40年も前のことだけど、スキーバスの添乗員をしていた。
馴染みになった地元の若い衆から「時間があったらスキー場のあと片付けの手伝いをしてくれないか?」との誘いを受けた。
飲みながら山積みされたゴミや遺失物の写真を見ながら、楽しむだけ楽しんで帰ってしまう都会人の本質に失望しながら、職場の管理とはいえ大変さも痛感したわけで協力する方向で話は進んだのだが・・・・
酒が進むにつれ話はコアな内容になって行き、迷惑なバックカントリースキーヤーの話に。
現在もそうであるようにパトロールの制止を振り切って滑り降りていく者もいて、毎年何人かは行方不明になってこの清掃活動で無残な姿で発見されるんだそうだ。
凍死寸前で救出される者がいるかと思えば、地元の者でも分け入れない所で息絶えているであろう例もあるという。そうなると遺族の意向がどうあれ回収は困難で春になるのを待つしかないのが現実だという。
軽快な音楽がスピーカーから流れるゲレンデで仕事をしながら春になってからの仕事を思うと憂鬱な気分になるそうだ。
当然現場は普段でさえ人が入り込める所でもなく、春になっても雪が溶けるまで待っていると遺体の損傷もひどくなるのだが、雪崩の危険もあるので必然的に毎年見たくもない現場に出くわすんだとか。
ここまで聞いて今更「止めとく・・」とは言えず、皆も悶々とした僕の表情を読み取ったのだろう。
リーダーから「そんなわけで、都会の人には無理な仕事だわ。聞かなかったことにしてくんな」と笑われておしまい。
上越特有の重い雪はパウダースノーのようにはいかない。僕自身も経験があるが雪にスキーを取られたが最後、もがけばもがくほど雪に沈んでいく。落ち着いてスキーを付けたまま雪面に立つことを心掛け、地道にゆっくりと上るしかないのだ。
何よりフェンスを越えて滑るなんて考えないことが一番なんだけどね。
■スキー客2人が行方不明、遭難した可能性 新潟・湯沢
(朝日新聞デジタル - 02月17日 02:06)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5501369
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