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2019年10月05日17:21

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声劇台本を作成しました!「生き続ける活動。」

「生き続ける活動。」



※ 金銭が絡まなければ使用自由。
大幅な改変等はツイッター @annawtbpollylaまで要許可申請。

自作発言は厳禁です。 ※


こちらの作品はシリーズ物となっています。
一作目
「生きる活動。」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967560293&owner_id=24167653

二作目
「生き続ける活動。」(本作)


三作目(最終作)
「生き抜く活動。」前編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978066292&owner_id=24167653
「生き抜く活動。」後編
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1978066294&owner_id=24167653



こちらの作品単品でも楽しんでいただけるよう書いていますが、
もし良ければシリーズ内の他の作品と併せて見ていただけると幸いです。




【想定時間】

30分に少し満たない程度。

【男女比】

2:2〜2:3
(白露役を恕【しのぶ】役が兼ねる場合は1:2〜1:3 詳細は下にて)



【登場人物】 

夜雨 恕(やさめ しのぶ):男性。笠木岳(かさぎたけ)高校三年生。高校一年次の終わり頃から二年次の6月末頃まで不登校だったが無事卒業の日を迎えた。

古田 つとめ(ふるた つとめ):女性。鬼ヶ海(おにがうみ)高校三年生。高校二年次の6月に水難事故で死去。 

倉木 白露(くらき しらつゆ):男性。笠木岳(かさぎたけ)高校三年生。一年次、二年次ともに恕の同級生。 発言数が6回しかなく、出番が少ないため兼ね役可。
※最初「5回しかなく」と書いていましたが間違いでした。6回です。申し訳ない。

草撫 和子(くさなで かずこ):女性。鬼ヶ海(おにがうみ)高校三年生。つとめの一番の友達。 ※声の出番なし。

神楽 かなた(かぐら かなた):女性。笠木岳(かさぎたけ)高校教諭。彼らの一年次、二年次ともに恕や白露の担任の先生。 





※ 台本本編内に以下の人物表記がありますが、それぞれの状態及びどなたが演じるかは記述に従ってください。 



恕(しのぶ)…恕(しのぶ)が心の中でつとめに対し喋っている状態。恕(しのぶ)役の方が演じてください。 

恕【しのぶ】…恕(しのぶ)の肉体を使って恕(しのぶ)が喋っている状態。恕(しのぶ)役の方が演じてください。 

つとめ…つとめの霊体が喋っている状態。つとめ役の方が演じてください。 

恕【つとめ】…恕(しのぶ)の肉体を使ってつとめが喋っている状態。つとめ役の方、若しくは恕【つとめ】役専用に女性役を設けてその方が演じてください。 



※※ よって、恕【つとめ】専用の女性役を新たに設ける場合は2:3の配役となり、恕【つとめ】役をつとめ役の方が演じる場合は2:2の配役となります。 

なお、「」でくくられた台詞は実際に口に出している声、『』でくくられた台詞は心の声となっています。








【本編】

恕【つとめ】『思えば目まぐるしい3年間だった。
1年と2年の半ばまでは別の学校で陸上部の練習に明け暮れてて…事故もあってこの学校に通うようになって。

それで陸上熱は冷めちゃったから、
再会した和子(かずこ)と同じ大学に行くために、それまで陸上に使ってた時間も全部勉強に使うようになって。

和子の志望校の難度が高すぎるせいで
日々の勉強は地獄だったけど、お陰でどうにか受験も上手く行って、この高校も今日で無事卒業。

式も終わって、この高校に来る事は多分もうない。ここまで長かったような短かったような。』



白露(しらつゆ)「おおい、恕(しのぶ)っ!お前このままもう帰んの?4組の何人かで遊びに行くんだけど、良かったらお前も来ね?」

恕【つとめ】『倉木 白露(くらき しらつゆ)君…2年生の頃は彼にも何度も助けられた。彼のお陰でクラスに打ち解けられたし、そのお陰で3年生で別のクラスになっても別の友達ができた。ただ今日は…』

