mixiユーザー(id:13333098)

2019年06月10日23:25

58 view

放射能健康法、幸福のゴジラ誕生!「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」



ギャレス・エドワーズが監督した、この作品の前作にあたる「GODZILLA ゴジラ」を先に観ました。
劇場で観た時はそれなりに面白いけど眠くなる映画だったな、という感じで、その後この監督の「ローグワン」が全然つまらなかったので、なんかいっそうイマイチな印象が強くなっていたのですが、意外にも2度目はなかなか楽しめました。

この監督がこだわったのは、普通の生活の中で怪獣が出たらどんな風景か、という部分だったと思います。
そういうアイデアはたっぷりあって、ユニークかつ美しい映像満載で楽しかったです。
日本の心霊ホラーで言うと、幽霊をはっきり見せずに怖がらせるタイプに近いですね。
問題は怪獣がガチで暴れたり、戦ったりするシーンが異様に少なく、あっても全然盛り上がらない点です。
これは、そういう部分に監督の興味が無かったのだと思います。

おそらく、その点で怪獣ファンから批判が多かったのでしょう。
今回は公開前から「怪獣バトルのシーンがギッシリ、確かな満足」という感想が言われていて、期待を煽っていました。
予告でも確かにお馴染みの怪獣がガップリ四つに組んで戦っており、嘘じゃなさそう。
なんなら最初から最後まで怪獣が戦っているだけ、なんて話もあって、これは大変な事になりそうだと、期待していた時が僕にもありました。

(ここからはネタバレありで書きますのでご注意を)
まあ、そんな訳ありませんよ。
結局、映画の4分の3くらいは、ナベケン(渡辺謙)とその他外人達が右へ行ったり左へ行ったりするのを、我慢して観なければならないのです。

最初は主要キャラと思われ外人達が、理解しがたい事を言ったりやったりするのを、「どうにか速やかに怪獣が戦うために、無茶を承知でバカやっているんだから。そら、怪獣を操るとか言うバカ装置のご登場だ!こいつがあれば怪獣バトルの組み合わせも自由自在じゃないの。ハイ、みなさんお疲れ様でした!」なんて考えながら観ていました。
バカで異常な行動や、目も眩むような退屈さも、寛大な気持ちで許してやろうよ、と。

そんな気持ちは、終盤まで比較的元気いっぱいに活躍する外人達の姿を見て、完全に裏切られたわけですが・・・。
ちなみに、ナベケンは急に他の仕事(ハズキルーペのCM等)が入ったのか、劇中で「じゃあ俺、死ぬわ!」と言って、海の底でよく分からない理由で勝手に死にました。

・・・このままいくと、酷評のみになりそうです。
一番頭にきた事は、まだこれから書くからです。
良い部分が何も無い映画では決して無いので、良いと感じた部分をここで書かせてください。

まず、チャン・ツィイーが可愛い!
でも、全然活躍しないのはどういう事なのでしょうか。
ジェットジャガーみたいに突如巨大化して、カンフーで怪獣と戦うのが最低限の契約条件でしょうに。
あと、水着で踊りながらモスラの歌(ユーロビートバージョン)をフルサイズで歌うとより吉でした。

ラドンの登場シーンが素晴らしい。
怪獣の登場部分はどれも良いのですが、ラドンは飛ぶだけで大災害なのです。
こいつが結局は「トラック野郎」の愛川欽也みたいな、ただのお調子者だと最後には分かるのですが・・・。

ゴジラの覚醒シーンも良いのでは。
ラジウム温泉でのんびり寝ていたら、ナベケンの自殺に巻き込まれて起こされ、怒り満点になったゴジラが体中の穴と言う穴から放射能をまき散らして暴れるクライマックスは、ありがちながら盛り上がります。
もう地球は終わるけど、ゴジラは元気になったので良かったね、というヤケクソなシーンに思え、痛快な気持ちになりました。
これが本当のセカオワだ!

結局なんか、どれも素直に褒められなくて申し訳ないです。
でも、怪獣が出ているシーンはおおむね迫力あって、まあ良かった気がします。
とにかくバトルが多いのは間違いありませんから。
前作でお預けになった部分なので、怪獣バトルファンが喜ぶのも分かります。

でも、最後のはいけませんよ。
まず、台本通りゴジラが勝つのは良いのですが、そこに世界中から出来そこない怪獣が集まって来て「雇ってください」と頭を下げるのは、ちょっとやり過ぎな気もします。
特にラドン。
さっきは愛川欽也と書きましたが、せんだみつおに格下げです。

そして、問題のエピローグに当たる部分です。
ここは、まるで逃げるようにその後のエピソードをさらさらっと語るのですが、ここが聞き捨てならなかったのです。
確か、ゴジラが通った後には気が生えた、緑でいっぱいになった的な事を言っていたと思います。
観ている時には「バカ言え」と笑っていましたが、もう笑えません。
この違和感から改めて色々思い返すと、どうもゴジラというものの設定がどんどん怪しい雰囲気になっている事に気付くのです。

放射能怪獣が通った後に緑でいっぱい・・・。
ありがたいゴジラにかかれば、放射能こそ最高のエコロジーになるのでしょうか。
「放射能はぜんぜん安全って言うか、実は体に良くって、浴びると善玉コレステロールがグングン増えるんです!ゴジラ様はとにかく強くって、エコで、無職や引き籠りみたいなクズにも優しい、唯一の神様なんですよ!」と玄関口で子連れの女性に笑顔で説得されているような気分です。

ゴジラが神になって欲しいと思う人っているんでしょうか。
問答無用に街を破壊する荒くれものだからカッコ良いのでは?
庶民派スター時代のゴジラにしたいなら、いっそのこと言葉を喋らせて、仲間の怪獣とタッグを組んで宇宙人と戦い、最後に子供に「ゴジラ〜、ありがとう〜」と手を振らせれば、まだその方が良かったです。

おそらく次回作では、ゴジラは政権を狙うでしょう。
すでに「幸福のゴジラ教」の教祖でもあり、ネット販売で放射能入り健康食品を成功させ、世界中の暴力装置にも顔が利くゴジラ。
テレビCM(ナベケン出演)、早朝のラジオ番組(放射能の灯)、書籍(ゴジラ国記)等マルチに活躍する彼が、遂に選挙に出馬。
ゴジラ一党独裁のシナリオは目前です。

もう、頼りになるのはあの人しかいない。
出所したばかりのキングコングのもとに、裏切者のラドンが近づく。
「お勤め中に奥さまを手籠めにし、薬漬けにしたヤツがいます。ヤツの名は・・・」
選挙演説のため大観衆の前に立つゴジラの前に、遂にコングが現れる!

はやくあのゴジラの野郎を、メッタメタのギッタギタにしてやってくれ!
「キングコングVSゴジラ」に期待していますよ!

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年06月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30