かごの中のトリは、差し金にしか出会わない。
疲れていた。退屈だった。
部屋から短い虹が見えた。
隣の隣の部屋では見えない。
同じ時間の同じ場所でも、
見える人と見えない人がいる。
見えることが特別素晴らしいわけでもない。
見えないことが特別不幸なわけでもない。
髪が乱れてなおそうとしたら、
ピンが壁とペーパーホルダーの隙間に入った。
取ろうとするが出てこない。
落ちてないか探すが見つからない。
もう…髪がボサボサのままでいいかと思ったが、
ピンを1本もらった。
取ってきてもらった。
それでなんとか…働く。
合わないものはトコトン合わない。
余計に、しんどくなるだけ。
あれがないこれがない。
足りない毎日に疲れていた。
休み希望出しとけばよかった。
そうすれば、出会うはずもなかったのに。
まあ…すべて必然の世界で、
何がどうであれ、何もないのと変わらない。
差し金ばかりの世界で生き残るには、
諦めの境地が大切。
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