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2024年05月01日20:55

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我が国沈没

4月は畑仕事が引きも切らず。
毎日やる事が押し寄せる。



4年前に母が特別養護老人ホームに入居した。
介護の主な仕事は掃除と洗濯だったが、その手が離れた。
直後に年老いた犬も世を去った。

心身にゆとりができたので、庭仕事ができるようになった。
今までの数年間ほったらかしだったので、ずいぶん荒れていた。

母は戦中戦後に十代を過ごした。
国中が貧しかった。食べるものが無かった。
みんな自分で畑を作って、薯や南瓜ばかりを食べていた。
子どもの頃に、そういう体験を繰り返し聞かされてきた。

戦争中、大岡山小学校に通っていたそうだ。
現在の小学校のすぐ東を環状七号線が走っている。
ここを、埼玉大学の今昔マップon the web で見てみる。
右が現在の地図、左が1928年頃の地図。
左の地図に黄色いマーカーで記入したのが環七通りで、
赤丸が大岡山小学校だ。

ちょうど小学校の辺りは、道路を新しく通したことが分かる。

母が言うには、環七を造るために土地は接収されてあったが、
戦争で工事が中断して、空き地になっていた、
そこに近所の人がみんな勝手に畑を作っていた、
ということだ。



その頃の経験のせいで、畑を作ることを母は楽しまない。
庭には花壇ばかりを作っていた。
私が野菜を作ろうとすると、いやがった。

その母が特養に入ったので、庭で自由に畑を作ることができるようになった。

数年間放置していたせいで、木が高く繁っている。
そのせいで、庭は日陰の部分が広くなっている。
そのせいで、シダがあちこちに殖えている。
蕗や茗荷も殖え過ぎだ。

高い木を伐って日当たりを良くする。
シダやヤブミョウガやヤブランやキチジョウソウなど、
日陰を好む雑草をひっこ抜きまくる。

そういう作業を3年間で進めてきた。



だいぶすっきりして、日当たりの良い畑にできる地面が広がってきた。
そうなると今度は、植木が邪魔に見えてくる。

近所の植木畑で種を拾ってきて、一から育てたモミジの木が有るけれど、
惜しげもなくひっこ抜いた。
アジサイも3株有るけれど、1つだけ残してあとは抜いた。
ドウダンツツジやサルスベリやツツジやキンモクセイは、
北側のお隣さんの庭にも有る。伐るべし。

ツバキは毎年5月と9月にチャドクガの毛虫が発生してひどい目に遭っている。
3本有るが、全部伐った。
ヤマブキもビヨウヤナギも、やたらと広がって困る。どんどん抜く。
これはモッコクか。バッサリ。

日当たりも風通しもずいぶん良くなった。



ミョウガやタラノキやフキは、地下茎で広がり過ぎて困る。
それぞれの区画を決めて、間には堀を掘ることで地下茎が広がることを防ぐ。

掘る作業はわりと好きだ。
土のにおいの湿った感じには懐かしさがわきおこる。



どうせなら日照も降雨も温度も管理しようということで、
庭の半分を覆うビニールハウスを建てた。
露地栽培のほうが良い物は、外で作る。

ハウスの天井にはスプリンクラーを設置した。
タイマーで水やりを管理できる。
温度センサーに連動して窓が開閉するので、風通しを調節できる。
日照が足りない場合のために、ライトも付けた。いやー、費用たいへん。
電気代を浮かすために、家の屋根には太陽光発電パネルを設置した。

ハウス栽培ってほとんど映画『トゥルーマンショー』みたいなもんだと思う。

だったら水道代も浮かそうということで、まずは
家の2ヶ所にタンクを設けて、雨樋を繋ぎ合わせ、
屋根の上に降った雨は全部貯められるようにした。
いや待てよ南側のお隣さんの家には井戸が有ると気付き、
井戸を掘った。
7メートルまでは自力で掘ったが、そこから先は業者を入れた。
穴の底に入ってはシャベルで掘り、掘った土を一斗缶に入れる。
穴の上に櫓を組んで、滑車を取り付け、ロープを掛け、両端にフックを付けておく。
このフックに土を入れた一斗缶を掛ける。
そして穴から出て、反対側のフックに乗って、穴に降りる。
一斗缶は地上に出る。
とまあ、こういう事の繰り返しで、1週間で7メートルを掘り下げていった。

最後は業者に仕上げてもらい、
ポンプを置いて、汲み上げられるようにした。



最後のがいけなかった。

ポンプって楽だ。
スイッチを押せば、水がじゃんじゃん汲み上げられる。
ポンプでじゃんじゃん汲み上げて、ビニールハウスの天井から散水する。
面白がってじゃんじゃん水を撒いた。
つまり、
地盤の下のは水を抜かれてすっからかんになり、
地盤の上は水を含んで重たくなる。

そりゃ地盤沈下しますわ。

昨日、気付いたら、
庭の南東角近くにボコッと陥没穴ができていた。
今は直径が30cmほどだけれど、いつまた拡大するか分からない。

地面に見えている穴は南東角だが、
家の東の端で、基礎の表面に亀裂が入っているのを見付けた。
おそらく、基礎が沈下しているのに耐えられず、割れたのだろう。



我が家が沈没するのも時間の問題のようだ。
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