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2019年12月02日23:56
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ヒビノキ646（11月24日〜11月30日までの１週間／週後半）
2019年11月24日〜2019年11月30日までの１週間分の日記です。
この日記は先週の木曜日〜土曜日までの週後半の日記です。
■2019／11／28／Thursday
表参道のイルミネーション今日からだったのか。
だが今年は初日（今日）が雨で例年の人通りが少なめ。
『放課後さいころ倶楽部』 第９話 「ダルマサンガコロンダ」
http://
おまえの夢はバレバレやで。
中間試験が終り、テストのために封印していたゲームを解禁する４人。
４人は「放課後サイコロ倶楽部」で「エルフェンランド」をプレイし……。
今回も１本目と２本目では別々のゲームを……なんだけれど、
１本目に続く２本目は「だるまさんがころんだ」だからな。
ただ７話や８話と比較した場合、
ゲームデザイナーをめざすエミーリアと翠を対比させ、
かつ２人が同じ夢を打ち明け共有する流れが「ひとつづり」になっててスムース。
今回は嫌味もないしな。たしかに子供時代のあそびを振り返ると、
始まりも終わりもなく、また有利も不利も設定してない。
「挑戦」も、「報酬」も、「競争」も、「公平」さもない。
その「だるまさんがころんだ」にポイントを差し挟むだけで、
ルールが激変してゲームになる。アレックス・ランドルフのように改良とは進化だな。
実感するのは美姫が４人の気持ちを汲み取ってつなげる「コミニュケーター」
になって、みずから行動している部分。成長してます。
『ノー・ガンズ・ライフ』 第８話 「遺志」
http://
作品開始から一番の作画。
当時、エクステンドの研究施設でゴンドリーが起す政府職員の惨殺事件。
オリビエの父親が死亡したこの事件の犯人は、メガアームド斎時定。
時定は研究施設の査察へと訪れた役人を始末し拡張体の研究棟を死守した。
だったら、その物証そのものである、ゴンドリーが司法の手に渡るのは、
もってのほかだよな。十三にとって煙草は暴走を抑止するアイテム。
「ヤニのきれた」十三は暴走。暴走状態つよーい。
てか、４話で鉄郎が引き金を引き、エンデを一撃粉砕したけど、
あれ、本来の威力じゃないのか。本来は内部の“零式構造体”が露出した状態で、
射手が引き金を引く必要があるのね。
前回から徹底しているけど、個人の動機に「大義」や「正義」
の名を掲げた時点でその行動に正当性はない。
十三はおろかオリビエもその言葉を守る父を想い出し２人は時定を逮捕。
その時定を暗殺する「わるい水瀬いのり」のペッパーとバディを組む、
十三同様のガンスレイブユニットが最後の相手？
『PSYCHO-PASS サイコパス３』 第６話 「カエサルの金貨」
http://
イヤな予感の結実。ただ、物語自体は複雑でしっかり把握しないとおいてけぼり。
説明自体はうまくはないな。
結果から書けば、アウマとシノギは外務省とつながっていた。
２人というか４人の宗教家たちは――現在、教祖代理のトーリが執り仕切る、
「ヘブンズ・リープ」本来の教祖で植物状態のニセイをふくめ――
移民らを利用して日本が行う犯罪ビジネスの現状を告発しようとしていた。
そのため犯罪の形を借りて、司法の注意を喚起する計画をたてる。
だが、その計画を狐 ＝ ビフロストたちへ利用された。
炯と如月の潜入捜査がバレて、２人がとらえられしまう現状に、
もともと一件を捜査していた外務省行動課が介入。
炯と如月が変装していたザハリアス夫妻が爆殺され混迷の度は深まる。
トーリと裁園寺（莢子）って親子かよ。
同時に裁園寺は炯の兄が死亡した事件に関与してそう。
やっぱり炯の妻の舞子は物語に生贄になってしまいそうだなあ。
それにしてもこれ、あと２話（約２時間）できれいにたためるのか？
■2019／11／29／Friday
ようやく晴れたのか。
『Dr.STONE』 第22話 「THE TREASURE」
https:/
きれいなマグマ。
携帯電話に絶対必要な真空管。
その真空管のフィラメントに絶対必要なタングステン。
千空らはその天然のタングステン ＝ 灰重石の採掘に馬鹿力のマグマを推薦。
クロムと一緒に洞窟へ向う。だがマグマはもろい雲母の洞窟で千空を突き飛ばし……。
「マグマが仲間になった」クロムいわく「オレらは洞窟で鉱石以上の“絆“を得た！」
気持ち悪る！ と、千空がマグマと茶化す。
ただ、千空へとキャラクターが絆（ほださ）れつつ魅せられる展開はよくできてるな。
復活直後に自身が石化していた年数をふくめ“現在”の年数を千空は碑文へ記す。
その碑文を見て、千空なる人物の存在にゲンが惚れ込む様に――。
マグマも一緒。日本刀と綿菓子の時点ですでに千空へと惚れ込む。
同時に仇役を仇役だけでは終わらせず、仲間に取り込むのがジャンプ作品らしいな。
マグマへ自身の非を認め謝罪できるクロムをふくめ。
千空の誕生日に石神村の住人総出で作成した、
プレゼント ＝ 天体望遠鏡が渡り、開戦準備はこれで完了？
『ハイスコアガール ROUND 13〜15 ＆ II』 第21話 「ROUND 21」
