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2018年12月01日21:50

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LSD ヴェニスの商人@浅草リトルシアター

良く知られた定番ですが、実は人肉裁判の場が中学や高校の学園祭で上演されるだけで、
全体を知っている人は少ない(のではないか)
トゥーランドットかかぐや姫のような花婿応募のエピソード、シャイロックの娘ジェシカの反乱
があるなどというのは、あまり知られていないと思います
ということで、ワタシはLSDのこの演目初めてではありませんが、今回改めて福田恒存訳の
新潮文庫を買って事前に読みました

そうしてみると、裁判でシャイロックをやり込めた後、裁判官に化けたポーシャが、やはり書記
官の扮装をした小間使いのネリッサとともに彼女らの夫に与えた指環を謝礼として巻き上げ、
後でそのことをネタにとっちめるというのは、ドッキリカメラのようで悪趣味であります
ワタシは人を試すというのは好きではありません

ただ、本日の美津香さんの演出では(前回もそうでしたが)、登場する女性陣を女の鑑として
は描いておらず、女性上位のダーティな存在としていて、それならば同意はできないけれど
理解はできます(女はみんなこうしたもの)

それから、シャイロックという人物を当時のイギリスのユダヤ人排斥の風潮に乗った
ステレオタイプの悪人とせず、あくまでも頑迷に正論を貫き通す、少々扱いにくい人物として
描き、そのモノローグではいかにユダヤ人が蔑まれているかを、ユダヤ人の立場から
語っていること、シェイクスピアという人はやはり只者ではありません

福田訳を読むほかに事前準備(とはならないのだけれど)として、ヴェニスの商人を下敷き
にしたフランスの詩人・劇作家アロクールによる芝居「シャイロック」へのフォーレによる付随
音楽をプラッソン指揮のCDで聴きました

それから、ポーシャの住む架空の地ベルモントに因んで、足立区にあるベルモント公園という
のを浅草に行く前に訪ねました(これは足立区民である美津香さんのご推奨です)
ベルモント(日本流に言うなら美しが丘)という御大層な名前にしては猫の額のような、ご近所
の子連れママや、日曜画家のご隠居の集う場所のようです
西オーストラリア州ベルモント市(これは架空ではありません)との友好のシンボルらしく、羊の
モニュメントがあるのもそのためなのでしょうね

公演前説で浅草リトルシアターの劇場主が「今日の公演は短めで、1時間半くらいです」と言っ
たのは、リハーサルがそれくらいだったのでしょうか、ところが本番は終盤をアッチェレランド
したにも拘わらず、2時間15分の長丁場となりました

そうなることを見越して夕食は簡単に、らあめん花月嵐雷門店で季節限定の道豚堀うまウマ
ラーメンというのをいただきました
カウンタ上にあった「激辛壺ニラ」というのを入れたら、これは辛い、うまウマじゃなくなった

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