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2018年10月02日09:59

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9月が終わる。1年の3/4が終わった。

9月26日(水)  立川シネマシティ

「愛しのアイリーン」(吉田恵輔)
42歳の独身童貞マザコン男、脳内には「オ〇〇コ」のことしか頭にない。(この4文字禁句が何度も映画内で連呼されるのは、チョット凄い)初めて惚れた女がヤリマンだったのが判明。ヤケになって、コツコツ貯めた大金で、フィリピン嫁探しツァーに参加する。何とも情けない男を安田顕が、これ以上ないハマリ役で好演、演技賞ものだろう。他の配役は全く考えられない。嫁のナッツ・シトイがブスとまでは言わないが、可愛くも美人でも全然ないのが、また何とも味がある。そこから始まる家庭内修羅場。吉田恵輔の映画の題材は、エグいものが多いが、寸止めの演出が効いて、決してヤな感じを与えず、ここでもその持ち味がよく出された。(世評の高い「ヒメアノ〜ル」は、この寸止めの歯止めが薄く、私には良い印象がない)女衒の混血児の伊勢谷友介も、単なる悪役でなく、経済的に強姦を繰り返した戦後日本と東南アジアの関係を忍ばせ、「バンコクナイツ」「菊とギロチン」と同様の、社会的深みもあった。(よかった。ベストテン級)

「純平、考え直せ」(森岡利行)
鉄砲玉を命じられたチンピラが、偶然知り合った一風変わったOLと過ごす3日間。いわば21世紀の「鉄砲玉の美学」たが、OLがその3日間の行動を、事細かくSNSでつぶやいてデータが拡散し、本人だけが知らない中で、膨大な書き込みが発生するのが、斬新だ。書き込みネームと、本人の実像の落差が、映画の終盤で次第に明らかになるところも、現代を感じさせる。ただ、ラストの思わせぶりな曖昧さは、私は取らない。撮影所システム全盛期のヤクザ映画なら、プロデューサー側からクレームがつくだろう。いや、撮影所システムの映画作家ならば、もっとキッチリした結末をつけたはずだ。(まあまあ)

「泣き虫しょったんの奇跡」(豊田利晃)
有無を言わせぬ実力主義の将棋の世界だが、プロ棋士になるのに歳の壁があるとは、不明ながら知らなかった。奨励会に入会し、26歳までに四段にならなければならない。実力主義なのに、そこだけはおかしいな?と、素人なら感じるが、それを覆した実話の映画化だから、胸を打つ。26歳の限界の時にどうなるかのサスペンス、その後、例外措置でプロ棋士になれるか否かのサスペンス。動きの乏しい将棋を題材に、ここまで見事にエンタテインメント映画にした手腕に感心する。アクの強い演出が多い豊田利晃にしては、オーソドックスな創りなのは意外だったが、監督も元奨励会会員だったとのこと、納得。(よかった)

 私は、水曜日か木曜日を、立川シネマシティに行く日にしている。水曜日に次週の上映スケジュールが発表されるからだ。11スクリーンあるので、観たい映画はまず3〜4本程度はある。ところが、なかなか時間がうまく合わない。この週も「愛しのアイリーン」「泣き虫しょったんの奇跡」を観ようと思ったら、その間の空白が長い。ピッタリ合ったのが「純平、考え直せ」だったので、ノーマークだったが観ることにした。

 ラストはさておいて、「純平、考え直せ」は一見の価値はあった。こういう空白の穴埋めで、意外な拾い物に出会うのも、映画ファンならではの楽しみだ。結果的には、この3本は同一スクリーンでの上映だった。時間的に合うのは、あたりまえですね。


9月27日  深川江戸資料館小劇場
         企画展「時代小説と深川」関連イベント(映画上映)
                  剣豪と股旅〜大佛次郎と長谷川伸の世界
「鞍馬天狗 江戸日記」(松田定次)
御存じ!鞍馬天狗。昭和14年作品。勤王の志士暗殺を企てる幕閣との対決で、目新しいものは特に無い。神出鬼没ぶりと、アラカンのスビーディーな殺陣を、単純に楽しめばいい。最後は絶体絶命の危機の中でエンドマーク、まるで街頭紙芝居だが、「復讐篇」という後篇があるそうだ。そちらは、現存しているのだろうか。(まあまあ)