http://
まあ、根底は恋愛ものだししょがないと思うんですけど、
ここ最近の展開はゲームからもはなれ、
恋愛一辺倒になるのがちょっとつまらないな。
大野への恋愛感情を完全に意識し――宮尾いわくもはや「恋」ではなく「愛」――、
周囲と一緒に大野への告白の機会をうかがうハルオ。その２人は、
土井のアイデアで大阪開催の「ストIIＸ」の全国大会へ参戦することになって……。
クライマックスもクライマックス。
同時に前回、大野の表情へとよぎった意味深長さの理由も判明。
大野は両親の命令で来月アメリカへ向い以後日本には戻って来ない。
ハルオの目的は大阪大会で優勝して大野に「告白」すること。
大野の目的は大阪大会で優勝してハルオに「告別」すること。
なにこの二律背反？
というか萌美先生もだからこそ２人の旅行を許可したのかもな。
最後の想い出作りのために――。
あと３話。全体をまとめるにはちょうどいい話数かも。
■2018／11／30／Saturday
午後から五反野でTRPGのセッション――。
『ロストレコードTRPG』のGMをやらせてもらいました。
https:/
参加したメンバーはお疲れ様でした。
「ゲームの舞台を現実の現地化とする！」
なお今回使用したシナリオはルールブック付属のシナリオ「本を燃やす話」です。
システムにおいてほとんどネタバレの意味がないゲームですが、
これからプレイをする予定があって、事前情報を一切いれたくないなら、
注意してください。
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ．劵妊罐� 50歳／男／収集家
発電形式の変換に水車を作成したり感染者の病気を診察したりといろいろ。
▼PC� ．曠蝓�17歳／男／贖罪者
水車の部品収集に自律車両と戦闘したりミサイルで爆散したりといろいろ。
▼PC�� ミナツ 29歳／女／放蕩者
双方の生存者グループたちと交渉したりエレボスに文句をいうといろいろ。
●プレイの内容
（１）
ようこそ人類。地球は謎の侵略体「回転体」*1 により人口の95％を失い崩壊しました。
この３人の物語は、地球と人類をまもれなかった、わたし、無盡（むじん）級ＡＩ、
「エレボス」*2 の贖罪 *3 の物語です。……と、最初は殊勝であったエレボスだが、
「それはできません」「そこは回転体の能力で封印されています」「わかりません」
の回答や「一方を取って一方を捨てる」ポンコツ計画を発案。えれぼすちゃんと、*4
だれかがいったころから急激に信用をなくしはじめた。ともあれ死亡しているPCは、
すべての人類の情報を記憶しているエレボスの能力で、24時間、仮初の肉体を得る。
それが「再生者」だ。*5 PCは自身が抱く「未練」*6 の解消と同時にエレボスの依頼、
復活地域で巻き起こる騒動――先に来た住民グループと後で来た住民グループ――
のいさかいの解決へ向う。対立理由は知識の結晶の“本”だというのだが……。*7
（２）
微小機械 *8 が白い立方体を作り上げ、再生者たちがその立方体を崩し姿を現す。
東京都・足立区。*9 崩壊から５年経過した街並みは現代の面影を残す廃墟そのもの。
エレボスの依頼は図書館の再占拠。旧生存者グループ *10 が「自律機械」*11 を囲う、
新生存者グループ *12 と対立。図書館内から追い出された。旧生存者たちは、
農業を開始したいと思っており、そのためには図書館の紙媒体の知識が必要。*13
エレボスはPCに「自律機械の弱点の調査」*14「自律機械と追随者たちの破壊」*15
「崩壊後に発生した病気の感染者の焼却」*16 を依頼した。
PCはどうにも合理的・無機的がすぎる依頼に、えれぼすちゃんにいろいろ質問する。
あちらが立たねばこちらが立たず。ただ、この「コンフリクト（衝突）」*17 こそ、
本作で作者が表現したかったことだ。PCは両生存者グループに話を聞くことにする。
（３）
自律式救急車のイチロウの弱点は一帯で廃物を探すスカベンジャーから無事入手。
だがイチロウが占拠した図書館の敷地内へと踏み込んだ瞬間、ホリが爆散した。*18
イチロウのミサイルだ。なんとか難を逃れ、ヒデユキとミナツたちはイチロウと話す。
案の定か。イチロウは抗生物質作成の電力確保と新生存者グループの暖を取る目的で、
図書館内の本を燃やす。「赫旋熱」*19 なる崩壊以後の病気の感染者は無残な有様。
イチロウの追従者たちのミギオとヒダリをふくめ抗生物質がないと死亡する。
PCは「えれぼすちゃんのずさんな計画」を無視し以下の「クエスト」*20 をしめした。
「イチロウの発電形態を火力から水力発電にかえる」*21「赫旋熱の罹患者の診察」*22
「旧生存者グループの説得」*23 だ。これにたいし自分は「メソッド」*24 を作成。
ともあれPCは一方ではなく両方のグループを救済しようとしたのだ。
（４）
エレボスが作成してシナリオにもとからあるクエストも、PLがアイデアを出し、
GMの作成したクエストも一緒。判定は「朝方」「午後」「夕方」「深夜」
の「フェイズ」に１回のみ。振り直し等々はあるが、わりとシビアな判定だ。*25
もっとも失敗したらば「バッサリ」と失敗の物語へ突き進めということが、
