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2018年11月21日19:22

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元CIAが語る内部監査「企業内文春砲」

■法人としての日産も立件へ 長期で巨額の虚偽記載を重視
(朝日新聞デジタル - 11月21日 02:11)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5384941

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元CIA(公認内部監査人)です。
(今でも資格はあるのですが維持更新を怠けている状態です)

公式ではなく、私見もまじえますが。

監査という制度は大まかに3つあります。会計監査、監査役監査、内部監査です。三様監査と言います。

世間一般で一番なじみ深いのは会計監査法人による会計監査でしょう。いわゆる法人の財政諸表を見るもので、株主を対象としたものです。

監査役監査も株主のために行うのは同じですが、「会計」というよりは「業務(主に取締役)を見守る感じです。役員とほぼ同格に監査役がいて、今回も監査役が一枚かんでいるのは間違いないでしょう。私は今度縁あって医療法人で監事をやるお話をいただいていますが、これも監査役と類似したものです。

で、内部監査ですがこれは唯一「株主のため」ではなく、役員のために行う業務監査です。私もほとんどこの役割でキャリアを積んでおりました。

・・・勘の良い方はお分かりだと思いますが、今回のように「他の取締役」を追い落とす主旨や意図が働きやすいのです。だって内部監査人のBOSSは「株主」ではなく、監査担当役員ですから。


監査という制度は今後右肩下がりで量的な成長が期待しにくい日本にとって超重要になる!と読み、CIA資格を取得したのですが、残念ながらいろいろと手落ちのある制度だと思っております。

なにせBOSSが会社の上司ですから、どうしてもツッコミきれないところがあったりします。
個人的には「フォアボールや内野安打(くらいの不正発見)が一番良い。2塁打以上の長打は面倒なことになるし、ホームランだと飛ばされるのは自分になる覚悟がいる」という感じです(笑)。

「あ、これヤバいな」という予感が働くとそこは「あえて調べない」という「大人な対応」が働くようになります。我々監査人とて家庭があり、わが身がかわいいのです。・・・見つけてしまったら告発しないわけにはいきませんので。そうなると絶対に相手を倒し切らなければ自分が潰される可能性を危惧し続ける羽目になります(かなりきわどい本音を書いておりますw)普段は圧倒的に地味な資料調べがほとんどですが、「組織内でスリリングな立ち位置になりたい」「政治的調整能力、バランス感覚、立ち回りに抜群の自信がある!」ならおすすめの資格です。重要人物の運命を握る可能性がある仕事ですので。いわば「企業内文春砲」とでも言いましょうか。(古いか)

で、「ゴーン氏をなんとかしたいけど、組織上の力関係では何ともできない方々」が頼るのはこういった内部監査制度だったりするわけです。こっそりと我々内部監査にタレコミがある場合もあるのですが、大半はそういった意図を含んだものですね。


監査制度全般は一度「監査税」という税金を法人が国に支払い、国が監査役や監査人に給与を支給するという制度にしなければ、中途半端な制度でしょう。外部監査役という制度もありますが、どうしても自分の生活にかかわる「金の出どころ」には「忖度」してしまうので不十分だと個人的には思います。ただ、ないよりははるかにマシですし、量よりも質的な組織改革を行うには必要な制度だとは思います。

「監視されない権力者はほぼ確実に腐敗する」ものです。

私が今度属する組織では好き勝手やらせてもらうつもりですが、「じゃあ監事を監査するのはどうするのか?」ですが、全従業員の給料を社員全員で決め、フルオープンにすることを検討しています。それを承知の社員しか雇えませんけどね。社長の給料に入社1年目の社員でも意見できるチャンスを与えることで「より一層監視能力」をもたせられればなと。
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