9月29日(土)  上野オークラ劇場
          「パンチラ病院 おとうさん大興奮!」公開記念
             舞台挨拶&トークショー サイン・握手会&撮影会
「昭和おんなみち 裸性門」(曽根中生)
身分制度が強かった大正時代の中で、道ならぬ恋やら、血筋を絶やさぬための侯爵の理不尽な横暴とか、大和屋竺らしい反骨と因縁のドラマが展開する。私の好みの世界ではないが、さすがに撮影所システムの日活ロマンポルノ作品、時代色表現の壮麗さは、低予算ピンク映画に交えて観ると、圧倒的な厚みを感じる。ただし、ソフトがCS放送用のものなのか、映像の質が良くなく、ボカシも大きくて、チトひど過ぎる。ワイドスクリーンなのに、上下を縮めての映写も、木戸銭を取るレベルではなかろう。(まあまあ)

「パンチラ病院 おとうさん大興奮!」(清水大敬)
生真面目で無口で、パッとしない中年男が、交通事故に遭遇の後、真逆に対照的な2つの世界を往還するようになってしまう。当然ながら役者も全て、正反対の役柄を演じるという面白さがある。別役実の戯曲の芝居演出キャリアもある清水大敬監督だけに、発想の基は不条理演劇かとも思ったが、さすがにピンクでそこまではどうかと自粛したか、平凡な〇〇〇で収束してしまうのは、チト残念。これでは、主人公が可哀そうすぎると、私は感じた。濡れ場をコッテリ・ジックリ見せるピンクの王道を行っているのは、最近ピンクらしからぬピンクが横行しているので、ややホッとする。(まあまあ)

「パンチラ病院 おとうさん大興奮!」に、私もチラリと出ております。冒頭と終盤のオフィスのシーンで、自分で思っていたよりは、キッチリ名演(?)になっておりました。サラリーマン生活が長かったので、スーツ姿や立ち居振る舞い、書類チェックの動作が身についていたということでしょう。

 もっとも、外野の声で、「パソコン画面に見向きもしないあたりは、古いねェ〜」「いや風貌からして、合ってたんじゃない」。ピンクファンのお喋り雀は、五月蠅いことであります。

 9月、今年の3/4が終り、私の初スクリーン鑑賞作品は245本。

 万歩計累計は364,976歩(日平均12,166歩)

 ここまでで、私のベストテン候補は次のとおりです。順不同、鑑賞順。枠外とは一週間未満公開で、キネ旬ベストテン対象外の映画。

[日本映画]
「犬猿」「ニッポン国vs泉南石綿村」「ちはやふる−結び−」「港町」「娼年」
「名探偵コナン ゼロの執行人」「孤狼の血」「ラプラスの魔女」「万引き家族」
「空飛ぶタイヤ」「パンク侍、斬られて候」「菊とギロチン」
「カメラを止めるな!」「沖縄スパイ戦史」「きらきら眼鏡」
「愛しのアイリーン」

 以上16本、今年度対象作品73本からの選出。ベストワン候補は「孤狼の血」。

[枠外]
「阿部一族」


[外国映画]
「キングスマン ゴールデン・サークル」「スリー・ビルボード」
「グレイテスト・ショーマン」「リメンバー・ミー」
「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」「ダンガル きっと、つよくなる」
「ビルビー」「レディ・プレイヤー1」「ザ・スクエア 思いやりの聖域」
「ジュラシック・ワールド 炎の王国」「ワンダー 君は太陽」
「インクレティブル・ファミリー」「1987、ある闘いの真実」
「モアナ 南海の歓喜」

 以上14本、今年度対象作品69本からの選出。ベストワン候補「リメンバー・ミー」」。

[枠外]
「ハイブリッド」「だれもが皆」

 なお、ピンク映画大賞優秀作品賞候補の追加は9月も無かった。下半期はとりあえず不作ということですね。

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