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2018年12月29日14:12

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百年の孤独

オススメ363。"百年の孤独を運命づけられた家系は二度と地上に出現する機会を持ちえないため、羊皮紙に記されている事柄のいっさいは、過去と未来を問わず、反復の可能性のないことが予想されたからである。"世界中で支持され、ラテン文学ブームを巻き起こし、寺山修司も絶賛の本書はフラクタルに小説、人生の素晴らしさを伝えてくれる

個人的には、あまりにも有名な本書の感想を書くことそれ自体が気がひけてしまうのだけれど。やはり何度読んでも楽しめる、それこそ【無人島に一冊持っていくなら、これしかない】本書の魅力が未読な誰かに届けば!とえいやっと書かせていただきます。

まず、何と言っても素晴らしいのは、架空の街マコンドを舞台に視点を固定した各世代の家族たちの物語でもあるのですが、家族それぞれ全員に魅力的な光があたっている映像的、幻想的なエピソードがあり、長編にも関わらず、全く途中で間延びすることなく純粋に平易な小説として【最初から最後まで】楽しめることだ。

一方で、世代ごとの家族たちが葉っぱとしてのフラクタルであるとすれば、街であるマコンドがまるで木であるかのように縦軸としてあって、創世から隆盛を迎え、やがて滅亡するまでの【100年間の神話】がきちんと描かれている構成、スケールの大きさは本当に素晴らしく、発刊当時の1967年以降、各国で【新しい小説の描き方】として驚きと絶賛をもって迎えいれられたのも納得させられます。

小説、そして人生の素晴らしさを大切に伝えてくれる一冊。何度読んでも熟成されたワインの様に味わい深く楽しめます。

なんとなくのハードルの高さを感じて本書が未読な全ての人に、そして長旅に一冊しか本を持っていけない誰かにもオススメ。
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