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2018年12月07日12:48

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ロング・グッドバイ

オススメ341。"私はロマンティックなんだよ。バーニー。夜中に誰かが泣く声が聞こえると、いったい何だろうと思って足を運んでみる。(中略)だから君は優秀な警官であり、私はしがない私立探偵なんだ。"訳者の熱い想いが込められて2007年に新訳された本書はハードボイルドの準古典とは言え、まったく古さを感じさせない。

個人的には、別訳の【グレート・ギャツビー】の印象がとても良かったので、今回あらためて手にとったのですが。ストーリーとしてはなるほど、今となっては、ある意味で【よくある話】なのですが(もっともこちらが元祖と言う方がより正確なのでしょうが)それより、クールで、ちょっとエキセントリック?な語り手役の私立探偵のフィリップ・マーロウの魅力的な台詞はもちろん、登場人物全員それぞれが生き生きと、ありえないほど【よく書かれていて】ページの厚さも気にならずに、ぐいぐいと引き込まれました。(60pにわたって後書きで本書の魅力を語る訳者の真摯な翻訳にも感謝)

訳者の【羊をめぐる冒険】、ドラマ【探偵物語】、アニメ【カウボーイビバップ】などジャンルは違っても多くの追随者や、影響を受けたオマージュ作品が誕生したのも納得の名作ですね。

"さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ。""ギムレットを飲むには少し早すぎるね"花金に、いつもの居酒屋ではなく、薄暗い照明のバーで、ハードボイルドな気分に1人浸りたい誰かに、また村上春樹ファンな誰かにオススメ。
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