新しいニットベストを着ていた。
布の鞄を持って普通に歩く。
店についたら、
鞄が擦れたところが毛玉だらけになっていた。
まだ一回しか着ていないのに。
服を着たまま、ハサミを使うのは、
なんとなく好きじゃないけど、
仕方なく、着たまま毛玉を切って行く。
メリノウール。
そんなに毛足が長く感じなかったが...。
繊細な毛糸なんだなと思った。
いい生地は、手入れが大変で、
普段着るなら、丈夫で洗える服がいい。
一般人には。
ベストは、動きやすく、作業がしやすい。
体型カバーの服の本を読んでいた。
やっぱりピンと来ない。
自分の主観からしか見えない世界。
モノサシの外にある世界は、見えない。
同じ世界で、みんな違うモノサシ。
バラバラに見ている。
見えているものの不確かさ。
見えないものは、感じとることさえ出来ない。
違うままで、知らぬままで、
違うものはすれ違う。
出会ったとしても繋がらない。
同じ世界でも、
感じ取れない世界は、ないのと同じ。
関わらないことが幸せなのだ。
存在しても見えない。聞こえない。
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