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2019年12月30日23:56

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意味ある節目。観客も一緒の“みんなの大同窓会” 『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

42年に渡るスカイウォーカー一族の物語が終り、
スター・ウォーズ(SW)はいま節目をむかえた。

いまは新3部作が意味あるものだったとかんがえたい。SWの旅は続く。*1

「一握りの人間が歴史とファンたちを無視して作品を独占する」
EP8の拒絶反応はそれだった。*2 ゆえEP9は大幅に軌道修正する。
ジェダイの聖典は焼失していないし、
問題視されたレイアのフォースはルークとの修業でついたと説明。
結局は“血統”の話へ戻る。ブレブレだ。

いきなり復活したパルパティーンと最終軍団登場の脈絡のなさ。*3
前作では物語の中心にいたキャラクターが活躍しないと適当もすぎる。*4

ただ、それでも監督は、SWファンにSWらしい物語をかえした。
惑星の座標を刻む「シスのウェイファインダー」をめぐる宝探し風の物語のなかで、
新旧キャラクターが様々な惑星をめぐり、SWスタイルの冒険を繰り広げる。
愉快で奇怪なクリーチャーが大量登場しライトセーバーバトルも大盤振る舞い。
らしさが復活する。*5

ビリー・ディー・ウィリアムズがランドを再演。
再登場したルークが投げ捨てたセーバーを受け取る、と大同窓会。

その同窓会の参加者はもろちんあなたなのだ。
光と闇。だがスカイウォーカーの意志を継ぐ者は必ず最後に邪悪へ立ち向かう。

そのベタな王道の物語は、最初の場所へ戻り、
惑星タトゥイーンは歴史を埋め終る。

レイが抜くライトセーバーが夜明けの色の様に輝く中で――。*6


※1 すくなくとも『スター・ウォーズ』シリーズを継続し、今後、大作映画として上映される土台を新3部作――シークエル・トリロジーが作り上げた事実は否定できない。

※2 ファンたちと一緒に成長した作品は急激に変化させたり、自分のものにしようとする意図が透けつつ見えると巨大な反感が発生する。世界で最も有名なTRPGはゲームルールとその最も有名な世界設定を前作で激変させたが受け入れられず原点回帰した。あるテレビアニメは前作の監督と監督が生み出す世界とキャラクターをスポイルしてIPすら潰した。とにかく長年・熱烈なファンがいる作品の変化とは慎重にならねばならない。

※3 ネタバレもなにも最初のオープニングロールの文字の中で「パルパティーン復活」を報告され観客は「なにそれ?」となってしまう。こうするならEP8でレイの血筋をある程度あかし葛藤をさせる。同時にパルパティーン復活の予兆を強く織り込むべきだろう。逃亡する宇宙船の中で内輪揉めしている場合ではないし、総じて言えば、EP8が本筋のメインストーリーへ寄与しなさすぎる。

※4 ローズ・ティコはどこにいった? 絶対確実な事実をしめそう。このシークエル・トリロジーが前後補完満足なシリーズだったか? といえば絶対に「ノー」だ。EP9の展開をみれば子供にだってわかる。ではなぜこんな強引になったのか? J・J・エイブラムスもライアン・ジョンソンも監督としてはすばらしかった。ではなぜ? それは作品の最も基本的な「物語の背骨」を決め打ちする人物の力不足だ。ルーカスから『スター・ウォーズ』を譲り受けたキャスリーン・ケネディらプロデューサーたちのことだ。

※5 いや本当J・J・エイブラムスは後始末をよくやったと思いますよこれ。

※6 レイのあらたなセーバーの色が“黄色”の理由は、ジェダイ・カンセラーたるスカイウォーカー一族のセーバーの“緑”とシスのセーバーの“赤”の融合――“黄色”だというのが妥当な落し所かもしれない。またジェダイの中で物事の「バランス」を最も重視するジェダイ・センティネルのセーバーの色は“黄色”が多い。
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