ＡＴ１債

今回も皆さま大好きドイツ銀行ネタです。ドイツ銀行は４月３０日に償還可能日を迎える
ＡＴ１債と呼ばれる債券の償還を行わないことを決定した。つまり借金返さへんでーとい
うことである。これをとらまえて「ドイツ銀行デフォルト！」と騒いでるヤツもいる

だがちょっと待って欲しい。ＡＴ１債というのはいわゆるＣｏＣｏ債の一種で、偶発転換
社債ともいう。どういうものかというと、社債なんだけど発行者側が「カネ返さん！」と
した際にその会社の株式に転換される社債である

言い方を変えればその時の事情によってカネ返さなくても別に良いよん、という規定のあ
る社債と言える。なので普通の社債じゃないから。今回のをデフォルトだ！と言うのは当
たらずと言えども的外れであるぞ

そもそも４月３０日という日付も「カネを返さなければならない日」じゃなくて、「カネ
を返しても良い日付」なのである。ＡＴ１債は利回りが高いので返す側からすれば早く返
した方が支払う利息が少なくなって良いわけだ

４月３０日から返すことが出来ますよーという事なので、いわゆるデフォルトとは全く違
うということがわかる。なので騒ぐ必要もないし騒いでいるヤツはちょっとアレだな。た
だしドイツ銀行の業績なのだが、最近２０１９年の業績が発表されたわけだけど

約６９００億円の赤字。これは過去最大の赤字幅で５年連続の赤字である。業績は全然良
くなっていないのだ。そんなところにコロちゃんアウトブレイク。今最も深刻なのがユー
ロ圏である。お先真っ暗のドイツ銀行。果たして持ち堪えられるのか？