mixiユーザー(id:1506494)

2019年11月22日20:14

216 view

二期会公演 天国と地獄@日生劇場

オッフェンバック生誕200年なのだそうです
というわけでフレンチ・カンカンのメロディはやたら有名だが全曲を聴くこと稀というオペレッタが
上演されましたので、そぼ降る雨の中行って参りました
演出は畏友鵜山君、公式ウェブサイトではクレジットされておりませんでしたが、上演台本も
訳詞も彼が担当しています(歌詞は初演・再演のものを用いず前回と同じ小林一夫氏原訳)

二期会による上演は今回で4回目、初演・再演の時の演出はなかにし礼氏と萩本欽一氏の
共同で話題を呼びましたが、これについては裏話があると畑中先生からお聞きしました
しかし、なかにし氏・萩本氏共にご存命中ですので暴露は控えさせていただきます

ワタシは2007年の第三回公演を拝観しており、日記にもしておりますが、あまりピンと来なかっ
たようで、冷ややかな感想でした
原作であるギリシャ神話のパロディであることと、作曲当時のナポレオン三世の治世に対して
風刺を利かせているということでイマイチ馴染みがなく、しかもそれを二期会が佐藤信氏の
演出であるにも拘らず、真面目くさって演じたものだから、共感を呼ばなかったのですね

今回の公演は、過去の公演同様歌唱もセリフも日本語によるもので、歌の部分には字幕も
表示されておりましたが、特に日本語が聞き取りにくいということはありませんでした
但し、台詞は相変わらず発声に気を配った、いかにも声楽家のものです(東条さんに言わせると
「頭のてっぺんから声を出すような」)
この点については鵜山君も特に演劇に寄せることは要求しなかったようです
その中に在ってはユリディス役の高橋唯さんの台詞が声楽臭くなく聴きやすかったと思います
また、第二幕に入ってからはジュピター・プルートー兄弟の会話が生き生きと快調に飛ばして
いました(オルフェ役は遂に最後まで「千の風になって」でした)

鵜山君のコンセプトは「ギリシャ神話にも19世紀のオペレッタにも現代に通じる人間の姿が
ある」というもので、ことさらそれを現代に寄せた設定にしようとはしていないようでした
それでも神々がジュピターの運転する車に乗って地獄へのドライヴをする場面など楽しいし
プルートーの手下であるジョン・スティクスを関西弁にするなど客席を沸かしていました
ワタシの前の席の小母様はサクラではないかと疑うくらい必要以上にウケまくっておりました

この作品がパロディである証拠には、オルフェとユリディスは倦怠期を迎えた仮面夫婦であり、
オルフェはユリディスが亡くなってせいせいしているし、ユリディスも夫の元に戻ることを
望まない、折しも本日は良い夫婦の日でありますが、いいんでしょうかね


2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年11月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930