恕【つとめ】「悪い、白露(しらつゆ)。今日はこの後用事があって」

白露「……例の彼女とデート?」

恕【つとめ】「そうだけど彼女じゃないってーの。」

白露「はー。そろそろちゃんとしないと、いい加減誰かに取られるか愛想尽かされるかするんじゃね?」

恕【つとめ】「うるっさい。俺と和子(かずこ)はそれで良いんだって。」

白露「まあ良いや。じゃ、また連絡するわ。元気でな!卒業おめでと!」

恕【つとめ】「ああ、ありがと!」

恕【つとめ】『行ったか…お節介め。…和子は変な奴に引っかかりさえしなければそれで良いし、そんなのに引っかかる娘(こ)でもない。大丈夫だ。うん。』

恕【つとめ】『で、待ち合わせには…まだあるし、ちょっとぶらぶらしよっかな。』



かなた「あ、夜雨(やさめ)君、夜雨君っ!卒業おめでとう!」

恕【つとめ】『神楽 かなた(かぐら かなた)先生。1年と2年の頃の担任の先生。白露君以上に沢山お世話になった人だ。』

恕【つとめ】「ありがとうございます、先生。先生のお陰です。」

かなた「……私なんて何も。よく頑張ったね。」

恕【つとめ】『事故後、この学校に通い始めた時、この先生が補修の日程を試案してくれたり、他の先生達にも私が進級できるように掛け合ってくれたり、色んな手助けをしてくれたお陰で留年せずに済んだんだ。この人が担任で本当に良かった。』

かなた「…夜雨君、3年生になってからもたまに廊下とか英語の授業とかで見かけてたけど…本当に変わったよね。1年生の頃と違って、どんどん友達も増えて行って、よく笑うようになって。」

恕【つとめ】「あはは。それこそ俺なんて何も。みんなが良くしてくれたお陰です。」

かなた「やっぱりあの事故がきっかけで、あの時色々思うところがあったのかな…。あの後学校にも来てくれるようになって、嬉しかったよ。……でもね。」

恕【つとめ】「…?」

かなた「変わる前の、学校に来なかった頃の君も…真面目で、先生の自慢だったよ。」

恕【つとめ】「ありがとうございます…。」(照れ臭そうに)

かなた「…。」

恕【つとめ】「…では俺はそろそろ」

かなた「待って。」

恕【つとめ】「どうしました?」

かなた「…………あの時、どうして死のうとしたの?」







恕【しのぶ】『あー……良いね。洪水。すごい音。久々に散歩行こっかな。』

恕【しのぶ】「良い天気。淀んだ空がとっても綺麗で雨が気持ち良い。こんな良い気分なら明日は学校…行けんのかな。明日行けるなら今日も行けてた筈だよなぁ。俺って何をどうすりゃ学校行けんだろ。もう6月…そろそろ本気で留年が近づいてきてるってのに。」

恕【しのぶ】『また偉人の名言集でも見てみる?好きな曲でも聴いてみる?神楽先生に言われた事を思い出せる限り書き出してみる?どうせ何やったって明日の朝はいつもと同じ。頭がぼけっとして力が入らなくて、ぐわんぐわん、ぐにゃぐにゃって気持ち悪くなって。何をするでもなくそのまま時間が過ぎて行くだけなんだ。』

恕【しのぶ】「……うわ、川の流れすっご。そろそろ戻らないと氾濫しそうだ。」

恕【しのぶ】『…え。…いや、もしかしてあれって、人?流されてる?』

恕【しのぶ】「くそが!」

恕【しのぶ】『……あー…何やってんだか。

でも良いかも。どこかの女の子助けてってなら、死んで迷惑かけてもみんな許してくれるだろ。

つめ…なんだこれ、苦し……水、痛…』





恕【しのぶ】『……ん、なんだここ。』

恕【しのぶ】『ああ…病院か。なんだ、死ねなかったのか。』

つとめ「起きてくれた?」

恕【しのぶ】「ん?…ぐっ!」

つとめ「ごめん、そのまま聞いてて?」

恕【しのぶ】『なんだ、声が…どこからか聞こえる。』

つとめ「良かった…。私はあの時溺れてて…夜雨 恕(やさめ しのぶ)君、君が助けてくれようとした、古田 つとめ(ふるた つとめ)。どうやら君の中に居る……みたい。」

