カーテンをあけると、外が真っ白だった。
雪だ。
shu-2をたたき起こす。
「shu-2、たいへんだ。外見てみろ」
声を自室で仕事していた妻も、出てきた。
外をみて、「うわあ」とびっくりする。
妻の実家は山形県である。
ニュースをつけると、山形は152センチの積雪となっていた。
こっちでも外がうっすら白いくらいだからなぁ。いわんや東北をや。
「母、死んでんな」
「死んじゃいないだろうけど」
妻は縁起でもない表現をつかう。
「母、ひとりで家のまわりしなきゃいけないから。父、つかえないから」
言ってから、にやりと笑って、
「思ってるで。ぼけたもんがちやな」
って。
妻の父は、一昨年くらいに倒れて、以来、体の動きが悪い。寝たきりでもないけれど、家から出て雪かきはできないだろう。
「こういうのは、早くボケた方が勝ちなんやろな」
と言ってから妻は俺の顔をみてにやりと笑い、
「そっちの方が早くぼけそうやな」
「・・・ぼく、ぼけないと思うよ。だって、頭いいもん」
「ぼけるやろ。なんぼ(本読んで)インプットしてるか知らんけどな。アウトプットしてるとこ、みたことない」
ナポレオンとか、どんな英雄であっても、従僕や奥方から見たら唯の人だという。
いわんや俺おや、ということかな。
やれやれ。
明日からの帰省の移動は、だいじょうぶだろうか。
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