[あらまし] 同居母85歳パーキンソン病要介護2認知症状少々。
願いは叶う。
口に出してはっきり言う。
繰り返し言う。
そうしていると、願いは叶う、と言う。
たぶん、本当にそうだと思う。
マザー・テレサの言葉を思い出す。
「言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」
言葉はその人の運命を作るのだ。
※
ケアマネージャーさんの訪問面談。
「夜間はお薬の効果が切れていますから、歩き回ると転倒の危険が有ります。
そこはよくご理解なさっているのですから、あとは実際の行動が伴うように
意識を変えていただく必要が有ります。」
とっても優しい口調で、きっちりと話してくれる。
母は返事する。
「はい。本当にそれは、今回、身にしみてよく分かりました。」
とほほ。何度この言葉を耳にしたことだろう。
ケアマネさんの言う'優等生の回答'である。
お返事はとてもきれいな言葉が出てくる。
しかし、行動は伴わない。
「その思いがリセットされちゃうんでしょうかねー。」
どうだろう。本人は、
「それはそうなんだけど、云々」と、
目の前の理由が逆転第一位になる感じをいつも言う。
ここが、意識が変わっていない、ということになるわけだ。
※
そんな対話の有った、その日の夜半に、
ベッドから出て歩き、転倒して床で寝てしまう、ということがまた起きた。
※
失敗してしまったり、すっごく恥ずかしいことをしてしまったり、
いたたまれないような気持ちになった時、思わず
「無かったことにしたい!」とか
「リセットしたい!」とか
「聞かなかったことにして!」とか言いがちだ。
有るよ有るよ。
取返しのつかないことをしてしまったな、と思ったり、
穴が有ったら入りたいような気持ちになったり、
その場から逃げ出したくなったり。
そんな時、そうやって願い事を口走っていると、
そのうち、リセットできるようになる。
※
認知症の'ものわすれ'とは、忘れるのとはちょっと仕組みが違う。
忘れる、というのは、その出来事は無くならないが、記憶が曖昧になることだ。
だが、認知症の場合は、その出来事自体がすっぽり無くなる。
「何を食べたっけ?」ではなく、
「食べてないよ。」というような違いと言うこともできる。
※
繰り返し口に出して唱えていれば、願いは叶う。
「無かったことにしたい」などというのは、
自分への呪いをかけることになる。
言わないでおいたほうが良さそうだ。
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