オススメ354。"そのときです、窓の鎧戸の隙間から射し込む月明かりのおぼろな黄色い光のなか、わたしはあの者を見たのですーわたしが創造したあの哀れな怪物を。"執筆当時10代だった著者が1818年に匿名で出版した本書は映像化の中で内容が変容してしまった現在だからこそ、一度しっかり読んでみたい。
個人的には、出版から200年が経過し、また著者の波乱の人生を描いた映画【メアリーの総て】(予告編→
https://m.youtube.com/watch?v=V9su_6H3yA4 )が公開中であることから、せっかくなんでと、これを機会に一度はちゃんと読んでおきたいと本書を手にとったわけですが。"学生にして創造主"の【フランケンシュタイン】創られた"名もすらない孤独な【怪物】。そして"海洋冒険家"の【ウォルトン】の3人視点で語られる巧みな構成にまず唸らされました。
そして何より、現在だとすっかり【フランケンシュタイン】と誤って名前を認識されてしまっている【怪物】が『若きウェルテルの悩み』や『失楽園』を貪り読む読書家であり、その饒舌な"俺の話を聞け"(byクレイジーケンバンド
https://m.youtube.com/watch?v=vRE3f-qQkQA )的な語りにも(どうしてもファーストコンタクトが"フンガー"の『怪物くん』イメージだったので)驚かされました。
映画【メアリーの総て】を観賞した(する)誰かへ、また最初期のSF小説を読んでみたい誰かにオススメ。
ログインしてコメントを確認・投稿する