恕【しのぶ】「俺の中?なんだ、一体…。」

つとめ「あのね、私……死んじゃったんだって。なのにここに居るって事は取り憑いてるって事なのかな…。意識を強くすると君の周りの事だけ見えたり聞こえたりするんだ。」

恕【しのぶ】『死……なんでそんな事が分かるんだよ』

つとめ「君が寝てる間に、看護師さん達が言ってた…。もうお葬式とかも終わったんだって。」

恕【しのぶ】『ふざけ…おかしいだろ、そんなの…』










恕【しのぶ】「…ふぅ。多分忘れ物は…無いな。」

つとめ「退院したばかりなのに本当にもう大丈夫なの?それに学校は元々行ってなかったんでしょ…?」

恕【しのぶ】「せっかく、お互いがその気になれば体の貸し借りができるって分かったんだ。お前だって借りる体の持ち主の評判が悪いと嫌だろ。」

つとめ「…それはそうだけど。」

恕【しのぶ】「じゃあ」

恕【しのぶ】「……!!」

つとめ「え、どうしたの!?」

恕【しのぶ】「頭が……」

つとめ「大丈夫!?ね、恕(しのぶ)君!?」

恕【しのぶ】『わけが分かんねえよ、クソが……。どんな事でも何か良い事のきっかけになるんなら、それは良い事だろうが……。助けられなかったのは残念だったけど、自分が頑張ってそれで少しでも役に立てるなら、一応でもそれは良かったねってよ…』

恕【しのぶ】「……が…。」







かなた「あ、夜雨君!おはよう!」

恕【つとめ】「…おはようございます。」

かなた「…?何か分からない事とかあったら先生にも友達にも言ってくれれば良いからね!体の方も…つらくなったらいつでも言ってね!」

恕【つとめ】「ありがとうございます…。」

恕(しのぶ)「…先生、良い人だろ。」

つとめ「お見舞い来てくれた時から知ってたよ。」

恕(しのぶ)「ああ…そうだな……なあ、悪い。意識、保ってられない…。」

つとめ「寝てて良いよ。授業は私がちゃんと受けておくから。」

恕(しのぶ)「悪い、ありがとな…。」

白露「お!?お前、恕じゃん!退院したのか、久しぶりだな!」

恕【つとめ】「あ、うん、おはよう…。」

つとめ「誰だろうこの人。」

白露「全然学校来てなくてどうせ全然分かんねえだろ。ついて行けないだろうけど授業なんて適当に流しとけ?」

かなた「ちょっと倉木君!…でもほんとに、授業分からなくても思い詰めたりしないでね。」

恕【つとめ】「…ありがとうございます。」

つとめ「…良い人達……だね。」









かなた「…恕君?」

恕【つとめ】「…先生。すみません。」

かなた「ごめんね、せっかくの卒業式…晴れの日にこんな事訊いて。……でも、ずっと心残りで…本当にこのままで大丈夫なのかなって。」

恕【つとめ】「いや…違う。違う…。」

かなた「…違う?」

恕【つとめ】「違う……」

つとめ「ね、恕君?恕君?神楽先生が訊いてるよ?出てきて答えないの?」

…。

つとめ「寝てるの?そう言えばここ最近、全然君の声聞いてないけど、ずっと寝てるの?いい加減起きないと。」

…。

つとめ「ね、まさか居ないの?ね、起きて?返事してってば!」

…。

恕【つとめ】「先生…俺、自殺しようとしたって事言いましたっけ…。」

かなた「…うん。夏休みの補習の最終日。あの娘(こ)が助かって自分が死ねば良かったのにって言うから、そんな事言わないでって言ったら…助けようと思って飛び込んだんじゃなくて、自殺するついでに助けようとしただけだって。そんな人間が助かって生きたい人が死ぬなんておかしいって。」

