子どもに敬称

　新聞の投稿欄で、自分の子どもに敬称を付けるべきかどうか論議していた。
問題提起をした人は手紙も「様」ではなく「へ」とし、結婚を機に「様」に切
り替えるという。なかなか厳格な家柄だ。うちも娘に野菜を送ったりするが、
「様」に違和感はない。本当は「殿」が正しいのかもしれないが、ちょっと仰
々しい感じはする。
　もちろん、名前を呼ぶときは「様」や「殿」など使うはずもなく、呼び捨て
または頭を取って「ミー」が習慣になっている。まだ２３歳だが、大きくなっ
ても、結婚しても、おそらく変わらないだろう。「○○ちゃん」と呼んでいた
妻がいつのまにか「カアちゃん」に変わるのとはえらい違いだ。まあ、親子な
んてそんなものである。
　ただ、私の場合はちょっと違った。恥ずかしい話だが、親が「ボク」と呼ん
だのである。小さいときはあまり気にならなかったが、高校生になったときは
さすがに「いい加減にしてくれ」と文句を言った。以来、「かずのりくん」か
「あんた」に変わった。友人からは「いってん」と呼ばれることが多いが、中
学・高校は「やまち」、大学は「ヤート君」。「ボク」以外であれば、私自身
は特に気にしていない。