先月の台風15号に続いて、こんどは19号が関東を通過して行きました
。
筆者の自宅アパート周辺は、今回もさしたる被害はなし…
#とはいうものの、今回は一瞬停電したようです…
。
ずいぶん時間がたってから、
宅内のネットワークハードディスク等、
いくつかの機器の電源が落ちていたことで
初めて気づくくらいではありましたが^^;
ただ、15号ではひたすら東京湾周辺と房総半島だけが狙い撃ちだったのに比べると、今回は大型の台風ということで、大雨も含めて15号の時とは比べ物にならないくらい広範囲で被害が出ています
。ありきたりの言葉で恐縮ですが、1日も早い復旧を祈るばかりです。
まだまだニュースのかなりの時間を割いて、台風19号による各地の被害が報じられていますが、一方で、こういう時だからこそのエンターテインメントの力も、また無視できないものであります。そんなわけで、台風が過ぎ去って、ようやく都内への電車の運行が元に戻ったあたりの、13日の夕刻、こちらの舞台へ足を運んでまいりました。
はい、前回は梅雨時の「偏執狂短編集」以来の、はるかぜちゃんこと春名風花さんの舞台であります
。もともと11日〜13日に全9公演という予定だったものが、台風の影響で12日の全3公演と13日の日中2公演が中止…
。予定通りの千穐楽ではあるものの、9公演完走ではなく、4公演目で…ということになっています。筆者も、最初は12日夜公演の観覧予定でしたが、台風の接近前に1日ずらした
13日の夜公演に変更しております。ただいま”シーズン12”に入っている当おと日記史上、台風で事前に出動予定を変更したのは、おそらく初めてではないかと…。
先述の通り、ようやく京葉間に関しては交通機関がほぼ元通りになったくらいのタイミングですが、そんな状況はなんのその。ほぼ半数の公演が中止となってしまったぶん、千穐楽は超満員。けっして広いホールではありませんが、わさわさと活気が感じられる場内です
。
ということで、コントのステージ。コメディともまた違うコントという世界。果たしてどんな感じだったのか^^
(以下、風花さんのことは、愛称の「はるかぜちゃん」で記述します
)
まずは「はるかぜちゃんとルウトさんによるものまね10連発
」
…
……
………
…なはずですが、やっぱりふたりとも役者さんですからね。ひたすら劇っぽいわけです。しかもネタはシェークスピア。ものまねとは正反対のシチュエーション。
そこに主宰である芸人の安達さん自らの突っ込みが入るのですが、無視してお芝居を続ける二人
。しまいにはハリセン…ではなくて、もっと乾いた音がするスリッパで、はるかぜちゃんを「パコッ
」
この安達さん、実際に吉本興業所属の芸人さん。よって、いきなり新喜劇並みの洗礼を二人に浴びせます。”相方”のルウトさんはこのシリーズの出演実績があるそうですが、はるかぜちゃんは当然お初。痛そう…というか、どうやって切り返すか…っていう感じの表情でしたかねぇ
。コント集とはいえ、このひとがお笑いに体当たり…という光景を、このあと何度も見ていくことになります
。
”本編”は8話のやっぱりコント集。お題とアウトラインはこんな感じでした。
1:調子のってる
ちょっぴりグレているはるかぜちゃんと、服が破けたりしていてやっぱり雰囲気が変な先生とのコント。最初からはるかぜちゃんの頭の上にお銚子が乗っていたり
、三重県の地図を服に貼り付けて「見栄っ張り…」と、べたなネタが連発…
。オープニングに引き続いての強烈な洗礼のようです^^
2:日本語教室
いわゆるフリップコント。日本語と、それに対応する英語が交互に出され、先生のあとについて生徒がリピートするシーンが延々と繰り返されますが、次第に日本語は長くなって、先生役のルウトさんはアドリブばかりに…。生徒はこれについてゆけず、真ん中を大胆に端折っていたりします
。
3:彫り師
とある入れ墨の彫り師の”最後の仕事”と、それを受けたひととのコント。”あゆ
”を彫っているのですが、背中に描かれたそれは、歌手の”あゆ”、つまり浜崎あゆみさんのマーク
。BGMがひたすらこのひとのヒット曲…。気づいているのか本当に気づいていないのか、聴衆のくすくす笑いがひたすら続いてたような。
4:赤ずきん等
童話の赤ずきんちゃん…のはずですが、なぜか”赤ずきんちゃん”は6人もいて、6対1で延々と問答集…。童話に出てくるのは「目」と「耳」と「口」の3つだけのはずが、「耳」から「口」までの間が、延々とアドリブでの問答になっています
