素質

グラノーラ屋さんにあった葉書のカフェに行く。
『４月の女の子』というテーマで
小さなギャラリースペースに、
銅版画とヴィンテージの服や小物が、
飾られ、販売されている。

スイーツもテーマに合わせた白と黒のケーキ、
グラノーラ屋さんのグラノーラのパフェがあった。

黒のケーキにした。
黒いワンピースを着ていたから。
ガトー⋅ショコラのケーキに、
フランボワーズ入りのチョコアイスと
花びらの密づけが添えてある。

ケーキが甘すぎななくて、よかった。

３階にあるお店、窓際の席から、
ずっと流れるように走る車を見下ろす。
偶然の中に探している答えがないか、
問いかけて、車のナンバーを観察していた。

無秩序な数字にも、自分だけがわかる、
きっと、メッセージがあるから。

『どんな道でも、成功される方というのは、
人の気持ちを読む術に長けていらっしゃるんです。
人情家というわけではなく、
人の頭の中身を透かし見る能力とでもいいますか、
人たらしと申しましょうか。
言い方は悪うございますが、
みなさん、いい詐欺師になる素質がある。』
(｢海の見える理髪店｣　荻原浩　著)

小説を読んでいた。
『いい詐欺師になる素質』が欲しかった。
誰かの話を聞くように、本を読んでいた。