせ、一般会計から経済対策に60兆円を投じます。米国は既に3兆ドル(日本円で約320兆円)と最大規模になりました。ドイツは今月合意した追加策を含めて、少なくとも8800億ユーロ(約106兆円)をコロナ対策に充てます。経済評論家は、1930年代にアメリカを発端に起こった「世界恐慌」以来の危機と警戒を強めています。各国政府と中央銀行は、財政出動して、株価を支え、企業の倒産を防ぎます。


 今深刻なのは、派遣やアルバイトで働く非正規労働者です。勤め先企業の事業規模縮小などにより、雇いとめにあい、失業者が増加しています。満足な預貯金や不動産などの資産もなく、苦境に立たされました。全国平均で生活保護の申請件数は4月と比較して、5月は3割もアップしています。

 

 ファンドや一部の投資家は資産防御に成功しています。一流企業も内部留保を吐き出すことにより、雇用を維持できるでしょう。大手企業の正社員や公務員は、コロナ禍でも多少ボーナスに影響が出るとはいえ、比較的安泰です。

 アルバイトやパート、派遣で働く非正規労働者や外国人労働者にしわ寄せがいっています。日本に問わず、世界中で経済の格差拡大が進んでいます。

                第4章 コロナ禍で浮き彫りになった人種差別問題

 5月29日に起こったアメリカミネソタ州の白人警官による、黒人男性の暴行死が社会問題化しました。アメリカを越えて、イギリスでも人種差別に抗議するデモが起きています。6月1日にミネソタ州担当の郡検視官事務所は、正式な死亡検案書を公表し、殺人と断定しました。3日後の6月4日、被害者を取り押さえた警官は、前日第3級殺人の疑いで検察から取調べを受けていたものの、より重い第2級殺人として起訴されます。有罪判決が下ると、3級殺人より15年刑期が長い、最高禁錮40年の刑が科せられます。現場にいながら無視し続けていた他の3人の警察官は、第2級殺人ほう助・教唆罪で訴追されました。もちろん一連の犯罪に関わった4人の警官は、ただちに免職されています。

日本では6月7日、インターネットの個人情報向けサイトにて、女性の呼びかけに応じた1000人が、大阪市内に集い、人種差別撤廃を訴え、デモ隊を形成しました。「人種差別反対」のプラカードを掲げると共に「BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ)」とシュプレヒコールをあげながら、大通りを2時間に渡って行進しました。

 写真掲載元 朝日新聞DEGITAL 6月8日付け https://news.yahoo.co.jp/articles/0b42fa1ab46ea063bf3672e3fd809de6b6246d05
フォト


日本では、北海道の原住民少数のアイヌ人を除く、ほとんどが日本人です。人種が多様化しているアメリカとは全く異なる世界です。少子高齢化に伴い、労働力不足を解消するべく、近年ベトナムやフィリピン、タイを含め、東南アジア系の移民を受け入れるようになりました。肌の色はもちろん、宗教と共に、母国語が異なる人と共生するべく、より寛容な社会に生まれかわらなければなりません。人種差別は無視できない問題となりました。デモ隊は、行進を終えると、地面に片膝を立てて、抵抗の姿勢を示しました。翌週14日(日)には、東京都でも人種差別に抗議するデモが起こりました。

  詳細は2020年6月7日のNHKニュースにて https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200607/k10012461691000.html

アメリカの東海岸時間の6月12日夜、ジョージア州の州都アトランタにて、再び白人警官が、黒人を射殺する事件が起きました。ことの経緯は、飲酒運転の取り締まりに始ります。ドライブスルー形式の飲食店を訪れた人達の車をノックし、アルコール検査を求めました。黒人の被害男性から微量のアルコールが検出されたといいます。法令違反を犯した黒人男性と、白人警官の間で口論になった末のことです。逮捕を逃れるべく、現場から離れた黒人男性を白人警官がピストルで撃ちました。2発の弾が被害男性の背中に命中し、即死したようです。

 警官による黒人殺害事件が再び繰り返されたことにより、アメリカ国内では抗議の声が収まりそうにありません。リンカーンの奴隷解放宣言が行われたのは1862年9月になります。158年たって今も、黒人差別は根深く残っています。

               第5章 withコロナ時代の幕開け
  
 6月6日(土)時点でコロナの感染状況は、東京都や福岡県北九州市を除いて、落ち着きを見せています。北九州市は、院内感染、クラスター感染が続出しているものの、感染経路を追えているようです。東京都も緊急事態宣言解除後に感染した人は、夜の町関連者が中心となりました。
 6月16日(火)、北九州市ではクラスター対策が功を奏し、ほぼ収束させることができました。東京都では、夜の街関連で働く従業員と濃厚接触者を中心に感染者が出ています。緊急事態宣言が解除されても、日常に戻ることはありません。日本政府内の専門家会議のメンバーが示した「新しい生活様式」に沿って行動します。