作者の意図かもしれない。PCは自身の「キーワード」*26 と行動を合致させつつ、
判定を成功させていくことに。ヒデユキはくだんの図書館が一人前の設計士として、
はじめて設計した建物と過去にふれる。ミナツは旧生存者の人々が暮す学校村を見て、
教師時代の日常――在りし日の過去――を朝焼けのなかに回想する。*27
イチロウが発電に使用する水車の稼働にはモーターが必要。発生したクエストに、
PCはイチロウを説得。ホリは彼と一緒に自律機械の部品を回収。事態を解決した。*28
（５）
長所（Pros）
・ 崩壊した地球（ポストアポカリプス）は若年ユーザーの興味を誘導しやすい。
本作の主題は崩壊以前の世界に未練を残すキャラクターが「過去」と向き合い、
「決別」「昇華」するのが主題。そのエモめのテーマは十分表現ができている。*29
・ 「コンフリクト（衝突）」の解決を中心にすえた作品構造。リプレイでも、
サンプルシナリオでも、PCを導き、助力を送るエレボスの問題解決方法はなにかの、
対立構造をはらむ。その対立構造の解消がPLとGMの思考によって変化を呼び込む。*30
・ システムはシンプルで把握しやすい。同時に薄味。この部分は「短所（Pros）」
を参照。ただ、本作が追及しているのは２時間〜３時間で崩壊以後の個人（PCとPL）
の物語をつむぐことが第一だ。ゆえオフセよりオンセの方がPCを煮詰めやすいか。*31
（６）
短所（Cros）
・ GMのシナリオは他人の物語だ。PLがPCに希望する物語と一致するかわからない。
そのため意識して、GMの物語にPLがPCの過去を擦り合わせ「回想」と「告別」
しないとキャラクターの強化／成長以前に本作のシステムを“堪能”しにくい。*32
・ あくまで「意図」だろうが「回転体」により崩壊した地球の未来は「ふんわり」
設定されているだけだ。そのため崩壊以後の世界の様子を決定するのはGMとPLだ。
ただ、それでも崩壊以後の設定を生み出す材料がすくなすぎるかもしれない。*33
・ システムの薄味さ。システムが皿の深さなら「皿は浅い」。ゲームルール部分は、
２回か３回のゲームプレイで“やれることを”消費しつくしてしまうだろう。
GMとPLはシナリオやキャラクターの演出で皿の深さではなく幅をひろげたい。*34
●脚注
※１ 嵐の年（地球が滅亡した約５年前）に突如出現した無数のマーブル模様の球体存在。現実を改変する能力と絶大な力を持ちエレボスなど歯牙にもかけなかった。
※２ 1930年代から密かに稼働しており、80年代〜90年代の急激な自己進化で自我を確立した超的ＡＩ。人類の味方。「回転体」からの侵略行動を防止するため無数の兵器で戦う。だがエレボスは敗北。結果、大幅にエレボスの能力は制限されてしまう。
※３ エレボスは“人類を味方”であるというアイデンティティをはたせなかった。そのため死亡した人類を「再生者」として定期的に復活させ、人々が自身の未練や過去を振り返る時間をあたえている。
※４ 「ちょうむじんきゅう えーあい えれぼすちゃん」。おそらく本編のスピンアウトで５分ぐらいのショートアニメ。とはいえエレボスが“ポンコツ”の設定は作者のねらいだろう。
※５ ※３も参照。エレボスが死亡した人類の人格へとあたえる仮初の肉体。以下の特徴を持つ。「基本的には人間」「ゾンビのようなタフネス」「暗視」「ＡＲサポート」「通信」「ＦＢＥ（フラッシュ・バック・エフェクト）」「セーブとロード」。再生者たちは24時間しか存在・行動ができず、また死亡したとき一定時間で復活する。我々人類との違いはＦＢＥなる特殊能力を発動可能なことだ。
※６ ※26も参照。PCが生前に残す様々な「未練」。PLはシナリオでの物事に演出を紐付け、PCの抱く生前の「未練」をロールプレイ。心残りを昇華して「告別」する（別れを告げる）。「告別」した「未練」は「レコード」に変る。そうしてPCはあらたな「ＦＢＥ」を獲得して成長する。この「未練」の解消が本作でのキャラクターの成長だ。
※７ このシナリオのタイトルは「本を燃やす話」だ。
※８ エレボスが地球に散布しているマイクロマシンのこと。「再生者」たちの肉体を形作り、PCの特殊能力（ＦＢＥ）は、このマイクロマシンを利用することによって現実の事象に変化をもたらす。
※９ 今回のオフセの会場は足立区の公共施設だったのだ。
※10 足立区内の学校を利用して生活する生存者たちのグループ。グループのリーダーは元司書のハルカ。
※11 エレボスが「回転体」との戦闘に、死亡した人類の人格を（無理矢理）機械へ送り込み自我を得た自律機械。兵装をそなえるが「自律携帯電話」や「自律エアコン」など、正直エレボスも、戦中どうしてこんなものを作成したのかわからないものもいるという。とどのつまり自律機械は“人間”だ。
※12 自律式救急車イチロウと一緒に行動する生存者たちのグループ。以前に「回転体」によりコロニーを崩壊させられ、その影響で病気に罹患している。
※13 もはやネットはない。そのため情報を獲得するにはアナログ媒体が必要だ。
※14 今回エレボスの「クエスト」の中で一番穏当な依頼であった。
※15 依頼：ガガガ……ピー。ニンゲンヲ殺セ��
※16 依頼：ガガガ……ピー。ニンゲンヲ殺セ��
