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2020年07月24日18:19

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予想を遥かに上回るバカバカしさに、唖然を通り越して憔悴!「ミスミソウ」

普段から胸糞映画を観て喜ぶレビューを書いているので、「悪趣味ならなんでも好きな人」と思われているかもしれませんが、苦手なものは当然あります。
子供が餓死して死ぬ映画とかは絶対観たくないし、好意を踏みにじられて目の前で馬鹿にされるようなシーンもキツい。
そして映画やドラマでよくある、いじめのシーンも好きではないのです。

嫌な気持ちにさせようとしてそういうシーンを演出しているわけですから、そう思うのは当然なのですが、あっても良いけど早く終わらせて欲しいのです。
長々と色々なパターンを見せ、加害者の得意げな様子と被害者の悲痛な様子が何度も出てくると「もう分かったよ!」という気分になります。
気分が悪いのはもちろん、大体すでに過去作で何度も観たものばかりだったりするし、話も停滞してしまうのでウンザリしてしまいます。
性行為のシーンとかもそうですが、インパクトある1シーンだけで大体理解できるので、後は省略して欲しいのです。

この映画の評判を聞いていたので観たいとは思っていましたが、録画はしたものの上記の理由で先送り案件となっていたのでした。
今回ようやく観ましたが、これの感想はタイトルの通りです。
ある程度の筋は事前に知っていて、荒唐無稽な話だとは分かっていましたが・・・。
後半に至り、これは認識を変えなくては、驚くほどのバカバカしさについて行けないぞ!と気合を入れる・・・と言うか、覚悟を決めたのでした。
観終わって、グッタリしました。

この「ミスミソウ」がホラー漫画専門雑誌に連載されていた漫画であるという点を知っていないと、この内容をまともに理解する事は不可能でしょう。
普通に、いじめられていた少女がいじめっ子に復讐をする、というレベルの話ではないのです。
まず、彼女が復讐をするきっかけが、彼女の家族(両親と妹)を殺されたあげく家を焼かれるという事が異常です。
メキシコの麻薬カルテルじゃないんだから!
彼らだって報復としてはやりますが、特に理由も無くやったりしませんよ。

これで、怒りマックスオリックスになった主人公が一人、また一人と恨み節を歌いながらいじめグループを殺していくまでは、当然予想の範疇でした。
でも、これがまだ前半なんですよ。
これからまだ1時間以上あるのか!勘弁してくれ!と叫びそうになりました。
正直、この時点でもう早く終わって欲しかったくらいなのです。

ところが、ここからが本番でした。
結局、登場人物全員が狂人だったのです。
日本の田舎にはキチガイしかいない。
「悪魔のいけにえ」を観た時、テキサスには狂人しかいないと思いましたが、外人がこれを観たらまあ、日本の田舎には行かなくなると思います。

異星人か米軍の陰謀で、発狂ガスがこの町で撒かれていた、という設定でもないと、この話はいくらなんでも無茶過ぎます。
先にも書きましたが、ホラー雑誌の連載漫画という点を考えると、こうなってしまった理由も分かります。
とにかく毎回凄惨なシーンや展開を出さなければならない制約の上では、すでにある設定の上でやれる事を全部やるしかない。
結果、全員キチガイで殺しあって死ぬ、という事になってしまいます。
ドラマとしては完全に破綻していくので、あとはどんなシーンが飛び出すかを見守るだけになるのです。

連載漫画なら気になりませんが、映画だとこれは異常に感じざるを得ません。
「スノーロワイヤル」という、リーアム・ニーソンの人殺し映画がありましたが、あれは演じる人は皆シリアスな顔をしていましたが、演出が完全にコメディでした。
こうするしかないのでは?
除雪車が人を巻き込むシーンはどちらの映画にも出てきましたが、「ミスミソウ」のそのシーンで笑いながら、そんな事を考えました。
すっかり空席だらけになった卒業式のシーンも、完全にギャグにしか思えません。

僕は我慢した時間がほとんどでしたが、それは観ている間に楽しみ方を見つけられなかっただけなのかもしれません。
まあ、笑い飛ばすにはやっぱりキツいシーンも多いので、基本的に僕には合わない作品でした。
女優さん達の演技は良くて、監督のデビュー作「先生を流産させる会」に出てくる女性も素晴らしいインパクトだったので、役者の良さを引き出すところはやっぱり上手いと思いました。

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