写真掲載元 http://www.holonicsystem.com/holonics-news/
フォト


 同日厚生労働省が、実施した抗体検査の結果が公表されました。ウイルスに感染した際に免疫細胞が作り出す「抗体」の有無を調べることにより、過去に感染していたか、明らかになります。今回の新型COVID-19は、若者に感染者が多い傾向にあります。健康な若者程、症状がなく、本人さえ気付いていないケースが多く確認されています。従って、市中感染が広がっているのか、詳しく検証するには、抗体検査が必要です。

 厚労省は、6月1日から7日にかけて、感染者数が数多い都市部の東京都と大阪府と共に、感染が広がっていない宮城県内から、無作為に選んだ住民7950人の抗体検査を実施しました。

その結果、抗体を保有していた人は、大阪府が2970人のうち5人、対して東京都は1971人のうち2人にとどまりました。市中感染例がほとんどない宮城県は、検査件数3009人のうちわずか1人にとどまりました。抗体の保有率は大阪府が0,17%、東京都が0,1%、宮城が0,03%と判明しました。

海外を例にとると、アメリカの ニューヨーク州が実施した検査での抗体保有率は12,3%になります。ロックダウンをせずに、経済活動の制限を最小限にとどめているスウェーデンの首都ストックホルムの住民の抗体保有率は7,3%です。集団免疫の獲得を目指す同国では6月11日、一日当たりの感染確認者数記録を更新する1474人に達しました。過去に最も感染者数が多かったのは6月4日になります。累計感染者数は5万人、死者4874人と発表されています。最新の7月24日付けで累計感染者78630人、一日当たりの新規感染者259人、累計死亡者5676人、新規死亡者9人と判明しました。

 写真掲載元 https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200519/se1/00m/020/056000c
フォト


 感染者の増加を抑制させるには、欧州の他国が行ったロックダウンが有効です。お店を休業させ、工場の稼動を止めれば、経済的大きな損害が生じます。集団免疫獲得を目指したスウェーデンは、高齢者を中心に多少犠牲者を出しても、今の健康な若い世代の雇用や暮らしを守る方法を選んだのです。経済か人の命か、各国は難しい選択を迫られています。

 日本では、抗体保有率が諸外国に比べると、明らかに低い水準です。厚生労働省内のクラスター対策班の取り組みが功を奏し、市中感染を防いでいるといえます。

 100年前に流行ったスペイン風邪の収束には、集団免疫が役立ったといわれています。一説によると、国民の3割がかかると、免疫細胞の働きにより、ウィルスを抑え込むことができるとされています。一方、感染症対策の専門家は、スペイン風邪の例を参考にしていません。今回の新型COVID-19に関しては、抗体を持っていても、再度感染する可能性も否定できないと、注意しています。安倍総理大臣は、ワクチン開発の最先端を行くアメリカのモデルナ社やイギリスのアストラゼネカ社から、年内に取り寄せられるように交渉したい、と述べました。

アメリカのモデルナ社のワクチンについては、以前詳しく説明しました。

 日記 5月20日付け 新型コロナが及ぼす影響 春・夏連続甲子園中止 米国でワクチン開発による株価の値動き https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1975745660&owner_id=32437106

 
 コロナ後、日本経済はどう変わるのでしょうか。政府は、引き続き企業や役所などに、テレワークを推奨しています。在宅勤務が一般化し、通勤の負担がなくなると、住宅市場に影響が出ます。東京オリンピック誘致が成功した2013年以降、山手線内側を中心に再開発が進みました。通勤、通学の負担が少ない駅前の物件に人気が集中することにより、分譲価格が高騰しました。既にタワーマンションの高層階は、一般の会社員が手の届かないほどの値段がつけられています。

 テレワークの導入により、通勤の負担がなくなれば、首都圏一極集中から都市郊外へと人が動いていくと期待されています。オフィスへの出勤者が減ると、利便性が高い都市部の駅前に位置するマンションの需要がなくなります。分譲価格も、築年数が立つごとに、落ち着いてくるでしょう。父親や母親の通勤日数が少なくなると、家族4人が都市部の駅前にある3LDKのマンションに、肩身の狭い思いをしながら暮らさなくてもすみます。

 都市郊外の広い庭付きの4LDK、または5LDKの一戸建て住宅を買い、子供達に部屋を与えることもできます。生活空間にゆとりがあると、子供の学力向上にも繋がるはずです。

 写真掲載元 http://teleworkgekkan.org/network/
フォト


6月以降も我々は、密閉・密集・密室、いわゆる3密を避けて行動します。室内では、うがいや手洗いはもちろんのこと、手すりやドアノブの消毒作業をこまめにする必要があります。夏場でも人前ではマスクを着用し、咳エチケットを守らなければなりません。企業ではリモート会議が開かれるようになるでしょう。新しい生活様式を取り入れたwithコロナ時代が始まっています。

