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2018年09月24日11:06

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うなぎの元気、根気、勇気、本気!「キュア・禁断の隔離病棟」



静岡の人ならお馴染み、うなぎパイのCMソングをタイトルにした訳は、今回のこの映画はこれまでに観た事の無い、うなぎが大活躍する映画だからです。
小椋佳氏の作詞・作曲によるこの曲ですが、何と言ってもサビの歌詞「元気・根気・勇気・本気」が、「やる気・元気・井脇(ノブ子)」を思わせ、なんとも心に残ります。
これが、「夜のお菓子」であるうなぎパイの効能としての「長丁場のセックス」を示唆していることは、誰にも容易に想像できます。

うなぎは美味しいし元気になるしで、最高の食材。
子供の頃、近所の野良猫にうなぎパイを与えたら、翌日から毎日家に来るようになって閉口した記憶があります。
それ以降、近所の野良猫の数が激増したのも、もしかしたらその効能ゆえだったのかと思い至ったのも、ごく最近になってからでした。

そんなうなぎですが、これまで映画で登場する事はほとんどありませんでした。
有名なのは、常に赤裸々な生と性を描いた巨匠、今村昌平監督くらいではないでしょうか?
ところが、この「キュア・禁断の隔離病棟」では、ホラーというジャンルにおいて、本当に応援したくなるほどの大活躍を見せてくれるのだから必見です。


監督は、これまで「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ザ・リング」「ローン・レンジャー」といった大作を撮ってきたゴア・ヴァービンスキー。
そんな監督が、おそらく自分のやりたい事を優先して作成した映画がこの作品だと思われます。
大物俳優も出ず、大作のような予算も無いだろうこの映画はしかし、これまでも作品のイメージを覆す、実にフェティッシュで変態性の高いホラー映画となっているのです。

お話は、会社の社長がスイスにある病院に行ってから全然帰ってこないので、主人公が連れ戻しに行くところから始まります。
病院は山の上にあるお城のような建物にあり、そこの患者はみんな幸せそうに庭で遊んだりしているのですが、全員「オーラの泉」を見た後のように漂白された表情で、なんとも不気味。
面会時間終了という事で仕方なく、会社と連絡をとるためにふもとの町まで車で戻る途中で事故に遭い、自分も病院に収監されてしまいます。
仕方がないので社長を探したり探検したりするうち、痛かったり気持ち悪かったりする体験をたっぷりしてしまうという内容です。

この映画は、物語や辻褄なんかは二の次、とにかく監督の撮りたいシーンを優先している感じなので、その趣味の合わない人には、飲み物を買いにフラッと入ったコンビニで変態店長に延々と「今年考えた下ネタギャグ100連発」を提供され続けるような気持ちになると思います。
でも、とにかく面白いシーンがたくさんあって、僕はとても大満足です。
中でも前述のうなぎ軍団が「その変態、僕たちにまかせて!」とばかりに大活躍。
うな重大好きの僕でも「オエッ」と朝の歯磨きレベルで吐きそうになる、気色悪いシーンを見せてくれます。

予告でもチラっと映る、少女が大量のうなぎのいる浴槽に浸かっているシーンとか、極北のマニアビデオでしか見られないような珍奇なものですよね。
こういう異常なシーンを、言い訳レベルのストーリーテリングで次々に見せてくれた監督に対してはとにかく「お疲れ様。おめでとう!」とねぎらいたい気持ちでイッパイです。
職人監督だけあって、映像の美しさは素晴らしいし、終盤はちゃんと娯楽的に盛り上げてくれるので、変態以外にもアピール出来ます(最後まで我慢できれば)。

ただ、この内容なのに時間がちょっと長いですね。
これも監督のこだわりで、せっかく撮影した変態映像を1秒でもカットするのは我慢がならなかったのでしょう。
そこらのゴミホラーとは違う、フェチ意識高い系変態映画ですので、是非一度お試しいただきたいと思います。

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