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2018年11月19日07:49

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陰翳礼讃・文章読本

オススメ323。"私は、われわれが既に失いつつある陰翳の世界を、せめて文学の領域へでも呼び返してみたい。"1939年発刊の本書は、近代化もとい西洋化の過程において、日本文化が何を失ったかを建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧など様々な領域にわたって自由に述べていて、何故かホッとさせられる。

個人的には、友人のフランス人の芸術家が、作品紹介に本書から引用していたことから、あらためて再読したわけですが。東日本大震災の時に、節電の必要性が叫ばれていたのが、いつの間にか元にもどって、クリスマスだ何だとやけにライトアップして隅から隅までピカピカにされるこの季節に読むと、あらためて日本の美意識、美学といったものが随分昔に失われたことを再確認させられて、一緒に収録されている『文章読本』と共にいささかもどかしい気持ちにさせられます。

日本の美意識を再確認したい誰かに。また海外の方と交流する機会の多い誰かにオススメ。
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