第6章 パンデミックの収束はまだ先。

 7月以降、東京都や大阪府を含め、関東や関西の都市圏を中心に、室内でクラスターが多発し、感染者が急増しています。感染症学の権威東京大学の児玉龍彦名誉教授によると、6月に新宿歌舞伎町を中心に夜の街で、ウィルスの発生源エピセンターが形成されたと分析しています。夜の街でウィルスの封じ込めに失敗し、やがて市中へと広がっていきました。
国の借金が膨らんでいる以上、2度目の緊急事態宣言を発出して、休業要請に応じた中小企業や個人事業主に、十分な金銭補償をすることはできません。現に新型コロナ対策に充てるため、42の都道府県が財政調整基金を1兆円以上崩しています。緊急事態宣言の期間中、各自治体共、医療機関や休業要請に応じた事業主に支援金を送りました。

 最も貯金に当たる財政調整基金を取り崩したのは東京都です。2019年度末に9032億円まで積み上げた財調基金のうち、休業要請に応じた中小事業者に支払う「感染拡大防止協力金」などの対策に1兆820億円を投入しました。現在の財調基金の残高は807億円です。石原都政下で財政再建中だった2003年度以来、17年ぶりに残高1000億円を割りました。感染第2波により、再度休業要請を出せば、財政調整基金は底を突きます。

 コロナの感染拡大防止に向けて欠かせないのは、有効な治療薬と共にワクチンです。日本では、大阪大学と民間企業のアンジェスがタッグを組み、DNAワクチンの開発に成功しました。動物実験をクリアし、6月30日から7月末にかけて、人に投与します。

第一段階では、治験に参加する抗体を持っていない健康な20歳から65歳までの30人を対象にし、投与量が多いグループと少ないグループに、15人ずつ分けます。ウイルスの遺伝情報を体内に入れ、免疫反応を起こします。ウイルスのたんぱく質を無力化する「抗体」ができて、長続きするのか、確認するのです。

 安全性が認められて、実用化されても、早くて2021年3月といわれています。

 ワクチン開発は遠い道のりです。中国、英国、ドイツで行われた研究では、感染した患者は、免疫システムの一種「抗体」を作ることが明らかになっています。ウィルスを排除する抗体は、実際長続きせず、数ヶ月で消える可能性が指摘されているのです。従って、1度かかっても安心はできないのです。抗体が長続きしない場合、季節ごとに繰り返し打ち続ける必要が生じます。

 参考リンク Answer News https://answers.ten-navi.com/pharmanews/18801/

写真掲載元 2020年7月20日付け 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASN7M6K0QN6WUHBI00J.html
フォト


 ワクチン開発で世界をリードする英国のアストラゼネカ社は、豚を使った前臨床試験で、1回投与よりも2回投与のほうが高い抗体反応を得られることを明らかにしました。人に対しては、免疫反応の有効性を示すには不十分でした。

 7月21日付けの記事には、全く異なることが書かれています。現地時間20日付けで英オックスフォード大と進める臨床試験で効果が得られたとの中間結果を発表しました。ワクチン候補投与から1か月後に治験者の95%で抗体が4倍増になったことを明らかにしました。中間結果は英医学誌ランセットに掲載されています。

 今回の公表したデーターは、第1、第2段階を組み合わせた臨床試験によるものです。試験は18〜55歳の1077人を対象に行われています。1回投与のグループでのウィルスを排除する抗体T細胞の獲得率は95%に対し、2回投与したグループではT細胞が100%生成されました。被験者に深刻な副作用はなく、軽い眩暈や倦怠感、微熱程度にとどまったといいます。臨床試験は最終第3段階を経て、早くて今年秋に実用化されます。

 参考記事 Yahoo7月21日付

 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、23日午後3時半時点(協定世界時)で、世界の累計感染者数は1,526万5,081人、死者数62万4,370人となっています。最も被害が深刻なのは米国です。累計感染者数は7月24日付けで400万人を越え、死者数は14万3190人です。(23日付け)WHOによると、23日付けで世界の1日当たりの感染者数は、過去最多の28,4万人と判明しました。
 今回の新型ウィルスは、人への感染力が強くて、弱毒なうえに、無症状患者が多くいます。完全に感染者を隔離することが難しく、一端収まっても、経済活動の段階的再開に伴い、増加に転じるのです。

 参考記事 nippon.com https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00673/

 いまだ収束が見えない新型ウィルスと我々はしばらくの間戦うことになります。出口が見えないトンネルに入った今、わずかな希望を求めて、経済活動と感染症対策を平行しながら行っていきます。




4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年07月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031