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2020年07月18日08:30

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「やませ」という現象

つい最近、SNSで福島県民が「まだコタツを出したまま」と発信したら、「おかしいよ」と新潟県民に指摘された。即座に「新潟にやませは吹かないからだよ」と反論したのだが、確かに東北の人でなければわからない気象現象かもしれない。2週間前までは半袖半ズボンで外に出ていたのに、梅雨明け前でも寒の戻りがある。これはちゃんと伝えておいた方がいいかもしれない。

やませは漢字で「山背」と書くが、春から夏に吹く冷たい偏東風のこと。親潮の上を通過した寒風は太平洋の北東から東北地方に入り込み、それが停滞してしまう。というのも、その下層雲の上に高温の高気圧があり、頭を押さえつけられて奥羽山脈を越えられないのだ。新潟が25度の日に東北は19度くらい。まさに山背である。思い出すのは原発事故直後に福島県健康リスク管理アドバイザーに就任した山下俊一長崎大教授が福島県内を講演で回っていたとき、「これからやませの季節になる。放射能は大丈夫か」と質問した人がいたこと。山下先生は「いまは火山に例えれば火山灰が降っている状態。事態の収束を見守りたい」と答えたのだが、原子力工学と放射線防護学の違いもわからない県民は納得できなかったようだ。

ついでに書けば、東北には晩春に遅霜という現象もある。大気中の水蒸気が氷の結晶となって地面に付着するもので、夜間に晴れるときに起きる放射冷却で発生しやすい。30年以上前だが、都路でキウイフルーツを栽培している移住者が対策として広大な農園で古タイヤを燃やしていた。これが農業なのかとびっくりしたが、煙幕で地面に霜が降りる量を少なくするための工夫だったのだ。この遅霜もやませも短期間ながら毎年起きる現象で、ときには深刻な冷害をもたらす。実際、わが家も今年はキュウリが不作になりそうだ。

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