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2020年06月09日13:40

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感染の恐怖を抱く高齢者、ボチボチとハーフ映画三昧を開始

6月5日(金)  kino cinema 立川高島屋S.C.館
「ハリエット」(ケイシー・レモンズ)
奴隷の身から脱出して、800人以上の奴隷解放行動のリーダーとなり、南北戦争では黒人部隊を率いた実在のスーパーヒロイン(アフリカ系アメリカ人で初の紙幣肖像になったことは不明ながら知らなかった)をモデルにした偉人伝。アカデミー賞ノミネートのシンシア・エリヴォの、不屈の意思の力強い表現が、痛快なまでに見事だ。次々と危機突破するあたりは、ややご都合主義の部分もあるが、エンタテインメントとして許容範囲だと思う。黒人+女性と、現代アメリカのエンタメとして理想型だろう。白人の主人の歪んだ彼女への独占愛と甘えが、興味深い彩りになっている。彼女の解放者としてのネームは「モーゼ」、幼い頃の主人からの脳への暴行による障害が、時に白昼夢を呼び覚ますのだが、それを神のお告げとして力にするあたり、西洋人が観るとさらなる宗教的寓意の面白さを感ずるような気がする。(よかった)

 映画館が再開した。映画館も一席置きに発券するなど、感染防止対策は十分で、客足も一気回復とはいってないようでもあり、人混みとは程遠い。ただ、高齢者として怖いのは、移動の電車である。そこで、家からの二駅で済む立川で、恐る恐る映画三昧をハーフ再開することにした。幸い、長期休館のため番組も混乱状態で、旧作人気映画でお茶を濁している状況にあり、必見作が少ないのも幸いだ。


6月8日(月)  上野オークラ劇場

「悶撫乱の女〜ふしだらに濡れて〜」(高原秀和)
訳あり風の男と女の味わい深いメロドラマ。とは言っても、訳ありのネタはありふれており、ユニークな物はない。ただ、サブストーリーも含めて、濡れ場を巧みに絡めていくのは、ピンクの王道だ。見どころは小道具モンブランの効果的使い方、ダイアローグのスポークンタイトルのもたらす奥行。そして、何といっても奥田咲と那波隆史の切ない情感溢れる名演は絶品だ。(まあまあ)

「パラレル・セックス 痴女が潜む街」(加藤義一)
浦島と人魚姫、両伝説をたくみに結び付けたパラレルワールド。加藤義一の久々ブッ飛び映画だ。もはや中堅からベテランに近づきつつある脚本の筆鬼一は、題材の幅も広がり、そのすべてをソツ無くまとめる域に到達しつつある。21世紀の岡輝男のような存在になるのではないか。(貶しているのでも皮肉でもありません。賛辞です。為念)残念なのは、この手の映画は低予算の中で知恵を使い、ファンタスティックな世界を構築するのが不可欠なのだが、そこはイマイチだった。(まあまあ)

 再開した上野オークラ劇場は今年の新作3本立、すでに山内作品は既見だが、それでもおいしい粋な番組編成だ。コロナ感染恐怖を押し殺して、上野まで足を延ばした。劇場は厳戒体制、入り口で体温測定、熱い中を歩いてきたので大丈夫かな?と危惧したが、6度6分とかでクリア、モギリは廃止、シートも張り巡らされ、3本連続上映の慣例を破り、1本毎に10分休憩で換気する。座席は一つ置きに半分が着席禁止。でも客はさらに疎らだった。21時前には閉館。やっぱり、怖いのは映画館でなく、長時間の電車乗車だな。

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