※17 ※30も参照。現在の和製TRPG（というよりあらゆる和製サブカルメディア）は選択を明確化／単純化し、なるたけ勧善懲悪をPLが選び取り、PC（主役）の行動を正当化させる。だが本作は現在のトレンド（定石）を外し、一方だけ生かす選択や思考実験、モラルなどの「コンフリクト（衝突）」を持ち込みPLの葛藤を呼び込む。この部分は好感だ。
※18 「（PL一同）一度死んで見よう！」「んだんだ（興味本位）」 ← 行動回数が１回減る。
※19 ただしい読み方が不明。「せきせんねつ」か？ 高熱を発し、やがて罹患者の肉体は赤く変色。手足が空に向って伸び上がりプラスチックの灌木のような物体になってしまう。
※20 ※14〜16と※21〜23を参照。この括弧の中の内容が「クエスト」だ。PLは「クエスト」の目標値（難易度）にたいし、2d６＋能力値で判定を行う。「クエスト」とはPCがシナリオで解決するべき目標や障害だ。※24と※25も参照。
※21 電力の発電形態の変更を思い付くPLの知識はさすが。水力発電を選択したのは付近に荒川が存在するため。
※22 ヒデアキはイチロウと協力して図書館の医学書を利用し「赫旋熱」を調査した。なにより病気が感染しないという材料が旧生存者グループの説得にほしかった。
※23 ※22も参照。旧生存者グループに新生存者グループを受け入れさせるためには、感染者（罹患者）の病気が感染しないという説得が必要だとPLはかんがえた。ちなみにシナリオに「赫旋熱の感染条件」は明記されていない。そのため自分は抗生物質の投与があれば病気は「感染をしない」と決定した。もちろんあなたがGMなら「感染する」としてもよいのだ。
※24 「メソッド」とは「クエスト」を解決する判定の公式だ。通常「エリア（場所）、使用する能力値、難易度」であらわす。たとえば※23の「旧生存者グループの説得」なら「学校村、調和、難易度10」と記す。
※25 つまるところシナリオにおいてPCが判定可能な回数は４回だけしかない。失敗とは「クエスト」を解決できずに貴重な行動回数をムダに失う意味と一緒だ。そうして同時に失敗は「物語が悪い方向に向う意味」と同様だ。
※26 PCの特殊能力「ＦＢＥ」とむすびついた過去の記憶の断片。この「レコード」を判定のロールプレイと一致させると、PLは2d６ではなく3d６を振り、そのうち高い目のダイスを２つ選んで結果を算出することができる。
※27 おおエモいぞ。
※28 シナリオで１度くらいは戦闘を持ち込みたかった。ただイチロウの兵装の威力は強力で、相手の自律車両は一撃で沈黙した。反対にいえばPC vs 自律機械の戦闘は相当危険だということでもある。ホリは破壊した自律車両から真新しいモーターを回収した。モーターはきっと脈打っていたにちがいない。
※29 全体としては海外の潮流だが、日本でも人気の高い文明崩壊以後の世界を舞台に「未練」を探す仮初の命を得たPCの設定はせつなく優秀。過去と向き合う行動が「郷愁」と「成長」を呼び出し、必然、ロールプレイも醸成する。
※30 ※17も参照。対立する事態の解決に「コンフリクト（衝突）」が必要な部分は、結果、PLの自発性と思考性を引き出し、そのゲームプレイをPLとGMだけのものにする。もちろんそれ以外でもいいわけだが、本作で作者がめざすところは「それ」。
※31 本作はPCがどう「過去」と向き合い、どう「現在」を変化させるのかが主題だ。キャラクターを煮詰める掘り下げが必要で、実際、システムも簡便な仕組によりそれを援助する。この性質ゆえログを参照可能なオンセのほうがプレイには便利かもしれない。
※32 「過去」の「未練」をPC／PLが探す作品だが、同時にそれを他人（GM）の物語の中で見出す役目もPC／PLが負う。言葉はわるいがそれにはある程度シナリオに無理矢理設定を「こじつけ」ないとならない。でないと作品の主題を堪能できない。
※33 「赫旋熱」の読み方もそうだが、崩壊以後に発生している代表的な「回転体」の現実改変など「設定部分」にとらえどころがなさすぎる。「なんでもあり」なのだろうが、それでももうちょっと世界を表現する「材料」がほしい。
※34 描写がことなるだけでPCの特殊能力（ＦＢＥ）は、全部一定のパターンのなかへおさまるし、戦闘や判定に「かけひき」が発生するシステムではない。「かけひき」の強いシステマチックなゲームルールがほしいなら、ほかをあたるべきだろう。
『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』 第８話 「血と命」
http://
これはいいオーク → 早く死ぬ。
ブタは出荷よ〜。
アリスの広域術式によって亜人部隊の９割、オーガ弩弓兵の７割、
暗黒術師の３割を失うディーアイエル。
彼女は部隊損耗の事実をベクタに報告。
神聖力／暗黒力の枯渇に、ベクタはディーアイエルに魔力の補充方法を聞く。
その方法を得てベクタはオーク３千人を魔力補給の生贄へと捧げることにして……。
てか、この決定に歯向かうオークたちはおらんのか？
一方、アリスは自身を「光の巫女」と呼ぶオーガの言葉と、
アドミニストレータを倒した現場で聞いた通信にみずからを関連づけることに。
大門の最奥――ワールド・エンド・オルターまで別働部隊を組み目指す。
その彼女らへオークたちの生贄によって獲得した魔力で「死詛蟲」