つとめ「大きな事なのに記憶がない…きっと私が寝てる間に言ったんだ。そうだ、確か学校に通い始めてしばらくは彼が体調悪くするから私が代わりに行ってたけど、少ししてからは恕君が自分で行く事が増えたんだ。特に夏休みの補習は、クラスの皆が居なくて先生と1対1ならさほど辛くないって。

でも……気づいたら、学校の中でも外でも、私が体を使うのが普通になっていってた…二学期が始まった頃にはもう。

最初のうちは遠慮してた筈なのに…いつの間にかそれが普通になってて、いつの間にか私も深く考えないようにしてて…どんどん声を聞く頻度が落ちていっているのにも気づかな…気づかないふりをしてた。

夏休みの補修の時期?あの頃何があった…?確か、その頃にはもう和子と再会してて…そう、事情は話せないけど初対面扱いからまた一から仲良くなって、一緒に夏祭りに行って…。」





恕【しのぶ】「草撫(くさなで)さんとの勉強会、どうだった?この前の夏祭り以来、久々に会えたんだろ。」

つとめ「いやぁ…中々どうもね。せっかく仲良くなれてきたのは良いけど、ほら。一緒に勉強してても、志望校どこにするって話が出るとどうしたら良いか分からないし。」

恕【しのぶ】「…どうしたら良いか分からない?」

つとめ「…恕君って、卒業したらどうするの?進学するのか、だとしたらどこ志望なのか…。」

恕【しのぶ】「…あぁ、そうか。……考えてなかったな。」

つとめ「まあ、それどころじゃないだろうからね…。」

恕【しのぶ】「なあ。元通ってた高校での友達って事は、元々同じ大学行く約束とかしてたのか?」

つとめ「和子(かずこ)?…約束ってわけじゃないけど、何となく一緒に行けたら良いねって言ってはいたかな。私は和子と違って部活ばっかしてたから、向こうが落としてくれない限り難しかっただろうけど。」

恕【しのぶ】「…そうか。」





つとめ「……そうだ、あれだ。

あの時。そうだ…あの時を境に、同じ大学に行くためなら沢山勉強しないといけないからって言って体貸してくれる事が多くなって

勉強や友達と遊ぶのを邪魔しないようにって言って用事がないとあまり声をかけて来なくなって……。」

恕【つとめ】「自殺しようと思って飛び込んだ人間が助かって、生きたい人が死ぬなんておかしい……?」

つとめ「まさか、本気で…自分が消えて、残りの人生私に譲るのが正しい事だって。

ねえ、返事して!

起きて!

恕君!!

君がしてる事は間違ってるよ!私も!私達、間違ってた!起きて!ごめんね、本当にごめんね……

完全に道踏み外して、それにずっと気づかないでいて、本当にごめんね…

ねえ、起きてよ。」

かなた「さっきから本当に大丈夫…?ごめんね、本当に訊かれたくない事だった…?うん、それはそうだよね、ごめんね…。」

恕【つとめ】「違うんです…ちゃんと答えたいんですけど…ちょっと頭の中がもつれてて。」

かなた「夜雨君?」

恕【つとめ】「…はい。」

かなた「先生はね、あなたが生きてて良かったよ。勿論二人とも生きてたらその方が良かったけど…あなたが生き残って、今までずっと生きてて、本当に良かったよ。」

―――。

つとめ「…?今のは。」

恕【つとめ】「先生、お願いします…。俺って、先生の教え子の中に居て良かったですか…?」

つとめ「私じゃだめでも、きっと……ずっと恕君を平等に見てた神楽先生の声なら…。」

かなた「当たり前でしょ。みんなと同じように、夜雨君は先生の自慢の生徒です。学校にあまり来てなかった時期も、なんで学校来られないのかずっと真剣に話してくれて嬉しかった。あと楽しくなってくると、たまにわざとぶっきらぼうな言い方するようになるのも可愛いなって思って見てた。」