。舞台裏からオオカミ役の安達さんがツッコミという名の回答をしていくという演出。しかし、質問が噛んだりしていると、回答の前にまじめにツッコミを入れていたりしますので、怖いはずのこのお話も、完全にウケ狙いのギャグと化しています
。
5:助けてください
極道と人質の2人の掛け合いが延々と続きます。人質はお題の通り、「助けてください」を連発しますが、なぜか最後には「中華を食べたい
」と添えられ、次第に”中華”にはじまる脇道のほうがエスカレート。助けてほしいという前に、餃子愛がさく裂していたりします。さらには要求が突如寿司に変わり…と、早口でやばそうに見えるけれど、ちょっとズレていそうなところが笑えますね
。
6:父と息子とその彼女のバラード
「バラード」というお題ですが、そのスタートは結構派手…。裸でランドセルを背負い(しかも赤い女の子もの)、「ヒーローだよ〜ん
、パトロールしてるよ〜ん
」と言い放つお父さんが、まず最初の笑いを取っていきます。その息子も、お父さんに比べると普通そうに見えるけれど、やっぱりちょっと変。バンドでヴォーカルをやっているという息子の彼女も、カバー曲を演奏するのに「盗作です
」とはっきり言っちゃうのがちょこっと変。そして、そのバンドのコンサートシーンで、ヴォーカルの彼女が歌えなくなったときのリカバーアクションが延々と繰り返される…という、変なものがどんどん積み重なっていくコント。当然のごとく、笑いも積み重なっていきました。
7:最後の晩餐
イエス・キリストの最後の晩餐のパロディ。裏切者のユダに対して、いわば”集団いじめ”を積み重ねていきます。キリストが、ユダにだけワインを注がなかったり、ふわふわのパンを握りつぶして渡したり…
。それに耐え切れずにユダが切腹?かと思っていると、伸縮ナイフ(なので、無傷…)で切腹の”ふり”をして、それまで中立だったメンバーにも諭されて終わるという、ドSキャラの中にいじめられっ子ひとり…というのが徹底されています。
ちなみに、ここでキリストを演じているのが、はるかぜちゃん。笑顔を絶やさずに、身体を張っていじめっ子を演じるこのコントでは、結構なドSに見えましたねぇ
。
8:愛ゆえに…
実は宇宙人という両親と娘の家族。その娘の恋人が、住んでいる家を訪ねてきます。
娘は人間の言葉を話すことができますが、両親はというと、ピングーの会話のようなよくわからない言葉をしゃべり、娘が翻訳しています。当然、はじめてその”宇宙人の”両親に会うことになる恋人氏は、びっくりもするわけで…。その”びっくりした”という証拠が、ちょこっと変わっています
。
しかし、そのくらいではあきらめきれない恋人氏は、半年かけて、そのピングーの会話をマスターし、再び告白するのですが、勢い余って裸姿にまでなってしまったせいか、結局はキモイ
とフラれて、ジ・エンド…
これも、娘役がはるかぜちゃん。以前、Eテレ
の「ストレッチマン」に出演されていたご経験が功を奏しているんでしょうねぇ。宇宙人との交信はお手のものだったみたいです
そして、締めはまたもやルウトさんとはるかぜちゃんによる「なにもものまねをしない”ものまね10連発”」。プロローグとほぼ同じノリ。このプロローグやエピローグそのものがツッコミネタという感じです。
本編とは別建てですが、夜の回は続けて出演者総出のトークショー
ツッコミ満載であり、コントの意図が解説されたり、はたまた裏話であったりと、こちらも爆笑オンパレード。役者さんが勢ぞろいしてのぶっちゃけトークは、生ならではの面白さにあふれています
。
関西ノリのお笑いでは、決め台詞をこれでもかというくらい繰り返して、印象を強くする…ということを、どこかで聞いた記憶がありますが、確かに同じシーンが10回以上も繰り返されたり、延々と問答集が続いたりと、そのようなノリのお笑いが随所にあった感じです。
くわえて、台本を読んでみると、結構な部分でアドリブが求められているようです(つまり、台本にはっきり書かれていない部分があちこちにある)。多少スベり気味のギャグも含めて、そのようなアドリブがコントの面白さをより大きくしているのも確か。とっさに考えたものが案外面白い…などとしばしば言われますが、アウトラインはあるにしても、これも確かにその通りだった感がありました
。
コントステージと注釈はついているものの、”オーロラの夜”という公演タイトルからは想像がつかないくらいの徹底したギャグの連発に、大いに笑って、素直に目を丸くしたのでありました。台風が過ぎ去ったあとには、このような面白いものが待っていたようです。
みなさま、ありがとうございましたぁ
。
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