mixiユーザー(id:66468869)

2018年12月19日08:00

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ゼロからトースターを作ってみた

オススメ353。"僕がトースターを、それも電気トースターを作りたい理由は、電気トースターが【近代の消費文化の象徴】であるように思えるからだ。(中略)必要なものと不必要なもののボーダーライン上にある、多くの製品の象徴なんだ"卒業制作の為に、まさかの【原材料を掘り起こす】所からトースター作りが始まる本書は元気と【再魔術化している】現代文明に対する示唆を与えてくれる。

個人的には、前々から存在を知りつつ今回ようやく手にとったのですが【掘る】【削る】【砕く】【溶かす】といったトースター(の原材料)を制作するプロセスが"まずはやってみた"的なゆるくかつユーモアたっぷりの文書、そして、とにかく大げさな写真で紹介していて楽しませてくれる。

一方で、知り合いの芸術大学の先生が"最近の学生は作品の原材料へのこだわりが足りない。【ホームセンターで手軽に購入し過ぎだ】"と嘆いていたのを読みながら思い出し、そういった視点で捉えなおせば、楽しさだけでなく、制作過程はもちろん、メディアへの発信やマネジメントも含めて、実は【優秀な学生なのかも?】とか思い直したり。

いずれにしても【誰かに迷惑をかけたり】【安易に何かを破壊したりする】若手"やってみた"動画芸人の方々が世間を騒がせている今だからでしょうか?本書からは同じ若者による"やってみた"でも、その創作への愛すべき真摯さ、爽やかさな姿が【一種の清涼剤のように】好意的に映ります。

芸術大学で学ぶ誰かに、また本気のDIYを考えている誰かに、はたまた実は【どうやって出来てるかわからない】モノに囲まれている異常な生活に不安を覚え始めている誰かにオススメ。
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