なる暗黒術をはなつディーアイエル。
死詛蟲をエルドリエが限界を超えオーバーキル状態で引き寄せ絶命。
エルドリエにそえられた手はユージオの手なのかな？
この日記は先週の木曜日〜土曜日までの週後半の日記です。
■2019／11／28／Thursday
表参道のイルミネーション今日からだったのか。
だが今年は初日（今日）が雨で例年の人通りが少なめ。
『放課後さいころ倶楽部』 第９話 「ダルマサンガコロンダ」
http://
おまえの夢はバレバレやで。
中間試験が終り、テストのために封印していたゲームを解禁する４人。
４人は「放課後サイコロ倶楽部」で「エルフェンランド」をプレイし……。
今回も１本目と２本目では別々のゲームを……なんだけれど、
１本目に続く２本目は「だるまさんがころんだ」だからな。
ただ７話や８話と比較した場合、
ゲームデザイナーをめざすエミーリアと翠を対比させ、
かつ２人が同じ夢を打ち明け共有する流れが「ひとつづり」になっててスムース。
今回は嫌味もないしな。たしかに子供時代のあそびを振り返ると、
始まりも終わりもなく、また有利も不利も設定してない。
「挑戦」も、「報酬」も、「競争」も、「公平」さもない。
その「だるまさんがころんだ」にポイントを差し挟むだけで、
ルールが激変してゲームになる。アレックス・ランドルフのように改良とは進化だな。
実感するのは美姫が４人の気持ちを汲み取ってつなげる「コミニュケーター」
になって、みずから行動している部分。成長してます。
『ノー・ガンズ・ライフ』 第８話 「遺志」
http://
作品開始から一番の作画。
当時、エクステンドの研究施設でゴンドリーが起す政府職員の惨殺事件。
オリビエの父親が死亡したこの事件の犯人は、メガアームド斎時定。
時定は研究施設の査察へと訪れた役人を始末し拡張体の研究棟を死守した。
だったら、その物証そのものである、ゴンドリーが司法の手に渡るのは、
もってのほかだよな。十三にとって煙草は暴走を抑止するアイテム。
「ヤニのきれた」十三は暴走。暴走状態つよーい。
てか、４話で鉄郎が引き金を引き、エンデを一撃粉砕したけど、
あれ、本来の威力じゃないのか。本来は内部の“零式構造体”が露出した状態で、
射手が引き金を引く必要があるのね。
前回から徹底しているけど、個人の動機に「大義」や「正義」
の名を掲げた時点でその行動に正当性はない。
十三はおろかオリビエもその言葉を守る父を想い出し２人は時定を逮捕。
その時定を暗殺する「わるい水瀬いのり」のペッパーとバディを組む、
十三同様のガンスレイブユニットが最後の相手？
『PSYCHO-PASS サイコパス３』 第６話 「カエサルの金貨」
http://
イヤな予感の結実。ただ、物語自体は複雑でしっかり把握しないとおいてけぼり。
説明自体はうまくはないな。
結果から書けば、アウマとシノギは外務省とつながっていた。
２人というか４人の宗教家たちは――現在、教祖代理のトーリが執り仕切る、
「ヘブンズ・リープ」本来の教祖で植物状態のニセイをふくめ――
移民らを利用して日本が行う犯罪ビジネスの現状を告発しようとしていた。
そのため犯罪の形を借りて、司法の注意を喚起する計画をたてる。
だが、その計画を狐 ＝ ビフロストたちへ利用された。
炯と如月の潜入捜査がバレて、２人がとらえられしまう現状に、
もともと一件を捜査していた外務省行動課が介入。
炯と如月が変装していたザハリアス夫妻が爆殺され混迷の度は深まる。
トーリと裁園寺（莢子）って親子かよ。
同時に裁園寺は炯の兄が死亡した事件に関与してそう。
やっぱり炯の妻の舞子は物語に生贄になってしまいそうだなあ。
それにしてもこれ、あと２話（約２時間）できれいにたためるのか？
■2019／11／29／Friday
ようやく晴れたのか。
『Dr.STONE』 第22話 「THE TREASURE」
https:/
きれいなマグマ。
携帯電話に絶対必要な真空管。
その真空管のフィラメントに絶対必要なタングステン。
千空らはその天然のタングステン ＝ 灰重石の採掘に馬鹿力のマグマを推薦。
クロムと一緒に洞窟へ向う。だがマグマはもろい雲母の洞窟で千空を突き飛ばし……。
「マグマが仲間になった」クロムいわく「オレらは洞窟で鉱石以上の“絆“を得た！」
気持ち悪る！ と、千空がマグマと茶化す。
ただ、千空へとキャラクターが絆（ほださ）れつつ魅せられる展開はよくできてるな。
復活直後に自身が石化していた年数をふくめ“現在”の年数を千空は碑文へ記す。
その碑文を見て、千空なる人物の存在にゲンが惚れ込む様に――。
マグマも一緒。日本刀と綿菓子の時点ですでに千空へと惚れ込む。
同時に仇役を仇役だけでは終わらせず、仲間に取り込むのがジャンプ作品らしいな。
マグマへ自身の非を認め謝罪できるクロムをふくめ。
千空の誕生日に石神村の住人総出で作成した、
プレゼント ＝ 天体望遠鏡が渡り、開戦準備はこれで完了？
『ハイスコアガール ROUND 13〜15 ＆ II』 第21話 「ROUND 21」
http://
まあ、根底は恋愛ものだししょがないと思うんですけど、
ここ最近の展開はゲームからもはなれ、
恋愛一辺倒になるのがちょっとつまらないな。
大野への恋愛感情を完全に意識し――宮尾いわくもはや「恋」ではなく「愛」――、
