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2019年01月30日12:38

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サイトウ・キネン・ブラスとバイエルンM2015-16

昨夜、水戸芸術館でサイトウ・キネン・オーケストラ|ブラス・アンサンブルの演奏会を聴いてきました。私はまだサイトウ・キネン・オーケストラを聴いたことはありませんが、水戸室内管弦楽団はサイトウ・キネンの精鋭メンバーで構成されているので、このブラス・アンサンブルのメンバーも知っている方が半分ぐらいいました。アンサンブルの構成は、トランペット4,ホルン3、トロンボーン3、チューバ1、打楽器1。抜けのよい輝かしい響きの金管アンサンブルでした。そして打楽器と編曲担当の竹島氏(N響)は七面六臂の大活躍でした。

プログラムは以下の通り。
・デュカス:「ラ・ペリ」へのファンファーレ
・J.S バッハ:シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より)
・ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
・チャイコフスキー:《白鳥の湖》より4つの小品
【休 憩】
・ピルヒナー:ファイヤーウォーター・ミュージック PWV22 より第1曲
・ミュールバッヒャー: ミニマル・ミュージック11&1
・バーンスタイン:《ウェスト・サイド・ストーリー》より ほか
【アンコール】
・アラン・メンケン:映画「アラジン」よりホテル・ニュー・ワールド
・ジョー・ザビヌル:バードランド

デュカスは寡作の作曲家で、これまで生演奏では「魔法使いの弟子」しか聴いたことがありませんでした。「ラ・ペリ」へのファンファーレは、重厚感と浮遊感がある不思議なものでした。you_tubeにあった動画を貼ります。楽譜を追いながら聴くのも楽しいですよ。

https://www.youtube.com/watch?v=c5lnf9sPBGU


「亡き王女のためのパヴァーヌ」では、元ベルリンフィルの主席ホルン奏者だったラデク・バボラークが美しいメロディを独奏しました。バターがとろける時のイイ匂いを思い出すような音色。

面白かったのは、以下の現代音楽
・ピルヒナー:ファイヤーウォーター・ミュージック と
・ミュールバッヒャー: ミニマル・ミュージック11&1
前者では、トロンボーンがスライドを動かしながら吹く奏法(グリッサンド)による重厚なファンファーレにビックリ。このような響きは聴いたことがありませんでした。
後者の「ミニマル」とは、現代美術の用語です。あるパターンの音型や図象を反復・継続させることで変化やズレを生じさせる表現手法。これを音で行った作品。音型の繰り返しが、最終的には人の声に変容していくプロセスがなかなか興味深かったです。

それと、このアンサンブルの構成を見ながら、サッカー好きの私が思いついたのは、ドイツのFCバイエルン・ミュンヘンが採用した3-3-3-1フォーメーションとの類似性ですw。この時のバイエルンは名将グラルディオラが率いていました。このシーズンのバイエルンは、試合中に4バックになったり3バックになったり、何度もポジションチェンジをし、サイドバックは中に切れ込むなど、トータルフットボールの発展形のようなサッカーでしたが、それはこのアンサンブルとも性質的に似ている気がしましたw。

トランペット:Tp
ホルン:Hr
トロンボーン:Tb
チューバ:TB

-------Tp---------
-------------------
Tp-----Tp-----Tp
-------------------
Hr-----Hr------Hr
-------------------
Tb----Tb-----Tb
--------------------
------|TB|------  監督:打楽器&編曲者

ワントップの決定力があるFWレヴァンドフスキーに相当するのは、ベルリン・フィル主席のガボール・タコルヴィ。彼はフリューゲル・ホルン、ピッコロトランペット、コルネットを用いて、ソロを奏でる場面が多かったですね。特にフリューゲル・ホルンの羽根のように軽い音は素晴らしいかったです。

2〜4番のトランペット奏者は、シャドーストライカーのミュラー、左右のウィングのダグラス・コスタやロッベンに相当。2〜4番であっても、独奏場面が多く、常にラッパ隊は前線で華やかさを演出していました。

内声に相当するホルン3人はボランチに相当。アンカーの司令塔シャビ・アロンソに相当するのが、前述したバボラーク。演奏のかじ取り。

低音に相当する守備はトロンボーン3人の3バック。
要のGKノイアーに相当するのがチューバ。
監督:打楽器(編曲も担当w)

バイエルン時代のグアルディオラは、最終ラインが浅めで、それぞれの選手のほどよい距離感とパスワークが魅力的でしたが、このブラスアンサンブルもメロディの受け渡しや流れの良さは、まさにバイエルンのパスワークw。重奏の音色の豊富さなども変幻自在のローテーション・システムと似てる。いろいろオプションがあって、なかなか楽しめました。
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