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2019年12月20日09:41

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お返しの話

この季節になると、私ら夫婦の故郷からいつも届くものがある。妻の実家はリンゴ、私の実家はタマネギやタラコだ。リンゴは義兄が1本のオーナーになっており、数多い弟妹に配ってもなくなることはない。むしろ私らは娘が独立して2人だけになったから、1箱20個もあるリンゴを自家消費するのは無理。当然、ご近所に配ることになる。味がいいから、喜ばれるのは言うまでもない。

一方、北海道のタマネギはサラダ用で、この辺でも作っている人はほとんどいない。わが家にとっても冬を乗り切る貴重品だから気前よく配るというわけにはいかないが、無理のない範囲でお裾分けしている。無論、送ってくれた妻と私の実家にもお歳暮に近いものは手配しているが、近年は相手の希望を聞いて洗剤を送ったりすることが多くなった。本当に必要なものの方がいいという判断だ。

先日、某大学の先生たちがわが家にやって来たので、田舎暮らしにおけるお返しの重要さをお話しした。被災地に来た若者は何か自分たちにできることはないかと探しがちだが、農村の人間はすべてバーター。もらいっぱなしという法則は、一部の例外を除いて通用しない。それをわかっていないと、本音と建て前の付き合いだけに終わってしまう。地域住民と真正面から向き合うということは、相手の気持ちを尊重するところから始まるのだ。

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