恕(しのぶ)「………先生の前で何してくれてんだよ。」

つとめ「恕(しのぶ)君っ!」

恕(しのぶ)「最後の最後で変な奴って思われたらどうすんだ。」

つとめ「それはごめんね…。それに、君の人生奪おうとしてごめんなさい…。」

恕(しのぶ)「…お前が奪おうとしたんじゃなくて、俺が渡そうとしてたんだろうが。……要らないのか?」

つとめ「…少なくとも全部は要らない。……君にも生きてて欲しい。先生も“2人とも生きてたらその方が良かった”って言ってた。」

恕【しのぶ】「…すみません、先生。もう大丈夫です。なんか変な事言ってしまって申し訳ないです。」

かなた「…夜雨、君?」

恕【しのぶ】「はい。……俺が…死のうとした理由は単純で、俺が生きてて良い人間じゃなくて、俺が居なくなって代わりに死ぬ筈だった誰かが生きられるなら、きっとそれは合理的で良い事なんだって思ってました。だから死のうとしました。」

かなた「…そんなわけないって今は思ってる?」

恕【しのぶ】「……。」

かなた「…。」

恕【しのぶ】「……先生は、あの頃の何やってもだめで…みんなが普通にできている“学校に行く”という程度の事すらできないでいた俺の事も、生徒の一人として見てくれて…。良い人だなって。そんな良い人に迷惑しかかけられないのがつらくて、嫌で。」

かなた「うん…。」

恕【しのぶ】「俺が死んだら、それで仮に他の誰かが助かったとしても……悲しいですか?」

かなた「当たり前です。それで誰が助かったとしても、喜べません。悲しいです。」

恕【しのぶ】「…先生に悲しんで欲しくないです。…俺が死んで悲しむ人を悲しませたくないです。」

かなた「ふふ。こんなに良い子に育ってくれて…ありがとうね。良い子だね。立派な子だね。」

恕【しのぶ】「…どうも、です…。」

かなた「来年度もこの学校に残ってるから、また何かあったらおいで?」

恕【しのぶ】「…できれば良い報告持って来られるよう頑張ります。」







恕【しのぶ】「おっも…自分で歩くのいつぶりだ。」

つとめ「代わろうか?」

恕【しのぶ】「良い。今のうちに慣れておかないと真面目に歩けなくなりそうだ。」

つとめ「…まあ、うん。良いけど和子との待ち合わせに間に合うように歩いてね?」

恕【しのぶ】「任せろ。」

つとめ「…ねえ、あの時ほんとに私の声聞こえてなかったの?」

恕【しのぶ】「ああ…意識がぼんやりしていて、ゆっくり沈んでいくようで…『このまま眠り続けていたらずっと起きられなくなる』という感覚だけがあって、何も聞こえなかった。…けど、ふとそこに先生の声だけが響いてきて…だからお前の声は一切聞こえてなかった。」

つとめ「なんだかな。でもほんと良かった。あの人のお陰で一生後悔せずに済んだよ。」

恕【しのぶ】「…本当に良かったって言うならそれを信じるけどよ。これからどうすんだ?せっかく良い大学に受かってくれたのは良いが、俺がそんなとこの勉強について行けるとでも?」

つとめ「大丈夫大丈夫。そこはほら、知恵貸すから。一緒に頑張ろうよ。」

恕【しのぶ】「あとデートどうすんだ?」

つとめ「……身勝手で恐縮ですがそこだけは譲ってください。」

恕【しのぶ】「助かる。俺は同年代の女の子と話すなんて無理だからな。」

つとめ「私も女の子なんですけど。」

恕【しのぶ】「あー…そういやそうだ。」

つとめ「もぉ。」

恕【しのぶ】「そう考えると、俺は女の子というか…草撫(くさなで)さんが“魅力的な女の子”だから話すのが無理だと身構えてんだな。」

つとめ「はぁ!?」

恕【しのぶ】「お前はあの人が魅力的と思わないのか?」

つとめ「思うっての!だからこそでしょうが。君に狙われるくらいなら私が先に取る!」

恕【しのぶ】「おー、頑張れ頑張れ。」

つとめ「…ふん。頑張るけど、たまには手伝ってよ。」

恕【しのぶ】「しゃーない。」

つとめ「私も手伝うからさ。」

恕【しのぶ】「…しゃーない。」


完。
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