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2019年08月12日23:04

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捨てる神あれば拾う神あり

人間にとって最も危険な生物は蚊である、が最近の常識になってきました。様々な感染症を媒介し、それが原因で死亡する人数が最も多いと言うことで、昔は日本脳炎とマラリアが有名で、最近ではデング熱と西ナイル熱が話題になりました。マラリア、デング熱、西ナイル熱はもともと熱帯感染症で、温暖化によって媒介する蚊の分布が北上し、感染地域も北上していると言います。人口が増えているせいか、医療レベルが上がっているせいか、アフリカや東南アジアで蚊取線香や蚊帳が重宝されているという話も聞き、また、蚊を絶滅させる様々な研究も話題になっています。

家畜や栽培作物やペットなど、人が好ましいと感じる生物が人類とともに増える一方で、様々な生物を絶滅に追いやっているのも事実で、その中でも保護動物のように絶滅を回避させるべきとされる生物がいる一方で、蚊のように絶滅させるべきとなっている生物がいるというのは考えさせられる事実です。害獣、害虫といった分類は恣意的で、時代や状況に応じて変わっていくものですから、被害が出ているのだから撲滅して当然という考え方は短絡的に感じます。もちろん、親しい人が病に倒れれば、「蚊がいなければ」「病原体がいなければ」と思うのは当然でしょうけれど、だから生きるのを許さないのが正当なことかは疑問が残ります。

生物が生き残るかどうかは、環境に適応できるかどうかによって決まり、他の生物種にとっては人間も環境の一部ですから、その環境に適応できないとすれば、絶滅して当然、と言うのがもっとも合理的な回答かもしれません。ただし、それは人間が影響を与えた環境に人間自身が適応できなければ絶滅して当然、という考えの裏返しです。まあ、実際に人間がどれほど気を使って他の生物種を保護しようが、絶滅に瀕したときに誰のせいにできるわけでもないので、この考え方がおそらく正当なのでしょう。

人類が撲滅したという天然痘も研究機関には保存されていると言うことなので、蚊についてもどこかに遺伝子をプールするなり、繁殖させて種を保存しておくなりすればよいのではないかと言う考え方もあるでしょう。そうやって隔離して種を保存することで受け継いでゆけるものもあれば、それが他の生物種と共進化して変化する可能性のようにそれでは残らないものもありますから、何かを選択すれば、他の選択肢は選べないという事実は変わりません。結局、蚊と共存するという選択肢も何かを失って得られる未来の一つでしかありませんから、明らかなデメリットがないなら反対する理由はないのでしょうね。
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