周囲と一緒に大野への告白の機会をうかがうハルオ。その２人は、
土井のアイデアで大阪開催の「ストIIＸ」の全国大会へ参戦することになって……。
クライマックスもクライマックス。
同時に前回、大野の表情へとよぎった意味深長さの理由も判明。
大野は両親の命令で来月アメリカへ向い以後日本には戻って来ない。
ハルオの目的は大阪大会で優勝して大野に「告白」すること。
大野の目的は大阪大会で優勝してハルオに「告別」すること。
なにこの二律背反？
というか萌美先生もだからこそ２人の旅行を許可したのかもな。
最後の想い出作りのために――。
あと３話。全体をまとめるにはちょうどいい話数かも。
■2018／11／30／Saturday
午後から五反野でTRPGのセッション――。
『ロストレコードTRPG』のGMをやらせてもらいました。
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参加したメンバーはお疲れ様でした。
「ゲームの舞台を現実の現地化とする！」
なお今回使用したシナリオはルールブック付属のシナリオ「本を燃やす話」です。
システムにおいてほとんどネタバレの意味がないゲームですが、
これからプレイをする予定があって、事前情報を一切いれたくないなら、
注意してください。
●登場キャラクター（50音順）
▼PC� ．劵妊罐� 50歳／男／収集家
発電形式の変換に水車を作成したり感染者の病気を診察したりといろいろ。
▼PC� ．曠蝓�17歳／男／贖罪者
水車の部品収集に自律車両と戦闘したりミサイルで爆散したりといろいろ。
▼PC�� ミナツ 29歳／女／放蕩者
双方の生存者グループたちと交渉したりエレボスに文句をいうといろいろ。
●プレイの内容
（１）
ようこそ人類。地球は謎の侵略体「回転体」*1 により人口の95％を失い崩壊しました。
この３人の物語は、地球と人類をまもれなかった、わたし、無盡（むじん）級ＡＩ、
「エレボス」*2 の贖罪 *3 の物語です。……と、最初は殊勝であったエレボスだが、
「それはできません」「そこは回転体の能力で封印されています」「わかりません」
の回答や「一方を取って一方を捨てる」ポンコツ計画を発案。えれぼすちゃんと、*4
だれかがいったころから急激に信用をなくしはじめた。ともあれ死亡しているPCは、
すべての人類の情報を記憶しているエレボスの能力で、24時間、仮初の肉体を得る。
それが「再生者」だ。*5 PCは自身が抱く「未練」*6 の解消と同時にエレボスの依頼、
復活地域で巻き起こる騒動――先に来た住民グループと後で来た住民グループ――
のいさかいの解決へ向う。対立理由は知識の結晶の“本”だというのだが……。*7
（２）
微小機械 *8 が白い立方体を作り上げ、再生者たちがその立方体を崩し姿を現す。
東京都・足立区。*9 崩壊から５年経過した街並みは現代の面影を残す廃墟そのもの。
エレボスの依頼は図書館の再占拠。旧生存者グループ *10 が「自律機械」*11 を囲う、
新生存者グループ *12 と対立。図書館内から追い出された。旧生存者たちは、
農業を開始したいと思っており、そのためには図書館の紙媒体の知識が必要。*13
エレボスはPCに「自律機械の弱点の調査」*14「自律機械と追随者たちの破壊」*15
「崩壊後に発生した病気の感染者の焼却」*16 を依頼した。
PCはどうにも合理的・無機的がすぎる依頼に、えれぼすちゃんにいろいろ質問する。
あちらが立たねばこちらが立たず。ただ、この「コンフリクト（衝突）」*17 こそ、
本作で作者が表現したかったことだ。PCは両生存者グループに話を聞くことにする。
（３）
自律式救急車のイチロウの弱点は一帯で廃物を探すスカベンジャーから無事入手。
だがイチロウが占拠した図書館の敷地内へと踏み込んだ瞬間、ホリが爆散した。*18
イチロウのミサイルだ。なんとか難を逃れ、ヒデユキとミナツたちはイチロウと話す。
案の定か。イチロウは抗生物質作成の電力確保と新生存者グループの暖を取る目的で、
図書館内の本を燃やす。「赫旋熱」*19 なる崩壊以後の病気の感染者は無残な有様。
イチロウの追従者たちのミギオとヒダリをふくめ抗生物質がないと死亡する。
PCは「えれぼすちゃんのずさんな計画」を無視し以下の「クエスト」*20 をしめした。
「イチロウの発電形態を火力から水力発電にかえる」*21「赫旋熱の罹患者の診察」*22
「旧生存者グループの説得」*23 だ。これにたいし自分は「メソッド」*24 を作成。
ともあれPCは一方ではなく両方のグループを救済しようとしたのだ。
（４）
エレボスが作成してシナリオにもとからあるクエストも、PLがアイデアを出し、
GMの作成したクエストも一緒。判定は「朝方」「午後」「夕方」「深夜」
の「フェイズ」に１回のみ。振り直し等々はあるが、わりとシビアな判定だ。*25
もっとも失敗したらば「バッサリ」と失敗の物語へ突き進めということが、
作者の意図かもしれない。PCは自身の「キーワード」*26 と行動を合致させつつ、
判定を成功させていくことに。ヒデユキはくだんの図書館が一人前の設計士として、
はじめて設計した建物と過去にふれる。ミナツは旧生存者の人々が暮す学校村を見て、
