一人

雨上がりの晴れで蒸し暑い朝だった。
黒いノースリーブのワンピースに、
ダークパープルのロングニットカーディガンを、
羽織る。麻素材でフレンチスリーブ。

肩が隠れるデザインは、
肩が張ってる自分にとっていい服だ。

暑すぎて、電車の中で脱ぐ。
今日は、あまりクーラーが効いてない。


好きなものが嫌いになることはあっても、
その反対は、ない気がしていた。
良さを見つけて、
嫌いじゃなくなることはあるかもしれない。

でも、好きにはならない。
好き嫌いは、本能的に最初からある。
コントロール不可能な感情。

感情が激しくなければ、
もっと生きやすいのに...。
そうなれないものが欲しく見えるのは、
人間のサガだ。

コントロール不可能な感情は、
上手に隠して生きる。

正解かどうか、メリットと比例しない。
後から気づくのも、なんか違う。
何か理由をつけて、
理解しようとするものは好きではないもの。

好きなものだけで、生きる道を探していた。
一人の時間を長くとりたい。
一人でいることに飽きる日は来ない。


秋から、好きなブランドの靴を
お店で取り扱うと聞いた。

もう、わざわざ買いに行かなくても
よくなるかもしれない。
どのデザインが入って来るのかわからないが...。

楽しみだった。
好きなモノをすすめるのは、
地球上で幸福な時間だった。