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2018年11月02日23:33

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小隊テイストの復活。同時にシェーン・ブラックを許容できるか 『ザ・プレデター』

「プレデター」シリーズの第1作目で最初の犠牲者/被害者はだれか?
シェーン・ブラックがつとめたホーキンスだ。*1

それから約20年後、
シェーン・ブラックが「プレデター」シリーズの監督をつとめる。
本作は有り体に説明するなら、
シェーン・ブラックのテイストを許容できるかどうかだ。

監督は「無印」の小隊テイストを復活。
はみだし軍人集団のルーニーズは魅力にあふれ、
主演のマッケナ(ボイド・ホルブルック)を始めキャラクターはたっている。*2

物語は要人暗殺の最中、プレデターと接触をはたすマッケナが、
プレデターの装備をアメリカの自宅へ送る。
荷物をサヴァンの息子ローリー(ジェイコブ・トンブレイ)が開封して幕開けだ。

アメリカの田舎を舞台に人類 vs プレデターは闘争を開始。
シリーズはじめてプレデターが異星で戦う理由が判明し、
別種のプレデターも登場する。

はっきりいっておくが、話し運びと演出は乱暴だ。*3
人の死は軽く、死の掘り下げは甘い。監督自身の撮影方法は、
一世を風靡した80年代風のダサいカメラワークのままでとまっている。
天才少年登場もお決りだ。*4

熱狂的なファンが存在するシェーン・ブラック。
監督の“いろは”を「理解」していれば、おそらく映画は満点だ。
でないと説明不足や作り込み不足ばかりが目立つだろう。*5

乱暴さが功を奏して、マッケナとプレデター、最後の対決は最高だが、*6
オチは「アイアンマン」。この監督ゆえ冗談か本気かわからない。


※1 当時、ホーキンスの死体は皮をむかれて、腸をえぐり出されつつも、木へと吊られ姿を現す。約20年後、本作最初の犠牲者/被害者の死体の状況も同様。つまりこれは監督のセルフオマージュだ。

※2 トレヴァンテ・ローズがつとめるネブラスカがとてもいい。軍人だけれど知的な黒人で、マッケナより物事のとらえかたもスマートだ。

※3 「なにがこうなって」「こういう結果になった」の経緯は(ほぼ)説明されない。“結果”だけある。80年代、90年代ならそれも許容されたろうが――。

※4 『ラスト・アクション・ヒーロー』は、利発な少年ダニーが登場。『アイアンマン3』に登場する天才少年ハーレーは、スタークに発明家魂を取り戻させ背中を押す。そうして本作のローリーはプレデターでさえもがほしがる才能の持ち主だ。「またかよ」っていうより好きなんだよな。

※5 ※3と一緒で、いつのまにか敵役が死亡している、最後の帳尻合わせの清算のようにバタバタとルーニーズのメンバーが死亡する、と、まったほめられない。

※6 無印が知恵をしぼる対決だったのにたいし、本作は完全なパワーとパワー、異星兵器のぶつかりあいだが――。
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