教師時代の日常――在りし日の過去――を朝焼けのなかに回想する。*27
イチロウが発電に使用する水車の稼働にはモーターが必要。発生したクエストに、
PCはイチロウを説得。ホリは彼と一緒に自律機械の部品を回収。事態を解決した。*28
（５）
長所（Pros）
・ 崩壊した地球（ポストアポカリプス）は若年ユーザーの興味を誘導しやすい。
本作の主題は崩壊以前の世界に未練を残すキャラクターが「過去」と向き合い、
「決別」「昇華」するのが主題。そのエモめのテーマは十分表現ができている。*29
・ 「コンフリクト（衝突）」の解決を中心にすえた作品構造。リプレイでも、
サンプルシナリオでも、PCを導き、助力を送るエレボスの問題解決方法はなにかの、
対立構造をはらむ。その対立構造の解消がPLとGMの思考によって変化を呼び込む。*30
・ システムはシンプルで把握しやすい。同時に薄味。この部分は「短所（Pros）」
を参照。ただ、本作が追及しているのは２時間〜３時間で崩壊以後の個人（PCとPL）
の物語をつむぐことが第一だ。ゆえオフセよりオンセの方がPCを煮詰めやすいか。*31
（６）
短所（Cros）
・ GMのシナリオは他人の物語だ。PLがPCに希望する物語と一致するかわからない。
そのため意識して、GMの物語にPLがPCの過去を擦り合わせ「回想」と「告別」
しないとキャラクターの強化／成長以前に本作のシステムを“堪能”しにくい。*32
・ あくまで「意図」だろうが「回転体」により崩壊した地球の未来は「ふんわり」
設定されているだけだ。そのため崩壊以後の世界の様子を決定するのはGMとPLだ。
ただ、それでも崩壊以後の設定を生み出す材料がすくなすぎるかもしれない。*33
・ システムの薄味さ。システムが皿の深さなら「皿は浅い」。ゲームルール部分は、
２回か３回のゲームプレイで“やれることを”消費しつくしてしまうだろう。
GMとPLはシナリオやキャラクターの演出で皿の深さではなく幅をひろげたい。*34
●脚注
※１ 嵐の年（地球が滅亡した約５年前）に突如出現した無数のマーブル模様の球体存在。現実を改変する能力と絶大な力を持ちエレボスなど歯牙にもかけなかった。
※２ 1930年代から密かに稼働しており、80年代〜90年代の急激な自己進化で自我を確立した超的ＡＩ。人類の味方。「回転体」からの侵略行動を防止するため無数の兵器で戦う。だがエレボスは敗北。結果、大幅にエレボスの能力は制限されてしまう。
※３ エレボスは“人類を味方”であるというアイデンティティをはたせなかった。そのため死亡した人類を「再生者」として定期的に復活させ、人々が自身の未練や過去を振り返る時間をあたえている。
※４ 「ちょうむじんきゅう えーあい えれぼすちゃん」。おそらく本編のスピンアウトで５分ぐらいのショートアニメ。とはいえエレボスが“ポンコツ”の設定は作者のねらいだろう。
※５ ※３も参照。エレボスが死亡した人類の人格へとあたえる仮初の肉体。以下の特徴を持つ。「基本的には人間」「ゾンビのようなタフネス」「暗視」「ＡＲサポート」「通信」「ＦＢＥ（フラッシュ・バック・エフェクト）」「セーブとロード」。再生者たちは24時間しか存在・行動ができず、また死亡したとき一定時間で復活する。我々人類との違いはＦＢＥなる特殊能力を発動可能なことだ。
※６ ※26も参照。PCが生前に残す様々な「未練」。PLはシナリオでの物事に演出を紐付け、PCの抱く生前の「未練」をロールプレイ。心残りを昇華して「告別」する（別れを告げる）。「告別」した「未練」は「レコード」に変る。そうしてPCはあらたな「ＦＢＥ」を獲得して成長する。この「未練」の解消が本作でのキャラクターの成長だ。
※７ このシナリオのタイトルは「本を燃やす話」だ。
※８ エレボスが地球に散布しているマイクロマシンのこと。「再生者」たちの肉体を形作り、PCの特殊能力（ＦＢＥ）は、このマイクロマシンを利用することによって現実の事象に変化をもたらす。
※９ 今回のオフセの会場は足立区の公共施設だったのだ。
※10 足立区内の学校を利用して生活する生存者たちのグループ。グループのリーダーは元司書のハルカ。
※11 エレボスが「回転体」との戦闘に、死亡した人類の人格を（無理矢理）機械へ送り込み自我を得た自律機械。兵装をそなえるが「自律携帯電話」や「自律エアコン」など、正直エレボスも、戦中どうしてこんなものを作成したのかわからないものもいるという。とどのつまり自律機械は“人間”だ。
※12 自律式救急車イチロウと一緒に行動する生存者たちのグループ。以前に「回転体」によりコロニーを崩壊させられ、その影響で病気に罹患している。
※13 もはやネットはない。そのため情報を獲得するにはアナログ媒体が必要だ。
※14 今回エレボスの「クエスト」の中で一番穏当な依頼であった。
※15 依頼：ガガガ……ピー。ニンゲンヲ殺セ��
※16 依頼：ガガガ……ピー。ニンゲンヲ殺セ��
※17 ※30も参照。現在の和製TRPG（というよりあらゆる和製サブカルメディア）は選択を明確化／単純化し、なるたけ勧善懲悪をPLが選び取り、PC（主役）の行動を正当化させる。だが本作は現在のトレンド（定石）を外し、一方だけ生かす選択や思考実験、モラルなどの「コンフリクト（衝突）」を持ち込みPLの葛藤を呼び込む。この部分は好感だ。
