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2018年11月25日23:46

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「そもそもブルース・ウイリスすすんで復讐しそうじゃね?」の禁句 『デス・ウィッシュ』

「ブルース・ウイリス普通に復讐しそうだし強そうじゃね?」 シーッ!
そもそも原作の本質とは、我々同様普通の人々が自警団と化し復讐に狂う部分だ。
なら旧作でカージーをつとめたチャールズ・ブロンソンもマッチョすぎるし、
本人も“それ”は指摘している。*1

筋書きは旧作同様だ。
カージーの妻と娘が強盗に遭い、妻は死に、娘は生き残る。
カージーは偶然入手した拳銃で悪人の始末と復讐を開始する。

リメイクでは医師のカージーが、
どう自警団として成長するかを順序よく説明。
銃の撃ち方はYoutubeで覚え、
病院の患者の衣服(パーカー)を使いフードアップ *2 で正体を隠す。
医師の技術で拷問も治療も完璧だ。

現代的な要素も取り込む。
犯行がネットにアップされ、人々は彼を守護天使と呼び、本人もまんざらではない。
模倣犯(自警団)の登場は『狼よさらば』シリーズから汲み取った要素だ。

ただ、ウィリスのカージーは、
自警への悩みが作り込み不足でヒーローにしか見えない。
ブロンソンのカージーは最初の殺人のあとでトイレへ吐く。
以後、復讐へと取り憑かれる人物を好演。
リメイクは、所詮、自分は強盗と同じ穴の貉(むじな)だという責め苦の描写が弱い。

ではまったくよくないのか?
といえば娯楽要素の強いヴィジランテムービーとしてはツボをおさえる。
ゴア描写などイーライ・ロスらしさもある。*3
妻を殺す強盗をきっちり始末するところは気持ちがよく、リメイクに軍配だ。


※1 当時、チャールズ・ブロンソンのマネージャーは原作とブロンソンのイメージの剥離へと悩んだ。また復讐者を正当化する内容にも悩んだ。チャールズ・ブロンソン本人は自身のイメージと原作のカージーのイメージを取り上げ、「この役には本来ならダスティ・ホフマンのような俳優がふさわしい」とインタビューで回答している。

※2 パーカーのフードを上げ顔を隠す行為。アメリカでフードアップ(hood up)は、「身元を隠す」の隠語や、ファッションで「反抗」を意味を含むジャンルの一部と現代では認識され、単純な言葉以上の意味を持つ場合が多い。

※3 最初の家屋侵入の場面演出がホラー映画的だったり、そのほか、潰したり、斬ったり、拷問したりと描写に容赦がないところはイーライ・ロスらしいね。
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