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2018年12月12日20:42

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ファルスタッフ@新国立劇場

3年前のちょうど今頃、新国立劇場としては再演のステージを拝観いたしました(ワタシ
にとっては初見)
定年リタイアして、シーズンチケットを購入するようになり、また新国立劇場でもレパート
リーになるものが増えて、同じ演目を見る機会が増えてきました

前回観た時も、それほど不満はなく、面白く拝見させていただきましたが、今回はさらに
満足のいくものでした

タイトルロールは前回よりもブッフォの感じが強く、そのせいでしょうか、全体的に「喜劇性」
の印象が増したように思います

今回はなんといってもアリーチェ役にエヴァ・メイという贅沢なキャストで、前回が悪かった
というわけでは決してなかったのですが、知的でウィットに富み、ときとして敢えてメロディを
外してパルランドによる歌唱はさすがです

フェントン役の村上さんは、前回の吉田さんがちょっと声が荒れ気味であったのに比べ
充分に柔らかなリリコでした

基本となる演出はジョナサン・ミラー氏によるもので、あらずもがなの読み替えを排し、
シェイクスピアへの畏敬の念が感じられます(再演演出が前回と異なっていたのも
ポイントが高いです)
最終幕切れで退場するファルスタッフにクイックリー夫人が寄り添うのは、ヘンリー5世を
踏まえているのでしょうね(ちょっとニヤリとしました)

唯一不満を申すならオーケストラの音量で、特に破綻を来したわけではないのですが、
かといって、あんな破鐘のようなヴォリュームが必要だったのでしょうか
ファルスタッフのガンディア氏は充分な声量で、決してオケに負けてはいませんでしたが
なんだか歌い手を無視してオケががなり立てているようで、これは指揮者の責任です

全体的に大きいわけではなく、デリケートな部分もありましたので、ダイナミックレンジが
不必要に大きく感じられました

前回アンサンブルに若干の乱れがあったのに比べ、今回はやや慎重ではあったものの
整然としていましたので、このデュナーミクの設定には疑問を覚えました
第二幕終了後、Bravoがかかっていましたので、これはワタシだけの感想かもしれません

ファルスタッフというオペラは、原作の「ウィンザーの陽気な女房たち」がそうであるように
必ずしも傑作喜劇とは言い難いのですが(個人的感想です)、ヴェルディの音楽はやはり
素晴らしい、それに相応しい公演だったと思います(音量の他は)

3年前と時期が同じでしたので、エントランスとホワイエにはクリスマスツリーが同じく
飾られておりました

第一幕と第二幕を繋げて演奏したため、休憩は一回のみ、慌ただしく珈琲ブレイクと
いたしました(500円のドリンク券との差額は喉飴を購入することいつもの通り)
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