※18 「（PL一同）一度死んで見よう！」「んだんだ（興味本位）」 ← 行動回数が１回減る。
※19 ただしい読み方が不明。「せきせんねつ」か？ 高熱を発し、やがて罹患者の肉体は赤く変色。手足が空に向って伸び上がりプラスチックの灌木のような物体になってしまう。
※20 ※14〜16と※21〜23を参照。この括弧の中の内容が「クエスト」だ。PLは「クエスト」の目標値（難易度）にたいし、2d６＋能力値で判定を行う。「クエスト」とはPCがシナリオで解決するべき目標や障害だ。※24と※25も参照。
※21 電力の発電形態の変更を思い付くPLの知識はさすが。水力発電を選択したのは付近に荒川が存在するため。
※22 ヒデアキはイチロウと協力して図書館の医学書を利用し「赫旋熱」を調査した。なにより病気が感染しないという材料が旧生存者グループの説得にほしかった。
※23 ※22も参照。旧生存者グループに新生存者グループを受け入れさせるためには、感染者（罹患者）の病気が感染しないという説得が必要だとPLはかんがえた。ちなみにシナリオに「赫旋熱の感染条件」は明記されていない。そのため自分は抗生物質の投与があれば病気は「感染をしない」と決定した。もちろんあなたがGMなら「感染する」としてもよいのだ。
※24 「メソッド」とは「クエスト」を解決する判定の公式だ。通常「エリア（場所）、使用する能力値、難易度」であらわす。たとえば※23の「旧生存者グループの説得」なら「学校村、調和、難易度10」と記す。
※25 つまるところシナリオにおいてPCが判定可能な回数は４回だけしかない。失敗とは「クエスト」を解決できずに貴重な行動回数をムダに失う意味と一緒だ。そうして同時に失敗は「物語が悪い方向に向う意味」と同様だ。
※26 PCの特殊能力「ＦＢＥ」とむすびついた過去の記憶の断片。この「レコード」を判定のロールプレイと一致させると、PLは2d６ではなく3d６を振り、そのうち高い目のダイスを２つ選んで結果を算出することができる。
※27 おおエモいぞ。
※28 シナリオで１度くらいは戦闘を持ち込みたかった。ただイチロウの兵装の威力は強力で、相手の自律車両は一撃で沈黙した。反対にいえばPC vs 自律機械の戦闘は相当危険だということでもある。ホリは破壊した自律車両から真新しいモーターを回収した。モーターはきっと脈打っていたにちがいない。
※29 全体としては海外の潮流だが、日本でも人気の高い文明崩壊以後の世界を舞台に「未練」を探す仮初の命を得たPCの設定はせつなく優秀。過去と向き合う行動が「郷愁」と「成長」を呼び出し、必然、ロールプレイも醸成する。
※30 ※17も参照。対立する事態の解決に「コンフリクト（衝突）」が必要な部分は、結果、PLの自発性と思考性を引き出し、そのゲームプレイをPLとGMだけのものにする。もちろんそれ以外でもいいわけだが、本作で作者がめざすところは「それ」。
※31 本作はPCがどう「過去」と向き合い、どう「現在」を変化させるのかが主題だ。キャラクターを煮詰める掘り下げが必要で、実際、システムも簡便な仕組によりそれを援助する。この性質ゆえログを参照可能なオンセのほうがプレイには便利かもしれない。
※32 「過去」の「未練」をPC／PLが探す作品だが、同時にそれを他人（GM）の物語の中で見出す役目もPC／PLが負う。言葉はわるいがそれにはある程度シナリオに無理矢理設定を「こじつけ」ないとならない。でないと作品の主題を堪能できない。
※33 「赫旋熱」の読み方もそうだが、崩壊以後に発生している代表的な「回転体」の現実改変など「設定部分」にとらえどころがなさすぎる。「なんでもあり」なのだろうが、それでももうちょっと世界を表現する「材料」がほしい。
※34 描写がことなるだけでPCの特殊能力（ＦＢＥ）は、全部一定のパターンのなかへおさまるし、戦闘や判定に「かけひき」が発生するシステムではない。「かけひき」の強いシステマチックなゲームルールがほしいなら、ほかをあたるべきだろう。
『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』 第８話 「血と命」
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これはいいオーク → 早く死ぬ。
ブタは出荷よ〜。
アリスの広域術式によって亜人部隊の９割、オーガ弩弓兵の７割、
暗黒術師の３割を失うディーアイエル。
彼女は部隊損耗の事実をベクタに報告。
神聖力／暗黒力の枯渇に、ベクタはディーアイエルに魔力の補充方法を聞く。
その方法を得てベクタはオーク３千人を魔力補給の生贄へと捧げることにして……。
てか、この決定に歯向かうオークたちはおらんのか？
一方、アリスは自身を「光の巫女」と呼ぶオーガの言葉と、
アドミニストレータを倒した現場で聞いた通信にみずからを関連づけることに。
大門の最奥――ワールド・エンド・オルターまで別働部隊を組み目指す。
その彼女らへオークたちの生贄によって獲得した魔力で「死詛蟲」
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