酒蔵にもコロナ禍？

コロナ禍で外飲みがめっきり減ったという人は少なくないはず。実は、私も葬式の精進揚げを除いて３カ月近く外で飲んでいない。毎日のように情報が錯綜している中で動きにくいのは事実だし、飲むのは自宅だってできるからである。だから新聞で「山口県でいちばん小さな酒蔵が倒産の危機」という記事を読んで、え？　と思った。

でも、冷静に考えれば当たり前の話。家飲みで第３のビールの消費量が増えたという話は聞いたが、わざわざ日本酒を日常的に買いにいく人は少ないだろうし、買ったとしても量は限られている。酒蔵にとっていちばんの仕入れ先は飲食店であり、そこが塞がってしまうと経営の打撃は半端でない。ネット販売でも限界はある。

いまさまざまな経済指標が出ているが、リーマンショックを上回る不景気という見方が強い。しかも、コロナは外出自粛という私たちが経験したことのない生活様式をもたらし、その影響が酒場を直撃した。残念ながら私の知人でも閉店を決断した人がいる。特に福島県は県をまたぐ自粛が解除されても都市部の人出が減っており、深刻さが増していることは確か。こんな状態があと半年も続いたらどういうことになるのか、想像するだけでも恐ろしい。