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2019年12月22日23:44

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いまこそシリーズの墓標に「R.I.P.」と刻む時 『ターミネーター:ニューフェイト』

もう墓標が必要だ。84年の第1作目から35年。
シリーズ第6作目の本作は満を持し、
生みの親のジェームズ・キャメロンが制作に復帰した。
だがシリーズはもはや「限界」であろう。*1

「ターミネーター」は未来が過去へ殺人アンドロイドを送り込む皮切りで展開する。
「2」以降は過去の重要人物を殺す「ターミネーター」と、
重要人物を守る「ターミネーター」が登場。
「ターミネーター」同志が争う形が定着した。

標的を追う機械の殺人者と標的を守る機械の守護者。
この構図は1作目と2作目で「完成」した。*2
以後、手を変え品を変えはするがマイナーチェンジにすぎない。

冒頭でジョン・コナーは殺害されるものの、*3
「審判の日」は回避され「スカイネット」は消滅。
だが未来は「リージョン」なるAIの反乱で同じ道を辿る。

「リージョン」は以前同様、
反乱分子へ強く関るダニー・ラモスを過去で殺害しようと計画。
その暗殺者Rev-9に強化人間グレースが立ち向かう。

演者の実年齢にあわせてかっこいいババアとなった、
サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)の復活。
T−800のアーノルド・シュワルツェネッガーも登場と娯楽作としては及第点。

だがシリーズで説明してきた過去と未来の関係に整合性がなく納得できない。*4
また、結局、生みの親のキャメロンたちでさえ同じ事の繰り返しだ。

興行的にも大失敗。
不振が続くパラマウントとスカイダンスが続編を中止したのは当然の判断だ。*5


※1 ※2も参照。結局「2」以降、良好な評価を得たシリーズ作品は本作もふくめなかった。その「失敗」がもう4回目である。

※2 これ自体は当然だ。つまるところ「1」「2」は「未来からやってきた冷酷無比な存在Aが過去の自分を殺す」「その自分を守る存在BはA同様の存在ながらも人間への愛へと目覚める」。この雛形と定例すら作ったオールタイムベスト。そうしてオールタイムベストには作品自体が傑作でないとなれない。

※3 生みの親が作品の根幹を否定した事実は国内でも海外でもかなりの議論を呼び論争となった。実際、エドワード・ファーロングは「オファーのうえで出演に合意しギャランティも得た」と話す。同時にジョン・コナーの最後に憤慨してはいるが、色々な意味で現在のファーロングがジョン・コナーに復帰するのは土台無理な話だ。

※4 「スカイネット」は消滅し「サイバーダイン」もなくなった。ならそもそも「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800」も「なかった」 = 誕生しなかったことになるのではないか? 百歩ゆずって存在が消滅しないとして、どうして別時間軸で反乱を起すAI「リージョン」が“同型存在”を作成したのかがわからない。いやもしかすると続編には、この部分へ関わる大きな構想があったのかもしれないが――。

※5 結果において興行の失敗はパラマウント、スカイダンス、テンセント、ソニーたちへ合計1億ドル(約100億円)以上の損失をあたえた。
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