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2019年11月04日11:24

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容赦なき戦争

ジョン・ダワー著

日中戦争、太平洋戦争で日本軍は残虐行為を数多く行った。
しかし米軍もそれに負けず劣らず太平洋戦争で日本兵に対して残虐行為を行った。
その原因には日米それぞれの人種差別主義があったと著者は語る。
アメリカでは伝統的に有色人種を蔑視し、戦争前の時期にはことに日本人を猿・毒虫・程度の低い幼児とみなす風潮がはびこり、ひとたびパールハーバー奇襲が起こると、日本人は絶滅すべし、という風潮がはびこり、捕虜はとらない、撃沈された輸送船の生存者や捕虜を射殺するという蛮行が当たり前とされた。
日本では明治以降、西欧人にコンプレックスを抱きつつ彼らを鬼とみなして蔑視した。
また八紘一宇を唱えてアジアを西欧人から解放すると称しつつ、常にアジア人を下に見て「その処を得て」と日本のための開放をあからさまにして憚らない、西欧・アジアからの批判に「日本は神の国で清浄であり世界の指導者になる運命」との宣伝を行った。
ところがその日本の宣伝は世界では通用せず、かえって「日本人は変」という意識を世界に植え付けて、たとえ絶滅させてもかまわない、という意識を加速させた。

親父は子供の頃聞いたのであろう「海兵隊はガタルカナルで日本の傷病兵を並べて戦車で轢き殺した」と言っていたが、そういった事件は事実と著者は記す。また俺が所有する「リンドバーグ・第二次大戦日記」にも連合国兵士のおぞましい行為が載っているがそれも事実であると。

戦後は日本人は手のひらを返したように米国礼賛となるのだが、筆者はそれも日本人の人種主義からの流れと言う。米国側も日本人を「猿・毒虫」から「可哀想な子供」とみなし、中共との関係から日本を軍事同盟国とみなすようになるが、基本姿勢は幼い子供として扱っている、と。

人種主義の根絶は不可能に近いと思うが、それが常に各国の国民の心の奥に潜んでいて容赦なき戦争の火種として存在しているようだ。
今でも日本人は西欧人にはへつらい、日本人以外のアジア人を蔑む意識が消えていない。俺も含めて。これをあらためないと、またいつか悲劇が起こるのではないかと思いつつ、問題は根深い。

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