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日頃食事しに行くことなどない珍しいところで珍しいものを食べたので、mixi日記に仕立ててアップしておく。
仕事で後志管内赤井川と小樽をクルマで訪問する予定だった11月7日水曜日は、回る順番はどっちが先でもよかった。
そこで、小樽はちょくちょく行っていることもあり、普段食事しに行くことなどない赤井川を先に回り、赤井川で昼飯を食べてから小樽へ向かうことに決めた。
人口わずか1300人しかいない山村の赤井川村は北海道の中でも超ド級のド田舎で、どこかその先に大きな街があって通り掛かる経路でもなく、スキーリゾートのキロロのホテル以外に飲食店などほとんどない。
それでも、訪問先は村の中心にある役場だったから、食堂の1軒や2軒くらいはあるだろうと赤井川へ向かった。
ところが、赤井川に着いてみたらコンビニのセイコーマートがあるだけで、看板に食堂と書いてある旅館を見つけたものの人の気配がせず営業していそうにない。
小さな赤井川の中心集落をひと回りしてみたが、ほかに飲食店は見つからなかった。
こりゃヤバい、小樽までは40km以上あって時間が掛かるから、ぜひとも赤井川で昼飯を食べておきたいがコンビニは避けたい。
しかたないからスマホでネット検索したら、市街地から3kmほど余市方面へ行ったところにそば屋が1軒あることが分かったので、営業しているか分からないがその店へ向かってみた。
その「村そば赤井川」へ行ってみたらそば屋ではなく「ちゃ〜しゅう工房&ザンギ亭」というラーメン店だったが、ほかに選択肢もなくここで食べるしかない。
メニューを見ると、おかしなメニューを見つけたので、冒険だが「オリーブオイル塩味」というその「ザンギon theレモンら〜めん(950円)」というのを食べてみようと注文(写真2)。
イメージしていたのは、輪切りのレモンを浮かべた塩ラーメンにザンギが入っているのではないかと想像していたが、何だこりゃ。
レモンなど見えずにザンギ4つと茹で卵半分が乗っているほかは一面がサラダに覆われているではないか。
サラダの下から麺を掘り出してみたら、ちゃんとレモンも出てきた。
まずは恐る恐るスープをひと口飲んでみるが、さほど酸っぱくはなく、塩味も薄め、油もオリーブオイルでサラッとしており結構いける。
問題は、ねぎならともかく温かくない生の野菜が違和感あって、麺と共に食べてみるがやっぱり変だ。
次にザンギを食べてみる。
カラッと揚がったザンギはスープに浸かっていてもしっかりしており、にんにくが効いており非常においしい。
しばらくすると、スープの熱でレタスがしんなりしてきた。
するとどうだろう、違和感はなくなりなかなか旨い。
結局のところ、レモンの果肉もしっかり食べ、全つゆで完食してしまった。
「どうしてこんなラーメン作っちゃったの?」と尋ねたら、ラーメン屋をやって40年にもなるんだそうだが、豚肉もラードも一切使わず、イタリアンな感じのラーメンを作ってみようと遊び心で考え、このスタイルにたどり着いたらしい。
めちゃめちゃおいしいラーメンというわけではないが、生のサラダが乗っているだけでもびっくりなのに、さらにレモンまで入れてそこそこ食えるラーメンに仕上がっており、キワモノではあるが面白いと思う。
札幌でこんなラーメンを出したら絶対に名物になると思うが、飲食店がほとんどないような赤井川のさらに外れでこんなブッ飛んだラーメンが人知れず提供されていたなんて全然知らなかった。
何でもいいから何か食べられればいいやと思って赤井川まで来ちゃったが、面白い逸品を見つけてしまった。
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