田舎の姐御が、たまたま最強になって帰って来た！「キャプテン・マーベル」

ここ二週間くらい、残業＆休日出勤のため全然映画に行けず、マーベル映画はほとんど観て来たけどもうこれは見送りか、と思って諦めていましたが、まだやっていたので観てきました。
まだそれなりにお客さんが入っていて、前列は中学生くらいの男集団。
そういえばこれは吹替版だったなあと思ったのです。

アクション映画とかだと字幕を読む間にどんどん映像を見逃してしまうため、吹替え版で観るのが本当は良いのですが、最近は話題作の吹替えが酷いので悩みどころです。
そんなにこだわる方ではありませんが、違和感が気持ち悪くなるほどの作品も結構あって、今回の竹中直人の声もずっとそうでした。
見た目の黒人の声にはどうしても聴こえず、気持ちの悪い竹中直人の声みたいなのです（当然、竹中直人だから。ちなみに彼が気持ち悪いのではなく、あくまで声の事です）。

この黒人が話している間、話の内容はそっちのけで「どっかで聴いた事ある声だな。なんだか竹中直人みたい。竹中直人か。そう言えば、以前ニック・フューリーの声を彼がやって、批判された事があったな。あっ、こいつニック・フューリーか！」等とずっと考えてしまいました。
デジタル技術で若作りしているそうで、なんだか見た目も気持ち悪い黒人だと思ったらそういう事だったんですね。
ちなみに主人公は水樹奈々さんですが、本職の人だと違和感ないので全然分かりませんでしたね。
「なか卯」で散々声を聴いているはずなのですが。

あまり予備知識無く観た「キャプテン・マーベル」でしたが、なかなか良かったですね！
マーベルのシリーズ第一作映画は大抵イマイチとは、他のレビューでも散々書いてきましたが、今回はさすがにそこを考慮したように感じます。
第一作映画だから出来るような設定、つまり「主人公の出自」をめぐる話にしてあったのです。

序盤は「また馬鹿なSFテレビが始まった！」という感じで、いきなり目蓋がグングン重くなってきましたが、主人公の断片的な記憶とそこに秘められた過去をめぐる話になってからはグッと面白くなってきます。
馬鹿っぽい異星から地球にやって来てからは、竹中直人の声の黒人との出会いもあり、いよいよ盛り上がって来るのです。

元々のコミックの設定が馬鹿っぽいので、これはもうコメディとしてやるっきゃない、とういうヤケクソ加減が良い具合にハマっています。
また、何より主人公が魅力的です。
ふてぶてしくて、愛想が無くて、ドラブルは常に力づくと、80年代の筋肉アクションスターみたいです。
見た目も、田舎にいそうな面倒見の良い姐御といった感じで、童貞の筆おろしに何度も協力していそう。

馬鹿っぽいヒーロー衣装も堂々と着こなしますが、地球に来てからは何故かナイン・インチ・ネイルズのTシャツをずっと着ています。
これ、カッコイイんですよね。
一昨年くらいにソニックマニアに彼が出た時、Tシャツが欲しくて物販に並んだのですが、運営がポンコツ過ぎて１時間並んでも全然前に進まず、泣く泣く諦めた事があります。
劇場でこのシャツ売ったら、絶対に売れたと思いますよ。
と言うか、売ってくれ！

彼女が、本当にひょんな事からウルトラパワーを身に付けるのですが、この強さが半端ない。
ネットゲームで誤って年収を課金してしまったような間違った強さで、敵も含めてみんなで笑うしかありません。
敵も、昨日配属された派遣社員みたいなのしかいませんからね。
ここまで無茶苦茶だと、痛快な気持ちです。

しかし、アメコミヒーローによくある、すごいパワーを浴びただけで一丁上がり！という設定は安易過ぎませんか。
これなら、原爆を浴びた広島・長崎の被爆者はみんなヒーローになって、空を飛んで爆撃機を撃墜してなければおかしいです。
日焼けしている人だって太陽パワーをたくさん浴びているわけですから、超人になって然るべきです。
まあ、松崎しげるやオバマ元大統領は、超人と言えるかもしれませんが。
（上記の記載についてはただの悪質な冗談であって、論理的な意見でない事は自身がよく理解しています。それに、日焼けをしていると言ったのはベルルスコーニさんで僕じゃないです。悪しからず）。

「アベンジャーズ・エンドゲーム」で終わる終わると言われていますが、これは最近のミュージシャンの活動休止みたいなものでしょう。
いきものがかりの活動休止とか、言わなければ誰も気づかない程度の短い期間だったし。
飲み会には参加しないけど、送別会には仕方なく出席する程度のファンから集金するのには効果的なのでしょうね。
「おかえりなさい、森昌子歌手復帰全国ツアー」とどちらが先か、見ものです。

ちなみに、結局劇場で一番ウケていたのは、猫ちゃんの活躍でした。
竹中直人はこっちの声をやれば良かったのに。