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2019年05月24日05:52

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宇宙船(0168 Citroën DS/ID)

ウチを新築したとき、1階を全てガレージにしました。クルマを停めておくスペース、レストアするスペースに加え、増える一方のクルマの書籍やグッズなどを置いておく場(壁一面の本棚など)を設け、トイレや台所も併設しました。だからガレージはとても快適で、家に入らず丸一日過ごせる場として、家族との距離を広げました(笑)。
そして、2010年11月に発症した重篤なクモ膜下出血(意識不明4ヵ月、99%死んでいたそうで)の後遺症で働けないため終日在宅している(病院に行かない限り)ので、本稿のようにガレージの本棚から文献を引っ張り出してイロイロ調べて書いているのです。ヒマ潰しとボケ防止を兼ねて。

本棚の前には厚さ5cmほどの花梨の一枚板を天板に用いたダイニングテーブル(頂きモノです。おそらくメチャクチャ高価だったでしょう)があり、遊びに来た友人はコーヒーを飲みながらフンゾリ返って談笑したり本を読んだりするのですが、そのテーブルの上に薄汚れたミニカーが置いてあります。イギリス車ではないのでショーケースに入れてもらえず、止むなくテーブルの上に放置しているのですが、いつでも手にとって眺められるテーブルの上は特等席かも。
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そのミニカー、実はイタク気に入っています。ポルトガル製の1/43のCitroën DS19のタクシー(1967年以前の丸型ランプ)で、コロンとした感じがタマラナクいいんです。

CG(カーグラフィック)誌2007年1月号に、1934年4月に発売された画期的なシトロエンの前輪駆動車「トラクション・アヴァン」のことを書きましたが、1938年から第二次世界大戦を挟んだ長い開発期間を経て1955年10月5日のパリ・サロンで発表されたのが、トラクション・アヴァンの後継車DSです。同じようなモデルにIDというのがありますが、あれはDSの廉価版です。

DS/IDの最大の特徴はハイドロニューマチック・システムという油圧制御機構でしょう。
乗り心地抜群のサスペンション(5段階の車高調節可能、また3輪で自立するのでタイヤ交換の際にジャッキは不要)のみならず、パワーステアリングやブレーキ、クラッチなど油圧で動かすモノはことごとくこの制御下に置かれました。スフィアと呼ばれる球体に窒素ガス(スプリングの代わり)とオイル(ショックアブソーバー)を満たし、これにすべての油圧作動機構を単一の油圧ラインで繋いで制御していました。システムとしては単純で優秀ではあるものの、どこかでオイルが漏れると全部がダメになるというリスクを抱えていました。

ボディは4ドア・サルーンの他、5ドアのワゴンや2ドアのコンバーチブルもありました。サルーンの場合、全長4826mm、全幅1791mmと当時としてはかなり大きい割には車重は1270kgに過ぎず(ボンネットはアルミニウム、ルーフはFRP)、発売当初は水冷直列4気筒OHV1911cc(75馬力)エンジンを搭載していました(充分でした)。しかしライバル車のパワーアップに対抗すべく、1985〜2175〜2347cc(141馬力)へと徐々に拡大されています。
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1974年に後継のCXにバトンタッチするまでの約20年間に1,455,746台という多数のDS/IDが生産されましたが、最近はフランスでも、Flaminio Bertoni(フラミニオ・ベルトーニ)の手による「宇宙船」と呼ばれた独特のスタイリングを目にすることは少なくなりました。残念です。
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