mixiユーザー(id:1506494)

2019年11月13日20:24

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ドン・パスクワーレ@新国立劇場

ベルカントファンの不満は新国立劇場のレパートリーにこの種の作品が少ないこと
ワタシはこれまで書いてきた通り、冷ややかな反応しかなく、シーズンチケットのミニ
シリーズに組み入れられていれば聴きに行くかという程度でしたので、本作は
初見にして初聴であります

しかしながら、不思議なことに序曲を聴くと第一幕第二場でノリーナによって歌われる
ガヴォット風のカヴァレッタのメロディに聴き覚えがあります
六十何年も生きていれば、知らず知らずのうちに聴いていたんですかね、耳に残り
やすい、いかにもベルカントオペラの一節であります

一応あらすじだけは頭に入れておきましたが、実際に拝観するにあらすじ以上の
ことは何一つ起こらない、まことに他愛ないオペラ・ブッファでした
若い恋人たちとこれを阻止しようとする頑迷な旧世代、そこを立ちまわる狂言回しの
智恵者というのはセヴィリアの理髪師にも似た設定です

しかしまぁ、七面倒くさい理屈さえこねくり回さなければ、これはこれで楽しいですし、
本日の演奏もそれに水差すようなことは何もありませんでした
特にノリーナを歌ったのは本来のキャストが降板したことにより初役で代演した
アルメニアの若き逸材(大野監督による)H.トロシャン嬢で、単なる代演以上のものが
ありました、実に魅力的であります

その相手役にはかつてセヴィリアの理髪師でアルマヴィーヴァを歌ったM.ミロノフ氏
そのときの感想が今回もそのまま、縮緬ヴィブラートが気になるが、容姿は「往年の」
ハリウッド二枚目風で、ベルカントのテノールに相応しい
この二人がロシア・アルメニア系で、ブッフォ二人組はイタリア人ということで見た目も
表情も芸達者ぶりも、さすがであります

指揮は新国立劇場初登場のC.ロヴァーリス氏で、どうも振り方が小さく、オケは付いて
いけたが声楽はともすればズレてしまって、折角のドニゼッティの愉悦感がそがれた
気がします(やはり一糸乱れぬアンサンブルを期待していましたから)

東フィルはコントラバス3挺の小編成(6型かな?)、特に破綻はないものの、少数精鋭
とは言い難く、いつもの如しでした
それでも特に難癖をつけるほどのことはなく、ワタシもベルカントに格別の思い入れは
ありませんので、良かったんじゃないですか

アンディーパパさんが来ておられるということで、ホワイエを探したのですが見当たらず
別の日のマチネだったのかな、反省会はできなくて、そのまま帰ってきてしまいました
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